犬が人見知りする理由
犬の祖先は群れで暮らす野生動物。その昔、犬にとって群れで暮らす家族以外は敵だったのです。人間と暮らすようになってからも、当初はペットとしてではなく人間と共に狩をする猟犬や、家族を守る番犬として、人のよきパートーナーとして存在していました。
特に番犬は見知らぬ人や外敵に対して吠えることで、飼い主である家族を守ることが仕事だったため、警戒心が強い犬が向いています。犬の古くからの習性を考えると、犬が人見知りなのはごく当然の事のようです。
しかし、現在ペットとして飼われている犬が、あまりにも人見知りが強いのは少し困りますよね。ペットとして飼われている犬が人見知りになってしまう理由は、子犬から成犬への成長過程にある社会化期(生後3週~14週)の経験が大きく左右することになります。
この時期に外の物音や知らない人、また犬同士のコミュニケーションなど上手に社会化トレーニングが出来た犬は成長してから激しい人見知りは起きないかもしれません。しかし全ての飼い主さんが上手く対応できるわけではありませんよね。愛犬が人見知りをしているときの行動を確認し、改善が必要であれば治すトレーニングも行ってみましょう。
犬が人見知りしているときの行動
犬が人見知りをしているとき実際にとる行動は?
犬の人見知りは社会化期に十分な経験を積まなかったことにより、外部に対して臆病でわがままな性格に育ってしまったことが大きな原因のひとつになります。心理としては不安や恐怖心を感じていることが多いでしょう。
- 来客時に部屋の隅に逃げる
- 知らない人と接すると呼吸が荒くなる
- 人ごみでは飼い主さんに隠れるように寄り添う
- 知らない人や犬に対して激しく吠える
- 相手に噛みつこうとする
もともと持っている個体ごとの性格が違うので、人見知りをしている時の行動も様々です。恐怖心から部屋の隅に隠れてしまう子もいれば、同じ恐怖心でも攻撃的に激しく吠えてしまう子もいます。また緊張により呼吸が荒くなってしまうことも。
臆病なタイプの子は、部屋の隅に逃げたり飼い主さんの後ろに隠れるなどの行動をとり、周囲の方に対して大きな迷惑をかける事はないかもしれません。しかし、愛犬自身はストレスを感じているはずです。
また恐怖心や警戒心が強く虚勢を張るタイプの子は、相手に対して威嚇したり最悪は噛みつこうとするケースもあります。こうなると、かわいい人見知りでは済まず「問題行動が多い犬」になってしまうので、愛犬のためにも人見知りを治してあげたいですね。
犬の人見知りの治し方
犬の人見知りは不安や恐怖心が原因になっている事が多いので治すのには根気がいります。また飼い主さんではない第三者に対する感情なので協力者が必要になってきます。飼い主さん一人でのトレーニングは難しくなりますので、犬好きの友人などに頼んで一緒にトレーニングしてもらいましょう。
友人や知人に協力してもらう
公園などで友人に少し離れた場所に待機してもらいます。離れた場所から愛犬の名前を呼んでもらい、犬にその人に対して興味をもたせ少しずつ距離を縮めていきます。この時、友人から近寄るのではなく、犬が自主的に友人に興味を持ち近づいていってくれるのを待ちましょう。
オヤツをあげることに挑戦
友人への恐怖心が少しずつ薄れ、距離を縮めえる事が出来たら、今度はオヤツをあげてもらいましょう。いきなり手から食べてもらうのはハードルが高いので、最初は友人に愛犬の近くにオヤツを置いてもらうことから始めてください。
最終的に手から食べれるようなると「オヤツをくれる良い人」と少しずつ認識していってくれるはずです。そして全ての行動に対して、上手に出来た事はしっかりと褒めてあげてください。
来客時やお散歩の時に出来ること
お散歩の最中に犬好きな人と出会い「触っても大丈夫ですか?」と声をかけられた事はありませんか?人見知りな犬は、来客に向かって吠えてしまったり、お散歩中に話しかけてくれた人にも吠えてしまうことがあると思います。
犬の本能で高い位置から見下ろす相手に強い恐怖心をいだく傾向にあります。来客やお散歩中に出会った人に、しゃがんで目線の位置を合わせる、また強引に近寄ってこないようにお願いしてみましょう。
トレーナーさんの力を借りる
成犬になってから人見知りを治すのは、なかなか時間のかかる作業になります。しかし愛犬自身にとってもストレス軽減になる可能性は高いので、できれば治したいもののひとつだと思います。根気良く気長にトレーニングするか、急を要する時はトレーナーさんの力を借りるのも選択肢のひとつです。
まとめ
犬にもそれぞれ個性があって性格もバラバラです。特に人見知りではなくても、飼い主さん以外の人や知らない犬と遊びたいと思わないタイプの子もいます。激しい人見知りで動物病院やトリマーにも行けないタイプの子は治す必要もあるかもしれませんが、愛犬自身の気持ちを一番に考えてトレーニングしていきましょう。