散歩の時間は危険がいっぱい
家の中で飼われている犬たちにとって、お散歩は体を動かすことができる大好きな時間です。 ちょっとでも散歩の気配を感じると、興奮して「早く行こう!」と大喜びで走り回ったり、待ちきれなくてちょっと吠えてしまったりする子も少なくないのではないでしょうか。
そしてリードを付けていざ外へ、と出た瞬間にぐいぐいとリードを引っ張って好き勝手な方向へ走り出したり、うんちなどの処理をしているときにも好きなところへ行こうとしたりすることはありませんか?
うれしそうな顔を見ると強く叱れないものですが、ちょっと待ってください。
犬たちがリードを引っ張って道へ飛び出したり、好き勝手に動いたりすることは、実はとても危険なことなんです。
日本では住宅街であっても結構な車の通りがあったりしますし、歩道ではほかに通行している人もいるかもしれません。犬が好きに動いてしまうことによって、自動車とぶつかったり、通行している人にぶつかったりする危険があります。また、直接犬との接触がなかったとしても、犬の飛び出しに驚いた人が転んでけがをしたり、車にぶつかったりすることも考えられますし、犬を連れている飼い主も引きずられて転倒、けがをする可能性もあります。
さらに犬たちを自由に歩かせていると、飼い主が見ていないタイミングなどで思わぬものを拾い食いしてしまうこともあるのです。
このような事故の多くは犬が飼い主をリーダーとして認めてくれ、一緒に歩くことを楽しんでくれるようになることで防止できます。
そのために必要なのが「つけ」のしつけです。
「つけ」のメリット
- 犬の飛び出し事故を防止できる
- ドッグランなどで遊んでいるときにも呼び戻しができる
- 来客時に騒がせすぎないようにできる
- 飼い主をリーダーと認めさせられる
「つけ」で歩けるようになることは、何はともあれ「飛び出し事故を防ぐ」ことにつながります。
また不意に大きな力で引っ張られることがなくなるため、飼い主が転んだり思わずリードを話してしまったりすることもなくなりますね。
そのほか呼び戻しが容易になったり、来客時に興奮させすぎないようにコントロールできるメリットもありますし、「つけ」で飼い主と一緒に歩くことを覚えるとリードを持った人にちゃんとついて歩くことができるようになるでしょう。これは犬が勝手気ままに犬の好きな方向へ行かせることを防ぎ、飼い主が行き先を決める「リーダー」であることを犬に教えることにもつながるのです。
「つけ」の教え方
お散歩に出るようになったら、しっかりと教えてあげたいこの「つけ」ですが、教え方が意外と難しいしつけでもあります。
最初は気が散りにくい家の中で行うほうがよいでしょう。
1.犬を自分の横に来るように、おやつで誘導する。
犬が前にいるようでしたら、おやつを持った手を犬の鼻先に出してあげます。そしておやつの手で誘いながらぐるっと自分の体の周りを歩かせて左側へ誘導します。そしてちょうど自分のかかとのあたりに犬の前足が来た当たりで「つけ」という言葉とともにおやつをあげましょう。これを何回が繰り返して誘導ができるようになったら、今度はおやつを持たずに手や指だけで誘導しましょう。この時も「つけ」と言いながら誘導を行います。
これが上手くいくようになると、今度は「つけ」という言葉だけかけて犬が左側へ回り込むのを待ちます。上手に自分の左側へ回り込めたらしっかりほめてあげましょう。
2.「つけ」をしたまま歩く
犬が上手く左側に回り込んでくれるようになったら、次は短い距離からでよいので一緒に歩く練習を行います。おやつを持った手を犬の鼻先へもっていき、「つけ」といって数歩歩きます。犬がにおいを嗅ぎながら一緒に数歩歩いたらほめてあげましょう。徐々におやつの手を犬の鼻から遠ざけながら、これを繰り返して少しずつ歩く距離を長くしていきます。
3.リードをつけて歩く
家の中で「つけ」ができるようになったら、今度は外でリードを引かずに歩けるように練習します。「つけ」のコマンドで歩きだしますが、犬たちは外の刺激が楽しく飼い主から離れようとしてしまいます。その時はリードがピンと伸びてしまうので、即座に「イケナイ」としかり止まりましょう。
そしてまた「つけ」で歩きだし、ちゃんと横について歩けたらほめてあげますが、また好きなところに行こうとリードを伸ばしてしまったら「イケナイ」と叱って止まります。
たのしい歩みがたびたび中止されるのは犬にとってもストレスです。数回繰り返すと犬たちは「リードを引っ張ったら散歩が止まった」ことを理解しますので、徐々に引っ張らなくなっていきます。ちゃんと歩けたらその時はたっぷりほめてあげましょう。
まとめ
飼い主さんのペースに合わせて飼い主さんに注目してあるくことは、犬にとってとても緊張することです。
リフレッシュのための散歩が緊張ばかりで疲れてしまうことになっては意味がありません。飼い主の横で一緒にあることは楽しいことだ!と犬たちが感じてくれるように、飼い主側も楽しんで「つけ」を教えてあげましょうね。