犬の社会性を高めるための方法3選!コツや注意点まで

犬の社会性を高めるための方法3選!コツや注意点まで

犬が人と共に生きていくためにも「社会性」を高めることで、無駄吠えや知らない人に威嚇してしまうなどの問題行動を予防することができます。今回は、犬の社会性を高める方法をご紹介しています。

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

犬の社会性とは?

走る3匹の犬

犬は集団の中で生きていく動物です。そんな犬の成長過程に「社会化期」と呼ばれる、他者や外の世界に適応して社会性を身につけていく時期があります。

犬の社会化期

犬の「社会化期」は、生後4週~13週頃、4ヶ月までの子犬の頃にあると言われています。この「社会化期」と呼ばれる時期に、犬は自分以外の存在と上手に関われるように社会性について勉強します。

ペットショップでは社会化期を逃してしまうことも

通常であれば、犬は産まれてから親や兄弟たちの中で過ごします。お互いにじゃれ合う中で力加減を覚えたり、やってはいけないことや群れのルールなどを学んでいきます。また、車の音や人間の存在など、人間の社会についても知っていく大事な時期でもあります。

しかし、生まれてすぐに母犬や兄弟犬たちと離されてしまうと、この大切な「社会化期」をひとりで過ごすことになってしまいます。特にペットショップではひとりでガラスケースやケージに入っている時間が長いため、社会性を十分に学ぶことができない子も多くいます。

社会性を身に付けないとどうなる?

歯を剥いてる犬

犬が社会性を身に付けないまま育ってしまうと、問題行動を起こしやすくなることがあります。

  • 車の音や突然の物音などに敏感に反応してしまう
  • 知らない人や犬を拒絶したり威嚇してしまう
  • 飼い主さんがいないお留守番中にパニックなってしまう
  • じゃれ合う時の力加減が分からず、相手を傷つけてしまう

社会性を身に付けずに育ってしまうと、他者とのコミュニケーションが難しくなったり、周りに迷惑をかけてしまう問題行動に繋がります。

監修ドッグトレーナーによる補足

社会化期に人と触れ合いを持たなかった犬は、生涯人に慣れることがなかったという研究結果があるほど、犬の社会化は大切なものだと言われています。

社会性を高めるための方法3つ

遊んでいる女性と犬

社会性は、生後4ヶ月までに学ばせるのが最も効果的と言われています。この期間に外の世界に慣れさせる必要があります。

監修ドッグトレーナーによる補足

外の世界に慣れてもらうことは大切ですが、何でもかんでも連れ出した方が良いわけではありません。

怖がらない範囲で連れ出すことが大切。無理は禁物です。

①積極的に外へ行く

飼い主に抱っこされている柴犬

免疫力がまだ備わっていない子犬の頃は、全てのワクチン(3回)が済むまではお散歩デビューはできません。しかし、社会性を身に付けるのに最も適した社会化期でもありますので、ぜひ飼い主さんが抱っこして一緒にお外を体験させてあげましょう。

積極的に外の世界に触れることで、車の音や電車の音、工事現場の音などの人間の生活音に慣れておくトレーニングになります。人間の生活音に慣れておくことで、音に敏感に反応して無駄吠えしてしまうのを予防することにも繋がります。

監修ドッグトレーナーによる補足

大きな音や危険な音だけでなく、自然の中の音なども経験させると良いでしょう。

川や海、山や公園で聞こえてくる音なども社会性を身につける上で良いシチュエーションになります。

②いろんな人に触ってもらう

顎をなでられている犬

子犬の頃にたくさんの人に触れ合う機会があると、見知らぬ人にも社交的にコミュニケーションが取れるトレーニングになります。

人間には子供やお年寄りなどいろんな人がいて、飼い主さん以外の人も怖い存在ではないということを知ってもらうことが重要です。

③他の犬とも触れ合う

アゾンでいる2匹の犬

「人間に対しては社交的なのに、他の犬を拒絶してしまう」という犬見知りをするワンちゃんもいます。人間だけでなく他の犬と触れ合うことも同じように大切です。他の犬に慣れることで、ドッグランに行った時やペットホテルを利用した時にも安心です。

赤ちゃんの公園デビューのイメージで、仲良くしてくれそうな他の飼い主さんやワンちゃんがいれば積極的に触れ合いましょう。

また、近くに「犬の幼稚園」などの施設があれば参加するのもおすすめです。他の子犬と遊んだり接する機会があると、じゃれ合う時の力加減や犬社会のルールを学ぶことができます。

監修ドッグトレーナーによる補足

犬は、自分が犬であることを他の犬から学びます。それは、犬は自分がどのような種類の動物であるかを知るために、他の犬と交流する必要があるということです。

体の大きさや種類などが異なるたくさんの犬と触れ合うことは社会化期にとても有効です。

コツは、子犬が自主的であること

ハテナを浮かべる犬

知らない人や物に出会った時、最初は子犬が恐怖を感じてしまうことも多くあります。この時に無理矢理近づけたり、逆に遠ざけてしまうのはNGです。

知らない物や人に出会った時、「どうすれば良いのだろう?」「近づいてみようかな?」と、子犬自身が考えて解決することが重要です。「これは危険ではない」と自主的に判断することを繰り返していくことで、新しいものと出会った時にも物怖じしない子に育っていくでしょう。

そして、そのふれあいの中でしつけを入れていくことも大切です。人に対して甘噛みをしたら「いけない」と指示をして遊びを止めたり、興奮して暴れていたら「オスワリ」などのコマンドで感情をコントロールしましょう。叱る際は現行犯でしつけを行うことが重要です。

監修ドッグトレーナーによる補足

「たくさん社会化させなきゃ!」と、飼い主さんが焦っては逆効果です。

子犬ができることは、子犬自身が決めます。焦らずに子犬のペースに合わせることが大切ですよ。

成犬から社会性を高めるには

噛みついている犬

子犬の頃に十分な社会性を身に付けられなかった場合でも、成犬から改善していくことはできます。

しかし、子犬の頃のように「慣れさせること」だけでは修正していくことは難しく、飼い主さんとひとつずつ「学習していくこと」が大切です。

子犬の頃より時間はかかってしまいますが、根気強く「これは危険ではない」「知らない人や犬に吠えたり噛みついてはいけない」ということを覚えていってもらうことが重要です。

まとめ

女の子と子犬

犬の社会性は、犬自身と飼い主さん以外の世界と上手に関わっていくためにとても重要なものです。

生後4ヶ月までの間の「社会化期」に外の世界に積極的に関わって慣れさせることで、知らない人や突然の音などに敏感になり過ぎない子に育ちます。社会性を身に付けることで、噛み癖や無駄吠えなどの問題行動の予防にもなります。

成犬になってしまったからと諦める必要はありません。時間がかかるものの社会性を高めて問題行動を改善していくことは可能ですので、犬に「危険ではない」「これはやってはいけない」と分かってもらうように、諦めずに根気強くトレーニングをしていきましょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

社会化期を過ぎてしまったらもう無理?と思う必要はありません。

犬は何歳になっても新しいことを学ぶ能力を持っているため、成犬になっても社会化トレーニングをすることはできます。ただし、長い間苦手だった環境や人や物などに完全に慣れるかは難しいこともあります。

それだけ社会化は子犬時代の環境が大きく影響するといわれますが、成犬になってお迎えしても根気強く続けることで、徐々に問題を抑えられるでしょう。

愛犬もこの問題と必死に闘ってるんだ!と理解しながら、付き合っていくことが大切です。 どうしても難しい場合は、しつけ教室や訓練所など、プロに相談することをおすすめします。

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