耳をピンと上向きに立てた状態のときの心理
耳を真っすぐ上向きにし、ピンと立てているときは、警戒しています。気になる音やニオイを感じ取り、その正体が何であるか、情報を得ようとしています。また、少し離れた場所にいる人や犬を発見し、その姿に警戒しているときにもピンと耳を立てます。
人や犬に対して警戒しているときに耳をピンと立てるのは、その相手に対して自分の存在をアピールするためや、自分の強さを示すためです。相手が近づけば近づくほど、歯や歯茎を剥き出しにして威嚇したり、唸り声をあげたりします。もし、仲良くなりたい犬が耳をピンと立てて警戒している様子なのであれば、とても緊張し、不安な気持ちでいると思います。犬と同じ目線になるようにしゃがんだり、笑顔で明るく声をかけてあげましょう。そうすることで“この人は危険な存在ではない”と理解してくれるはずです。
耳を左右に広げ、少し後ろに倒した状態のときの心理
曖昧な気持ちを表現するとき、耳を左右に広げ、少し後ろに倒します。たとえば、人が大好きで、はじめて会う人に対しての嬉しい気持ちと、不安な気持ちと、警戒する気持ちが混じり合っているとき。そんな曖昧な気持ちを表現しています。嬉しい気持ちから尻尾を振っているかもしれません。犬の方から少しずつ近づこうかどうか迷っている仕草を見せるかもしれません。
しかし、この曖昧な気持ちが混じり合っているときは、不安や恐怖心や警戒心が混じっているため、無理に近づいたり手を出したりすると、襲いかかってくるかもしれません。まだ、“この人は安全な人だ”と認めてはいないため、攻撃されるのではないかと思い、自分から攻撃してしまうことがあるんです。
耳を垂直にしたり後ろに倒したりを繰り返す状態のときの心理
相手のことが気になるため、耳を垂直にすることで相手の情報を得ようとしています。また、その相手がどんな行動をしてくるのか、相手に対してどのように接したら良いのか、様子をうかがっています。そんな迷いの気持ちを表現しています。興味のある相手だけど、ちょっと怖いな、不安だな、という心理が働いているのでしょう。
耳を少し後ろに伏せた状態のとき
犬は悲しいとき、耳を少し後ろに伏せ、目を潤ませながらうったえてきます。飼い主さんが仕事に出かける準備を始め、“ああ、今日もひとりでお留守番なんだな…”と、悲しい表情を見せることがあります。そんなとき、耳にもその気持ちが現れているんです。悲しい気持ちと一緒に、ひとりでお留守番をすることへの不安な気持ちも含まれているのかもしれません。「行ってくるね!」という飼い主さんの声を無視し、耳を少し後ろに伏せた状態で目を瞑り、自分の寝床から出て来ようとしない犬もいます。すっかり拗ねてしまったのでしょうね。
耳を後ろにキュッと引き寄せる状態のとき
楽しいとき、嬉しいとき、期待しているとき。耳を後ろにキュッと引き寄せ、わくわくドキドキする気持ちを表現しています。「お散歩に行こう!」と声をかけると、耳を後ろにキュッと引き寄せて、嬉しくて飛び跳ねたり、尻尾をブンブンと振ってくれます。飼い主さんがキッチンで袋をガサゴソしているとき、耳を後ろにキュッと引き寄せて、何か美味しいものがもらえるのではないか、と期待して待っています。“良い子にして待ってるよ!”と、飼い主さんにアピールしているのかもしれません。
まとめ
犬は自分の気持ちを耳の動きによって表現することができます。今、犬がどんな心理状態でいるのか、耳の動きや表情と合わせて確認してみましょう。飼い主さんに気持ちが伝わるよう、必死にアピールしています。ぜひ読み取ってあげましょう。