犬がその場で固まってしまう心理①「音の正体を知りたい」
聞き慣れない音が聞こえてきたとき、「どこから聞こえてくるんだろう」「何の音なんだろう」と耳を澄ますように聞き入り、その場で固まってしまうことがあります。音の正体を知るため、身動きせずジッとしていることで、その音に関する情報を得ようとしているのでしょう。
お散歩の途中で固まってしまったときの対処法
公園の中など、安全な場所なのであれば、犬が満足するまで聞かせてあげても良いのではないでしょうか。音の正体がわかり、満足して、また歩き出すかもしれません。じっくり聞いてみたけれど、結局は音の正体を知ることができず、諦めて、また歩き出すかもしれません。
道路を横断している途中で固まってしまったりなど、危険な場所である場合もあるかもしれません。そんなときは、抱っこするなどして、すぐにその場を立ち去った方が良さそうです。音の正体がわかり、興味を持ってしまったとき、急に走り出してしまったりしては大変危険です。
犬がその場で固まってしまう心理②「警戒している」
音の正体を知り、警戒して固まってしまうことがあります。以前、お散歩のときに擦れ違い、「ギャンギャン吠えて威嚇してきたあいつだ!」と、他の犬の情報を得ているかもしれません。以前、自宅に訪問してきた見知らぬ人の足音を聞き、「またあの人がやってくるぞ!」と、飼い主さんよりも先に情報を得ているかもしれません。警戒し、相手が攻撃してくるかもしれない可能性を考え、その場で固まることで戦闘態勢でいるのでしょう。「いつでもかかってこい!」という心理が働いているのだと思います。
警戒し、戦闘態勢でいる犬への対処法
犬や人への警戒心から固まってしまうのであれば、対象となっている犬や人への警戒心を解かなければなりません。警戒心を抱いたままでは、ずっと同じことを繰り返してしまいます。その場で固まっていたかと思いきや、対象となっている犬や人に急に飛びかかったりなど、攻撃してしまうことがあるかもしれません。頻繁に自宅に訪問される相手なのであれば、声をかけてもらったり、顔を合わせるなどし、少しずつ慣れさせてあげると良いのではないでしょうか。お散歩のときに擦れ違う犬なのであれば、飼い主さん同士が笑顔で明るく挨拶を交わすなどし、警戒する必要はない、ということをお互いの犬に知ってもらうと良いのではないでしょうか。
犬がその場で固まってしまう心理③「恐怖心」
「あっちへは行きたくない!」と、その場で固まってしまう犬がいますね。犬が示す“あっち”には、何か恐怖や不安を感じるものがあるのだと思います。おそらく、過去に何等かの恐ろしい体験をしてしまったり、大きな音に驚かされてしまったりなど、トラウマがあるのでしょう。苦手な階段があり、無理やり階段を歩かされるのがイヤで固まってしまうこともあるかもしれません。飼い主さんにとっては“たった数段の階段じゃない!”と思うことも、犬にとっては固まってしまうほどイヤなものなのでしょう。
恐怖心から固まってしまう犬への対処法
以前、その場所を通ったとき、恐怖や不安を感じる恐ろしい体験をしてしまったのであれば、「もう大丈夫だよ」と、教えてあげましょう。抱っこすることができるのであれば、抱っこして通ってあげると良いです。そして、「ほら、大丈夫でしょ?」と、何度も繰り返すことで、恐怖や不安を感じる原因を取り除いてあげることができ、また歩けるようになるでしょう。階段やグレーチングを怖がり、その場で固まってしまうときは、抱っこして歩いてあげたり、別の道を歩いてあげても良いのではないでしょうか。
まとめ
犬がその場で固まってしまう心理の主な3つをご紹介しました。犬は私たち人間よりもずっとずっと優れた聴力を持っています。私たち人間が聞き取ることのできない音を聞き取り、情報を得ていることがあります。警戒していることもあります。その音に恐怖を感じていることもあります。毎回同じ場所で固まってしまうのであれば、「この場所に何があるのかな?」と、飼い主さんも一緒になって探してあげてみてください。