犬が体を舐める理由
犬は毎日のように自分の体を舐めていると思います。舐めているタイミングが多いのは、お散歩から帰ってきた後や、眠る前、食事の後などではないでしょうか。犬は綺麗好きなので、自分の体を綺麗にするグルーミング(毛づくろい)を自ら行います。お散歩からの帰宅後や食事の後は汚れが気になるのか、口周りや手足を舐める子が多いと思います。
またグルーミングをすることで、気持ちをリラックスさせる効果もあるので、気持ちを落ち着かせたいときにペロペロ舐めることもあります。手足をペロペロと舐めて綺麗になったら「おやすみなさい」と言わんばかりに安心して眠りにつく姿を見た事はありませんか?人間が眠る前に洗顔したり、ホッと一息ついたりしているような状態なのでしょう。
正常範囲のグルーミングであれば、犬にとってはごく自然な行為です。ですが、舐める頻度が高く、傷ができてしまったり、脱毛してしまったりするほどだと、何か良くない心理や病気が働いることも。愛犬が舐めている部位や状態から心理、また病気についても考えてみましょう。
犬が手足を舐める理由
犬が自分の体の一部を舐める部位で、1番頻度が高いのが手足ではないでしょうか?手足を舐めることはリラックス効果がありますので、わりと長い時間をかけて丁寧に舐める子もいると思います。我が家の愛犬も大人しく数分舐め続けて、気付いたら眠っていることがあるので、随分リラックスできているのだと思います。
穏やかにリラックスしているときの行為ではありますが、1日中ずっと舐めている、止めてもやめない、血がにじむほど舐めているようだと理由は違ってきます。手足を舐めるのはリラックスできるのと同時にストレス発散の行為にも繋がりますので、あまりに長時間執拗に舐め続けている子は日頃のストレスが溜まっていると考えられます。
また、あまりにもずっと舐め続けている場合は、皮膚の病気かもしれません。毛の色が変わったりする様子があるようであれば病院を受診しましょう。
舐めるのを防ぐ方法
長時間舐める行為を止めさせないと、激しい皮膚炎の原因になりかねないのでしっかり防ぎたいところ。手足の舐め防止としてはエリザベスカラーを着けると効果的ですが、逆効果でエリザベスカラーが更にストレスになってしまう子もいます。手足舐めが激しい子はストレスの原因を探って、解消してあげるのが根本的な解決策になります。
犬が足を舐め続けるリスク
犬が頻繁に足を舐める行為で1番起こりやすい病気が指間炎でしょう。指の間が赤く炎症を起こし、悪化すると化膿してしまうこともあります。もともとは小さな傷やアレルギーによる皮膚炎などを気にして舐め続けることで重症化するケースが多いので、どうしても舐めることを止められない犬は獣医さんに診てもらいましょう。
犬が鼻を舐める理由
犬が鼻をペロリと舐めているとき、実に様々な心理があります。
緊張・不安
飼い主さんに叱られて緊張したときや、不安な気持ちになったとき。「もう反省しているから叱らないで」と言う心理で舐めることがあります。鼻を舐めることで緊張や不安の気持ちを解そうとしているようです。
しっかりと匂いを確認したい
また情報収集のため、しっかりと匂いを確認したいときも犬は鼻を舐めて嗅覚を敏感にします。新しい1日が始まる寝起きのタイミングや、お外にお散歩に行くときなど、「これから行動開始!」と言う心理で、匂いから情報収集するための準備をしているようです。
はやく食べたい!
犬が鼻を舐める心理のひとつで可愛らしいのが「はやく食べたい!」です。目の前にご飯が用意されたとき、オヤツを使用したトレーニングをしているとき、目をキラキラさせながら鼻を舐めることはありませんか?食べたくてしょうがない気持ちが伝わってきますよね。食いしん坊なワンちゃんは、「ご飯」と聞いただけで鼻を舐める子もいます。
病気の可能性
また犬が鼻を舐める頻度が高いとき、病気の可能性も否定できません。犬にはウィルスや細菌が原因で人間の風邪と同じく、咳や鼻水、発熱などの症状が起こることがあります。犬は発熱してしまうと鼻がとても乾くので、気になって何度も舐めて湿らせます。発熱しているときは咳や鼻水以外にも、体が火照って暖かい状態になります。
犬が口周りを舐める理由
気持ちを落ち着けたい
犬が口の回りをペロペロと舐めるのも、鼻を舐めているときと似たような心理があります。緊張や不安を感じているとき、自分自身を落ち着けるため、また一緒にいる相手が興奮状態だと「まぁまぁ落ち着いて」と言う気持ちで相手の気持ちを静めるために口周りを舐めます。
嫌悪感
また嫌悪感があるときにも口周りを舐めると言われていますので、頻繁に舐めているときは嫌な環境であったり苦手な相手がいたりする状態なのかもしれません。
胃腸の不調や口の中に違和感がある
そして体調不慮のときも犬は口周りを舐めます。胃腸の調子が悪く吐き気を感じているときや、歯周病などで口の中に違和感を抱いているときは、飼い主さんがビックリする勢いで舐めてしまいます。数十秒おきに舐めてしまうこともあるようなので、日頃との違いにすぐに気付くことができると思います。胃腸の不調や口腔トラブルに心当たりがある犬はすぐに獣医さんに診てもらいましょう。
まとめ
日頃から愛犬と接しているとグルーミングで舐めているのか、体の異常で舐めているのか、飼い主さんであればすぐに察知することができそうですね。犬が体を舐めるのは自然な行為なので、特に健康状態に問題のない犬はのんびりペロペロさせてあげましょう。