犬がオスワリのまま寝るのはなぜ?
あなたの愛犬は、普段どのように寝ていますか?
自分の寝床でお気に入りのオモチャや毛布と一緒に寝たり、飼い主と同じベッドで寝たり、多頭飼いの場合はみんなで寄り添って寝たり、仰向けで寝たり、時にはイビキをかいていたり、白目をむいていたり…。「寝る」と一言で言ってもそれぞれ個性があって、愛犬のそのような姿は見ていて癒されるものです。
このように「寝る=横たわる、うつ伏せ」というイメージがありますが、実はオスワリをしたまま寝る子もいます。そのウトウトしている姿に「眠いのを我慢しているのかな?」と想像する方も多いですが、その可愛い理由の他に、実は注意すべきことが隠れている場合があります。
心理①眠いけど、頑張って起きていたい
子犬や遊び好きな子にとくにみられますが、ドッグランなどでお友達と遊んでいる途中でも急にスイッチが切れたように眠くなります。とくに好奇心旺盛で活発な子犬は一日に18時間もの睡眠時間が必要といわれるほど、成犬や老犬と比べて多くのエネルギーを消費します。
このようなときオスワリをしたまま寝るのは、犬としては「眠いけどもっと遊びたい」という心理が働いてますが、睡魔に襲われてウトウトとしてしまっています。
その姿は可愛いものですが、ドッグランなどの犬が活発に走り回る環境においては注意が必要です。オスワリをしたまま寝てしまった犬に、追いかけっこをしていた他の犬が衝突して双方がケガをしてしまった事故も報告されています。犬に眠そうな仕草がみられたら遊びをいったん中止して、家に帰ってゆっくり寝かせてあげましょう。
心理②眠いけど、気が抜けない
気が抜けない状態とは、今自分がいる環境は落ち着かなくて緊張していることをいいます。例えば初めて会う犬や人が自分のテリトリー(家など)にいたり、外の激しい風や雨などに警戒したり、自動車のクラクションにビックリすることもあります。
このような環境のときは「眠いけど周りが気になる」という心理が働き、警戒や緊張状態が続きます。
心理③不調を感じる
体に不調を感じ、横になれずにオスワリをしたまま寝てしまう場合があります。
これは、横になったりうつ伏せになることで心臓や肺が圧迫されて呼吸がしずらくなり、「横になると体に違和感を感じる」という心理が働いているため、横になって寝ることを拒否するようになります。そのため、オスワリをしたまま寝ざるをえないという状況になってしまっているわけです。
とくに老犬に多いですが、下記のような症状もみられたら注意が必要です。
- 散歩に出かけてもすぐに立ち止まる、座り込む
- 暑い時期や運動時以外で、ハアハアと口を開けて呼吸をする
- 寒い時期に咳き込む
- 食欲が低下する
これらの症状がみられたら、心臓病を発症している恐れがあります。中年齢以降のすべての犬種に発症の可能性があるほど、心臓病は犬にとって珍しい病気ではありません。
その中でも小型犬に多く発症がみられますが、とくにキャバリア・キングチャールス・スパニエルは遺伝的要因により、1歳ですでに約30%が心臓病を持っているといわれています。
心臓に異常がある場合、体中に巡る血液の循環がうまく機能することができないため酸素不足に陥ります。そのため呼吸が苦しくなり、暑い時期や運動時でもないのに口を開けてハアハアと激しく呼吸をします。
また散歩中に座り込む回数が多くなったり、散歩に行きたがらなくなったり、運動したがらなくなったりする仕草がみられますが、「年をとったから」と考えて見過ごす飼い主も多いようです。
まとめ
犬が「オスワリ」のまま寝るときの心理についてご紹介しました。人間も同じですが、睡眠は生きていくうえで健康に直結するとても重要なものです。眠そうにしている姿は可愛くて癒されますが、その仕草一つ一つには犬の心理が隠されているので、飼い主はきちんと見極めなければなりません。
愛犬の健康のために、少しでも異変を感じたら獣医師さんに相談してみましょうね。