天罰方式の犬のしつけ方法とは?
犬のしつけにはさまざまな方法がありますが、その中でも天罰方式は一時期非常に注目が集まり多くの人が取り入れました。ほめるしつけが主流となり、体罰を含め直接叱ることが“よくないこと”として考えられるようになったとき、その代わりの方法として提案されたのが天罰方式でした。
天罰方式のしつけとは、その名の通り犬がいたずらなど望ましくない行動をしたときに飼い主が直接叱るのではなく、まるで天罰が与えられたかのように犬にとって不快と感じることが起こるようにするしつけ方法です。望ましくない行動をすると嫌なことが起こるということを学習させることで、その行動を抑制・減少させるのです。
飼い主が直接叱ることで飼い主に対して反抗心を持ったり信頼関係を失わせる可能性があるとして、天罰方式のしつけ方法が推奨されるようになりました。天罰方式のしつけは、比較的短期間で効果が出やすく、さらに対処すべき行動にあわせてさまざまな種類の方法を生み出すことができます。そのようなことからメリットの多いしつけ方法として多くの人が取り入れているのです。
天罰方式の犬のしつけの具体的なやり方
天罰方式で行う犬のしつけのメリットは上記で説明した通りですが、ここではその種類や具体的なやり方を説明します。犬に強い痛みや苦痛ではなく不快感を与える方法としてポイントとなるのが「びっくりさせること」です。そのためには利用できる方法として大きな音や耳をつく金属音、酸っぱいにおいや味、急に動かされることなどが挙げられます。
天罰方式での犬のしつけ方法
- 犬が吠えたら空き缶にコインを入れて壁に投げつける
- いたずらで噛む可能性のある家具に酢を塗っておく
- いたずらをしたらビニール袋や新聞をバサバサさせて音を立てる
- 外に向かって吠えたら窓際に敷いたマットを引き驚かせる
利用する場所や物の種類は、なくしたい行動に合わせて変えることができるのも天罰方式のしつけのメリットと言えるでしょう。このしつけを成功させるポイントとしては、犬が望ましくない行動をしたらその瞬間にすぐ実行することです。
行動から少しでも時間が空いてしまうとその効果は薄れてしまうので、できるだけ5秒以内に実行するようにしてください。また、飼い主がやっているということを犬に気付かれないよう、姿を隠して行ったり、実行した後素知らぬ顔をしておくことが重要です。
天罰方式の犬のしつけをするときの注意点
犬を天罰方式でしつけるときに忘れてはいけないのが犬の性格をしっかりと見極めた上で行うということです。天罰方式では直接的ない痛みや苦痛を与えずとも、不快な思いをさせたり驚かせたりすることになります。
そのため、音に敏感で怖がりな犬や心臓が弱いなどの持病がある犬などにはあまりおすすめできる方法ではありません。大きな音でびっくりさせることなどで望ましくない行動をしていないときでも音に対してシャイになってしまうなど副作用とも言えるような反応を起こすことがあるためです。
また、大きな音や嫌いなにおいなどによる天罰はあまりにくり返しすぎたり、最初の衝撃が小さいとあっという間に慣れてしまうこともあります。天罰方式で行うときは最初にいかに驚かせ、インパクトを与えるかがカギを握るので力加減やさじ加減がとても重要になってきます。
さらに一度やり始めたら、その行動が行われたときは常に“天罰”が起こるようにしなければ効果がなくなってしまうので要注意。手軽にできると思われがちな天罰方式ですが、間違った使い方をするとむやみに犬を驚かせたり逆効果になったりすることがあるので十分注意しましょう。
<まとめ>天罰方式の犬のしつけについて
天罰方式のしつけは、犬に体罰などはしたくないが言葉だけでなく犬に伝わりやすい叱り方をしたいというときにとても便利な方法だと思います。飼い主との信頼関係を維持しながら、望ましくない行動を減らすことができるなどメリットも多いと思います。
しかしながらこれが正しい方法・タイミング・強さで“天罰”を与えることができた場合のこと。天罰方式のしつけは犬のしつけ本や雑誌などでもよく紹介されているので、気軽に取り入れる人も多いしつけ方ですが、しっかりと効果を得るためには犬の気質を見極めた上で適切な方法のもと行われなければならないのです。