犬は人の真似をする?
犬は観察力がある
犬は周りの状況や人の表情、他の犬の様子などをよく観察します。元々祖先が群れでの生活をしていたこともあり、コミュニケーション能力や観察力はとても優れています。争いが起きそうなときは敵意がないということをアピールしたり、怪我をしている仲間がいると気遣ったりということもできます。
真似をして学習する
犬は言葉を話せません。そのため行動を見て覚えます。自分よりも経験豊富な犬の真似をすることで生き残る確率が高くなるためです。
犬は生後1ヶ月ではっきり目が見えるようになったり、耳が聞こえるようになったりします。そして生後1ヶ月以降からは兄弟犬や親犬の行動を見て、たくさんのことを学びます。
例えば母犬に噛みついて叱られたり、他の犬が遊んでほしいときにやる行動を真似したりいろいろことを真似します。主に母犬の真似をして犬同士の付き合い方や人間との接し方などを学ぶことになります。
飼い主の行動を真似をする
犬は群れで生活していた頃の名残で、自分よりも経験豊富な年長者や親の行動を真似します。現代の犬にとっての年長者や親は飼い主さんです。自分がよりよく生活するために飼い主さんの行動を真似するようになります。
そして飼い犬の多くは自分が飼い主さんのマネをしたら、飼い主さんが喜んだり、感動したりすることを理解していきます。飼い主さんが笑ってるときには一緒にはしゃいだり、悲しんでいるときには寄り添ったり、犬が飼い主さんに共感しているような反応をすると嬉しいですよね。
それを褒めてあげると犬はこの行動が良いことだと学び、次も行うようになります。犬にとって飼い主さんに褒められることは最も嬉しいことのひとつです。飼い主さんの声や表情から飼い主さんが喜んだりしていることを理解すると犬も嬉しいのです。犬が飼い主さんの真似をするのはそういう理由があります。
犬が真似する5つの仕草や行動
1.あくび
飼い主さんがあくびをした少し後に犬があくびをする、というのを見たことはありませんか?人間同士でも「あくびがうつる」というのはありますよね。あくびがうつるのは真似しようと意識しているのではなく自然とそうなってしまうようです。あくびがうつる現象は犬が飼い主さんに共感しているときに起こるものなので、犬の飼い主さんに対する愛情が強く、絆が深まっている証拠だと言われています。
2.笑顔
犬の笑顔は口角を少しあげて目を細めているような状態を言います。人間の笑顔よりは控えめかもしれませんね。犬の顔の筋肉のつくりは人間とは違うので、人間と同じような笑顔とはいきません。でも見ていると笑っているのがわかるので不思議ですね。飼い主さんに褒められたりすると笑顔のような表情をする犬が多いです。飼い主さんが頻繁に笑う場合は犬も表情を真似て笑顔のような表情を作ることがあります。
3.ハイハイ
人間から見るとハイハイは犬にとってはほふく前進というところでしょうか。これも犬が真似をしやすい行動のひとつです。赤ちゃんがハイハイしている横で犬も同じようにハイハイをしている動画などもあります。
真似をすると飼い主さんが喜んでくれるのもありますが、赤ちゃんを応援したり、赤ちゃんに自分の真似をさせようとしているという意味もあります。赤ちゃんに教えるというものは、例えば階段を上り下りしたりするのも見せるように何回もやることがあります。犬にとっても赤ちゃんはお世話してあげたくなる存在なのかもしれません。
4.相づちを打つ
家族同士で話していたり、外で人と話しているときにすっと側にきて頷いたり、首を傾げたりすることがあります。もちろん言葉を完全に理解しているわけではありませんが、言葉のトーンや飼い主さんの雰囲気でポジティブなものかネガティブなものかを判断しています。
飼い主さんや他の人達が楽しそうに話していると犬もその輪の中に入りたくて、相づちを打つ真似をします。飼い主さんがよく相づちを打つ方だと犬も真似しやすいようです。本当に理解しているのかどうかは別として、犬が頑張って話を聞いてくれるのは嬉しいですよね。
5.同じ体勢で寝る
飼い主さんと一緒にお昼寝をしたりする犬の場合、飼い主さんと似たような体勢で寝ているときがあります。自然とそうなることも多いのですが、飼い主さんの真似をして寝ることで安心感を得ているのかもしれません。飼い主さんの真似をして枕を使ったり、自分で布団をかぶったりする犬もいます。
まとめ
犬は真似をして学習していく生き物です。真似をする対象は群れの中で自分よりも経験が豊富な年長者や親です。人間に飼われている犬は飼い主さんの真似をすることが多く、あくびをしたり、同じ体勢で寝たり、いろいろなことを真似ます。飼い主さんと同じような行動をとることで安心したり、よりよく暮らせるようにしたりしているのです。犬が真似をしてくるのは飼い主さんのことを愛していて、絆がある証拠です。