犬が人の目を見つめる理由
愛情や信頼
犬が飼い主を見つめる最も多い理由が愛情や信頼を示すというもの。信頼をおいている相手や愛情を感じている相手に、その気持ちを伝えるために視線を送り見つめるというのは人間や犬を含め多くの動物が取る行動なのです。
また、犬と飼い主が愛情を持って目を見つめ合うことでオキシトシンというホルモンが分泌されるということも分かっています。オキシトシンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、分泌されることでストレスが緩和されて幸せな気持ちになるとされています。
警戒や敵意
犬と飼い主のアイコンタクトが幸福感を生む反面、目を見つめることが知らない相手や緊張下にある状況では相手に対する警戒や敵意を示すものになる場合もあります。
飼い主に叱られた後に見つめている場合はまだ怒っているか確認するために警戒や観察のために見つめていることが多いでしょう。また、反抗心から敵意に近い気持ちで見つめる場合もあります。
要求
犬は家庭内でのリーダーである飼い主の行動をいつも観察しています。その行動をチェックして自分が取るべき態度や行動を決めますが、反対に視線を送ることで飼い主にアピールをすることも。遊んで欲しいときやおやつが欲しいとき、かまってほしいときなど見つめて視線を送ることでそれらの要求を伝えることも多く見られます。
犬が叱られたときに飼い主を見つめる心理
犬が叱られた後に飼い主を見つめている心理は大きく分けて2種類のものが考えられます。
叱られた後に伏せたり身をかがめながら上目遣いで見つめている場合は、飼い主の表情や行動を観察していると考えられます。叱られた緊張感を引きずっており「まだ怒っているかな?」などと思っている場合も多いでしょう。
また、叱られている最中や叱った後に飼い主に対して正対して尻尾をピンと立て、まっすぐ見据えるような様子が見られる場合は反抗心や敵意を示している可能性も。気が強い犬が敵意を示しているときは、飼い主が見つめ返すとなかなか目をそらそうとしないことが多いので、対応に注意が必要となります。
犬が見つめてきたときの対応方法
犬が上目遣いで様子を伺っている、飼い主の様子を観察しているようであれば何も気にせず普段通りの行動を取っていれば問題ありません。犬を叱った後はいつまでもイライラした様子を見せていてもただ怖がらせるだけでその意図は伝わりませんし、犬を萎縮させてしまうだけです。
いけない行動の直後に叱ったら、その後は長く引きずらないようにしていつも通りの態度で家事をしたり家族と会話をしたりして犬にもフラットな態度で接します。上目遣いで見ている犬を見ると「反省しててかわいそう」などと思う飼い主もいると思いますが、過剰になでて慰めたりする必要はありません。そうした態度を取ることで犬は「見つめていれば許される」と間違った認識をしてしまい叱られた意味を考えなくなってしまうでしょう。
また、反抗的な視線で見つめてくる犬に対しては接し方に注意が必要です。敵意を持った視線を交わすことは「喧嘩を売る」ことと同じことになります。
敵意がないことを示して喧嘩をさけるためには目線を外すことが必要ですが、犬によっては目をそらした方が「負け」と認識して飼い主を下に見るようになる可能性もあります。目を見つめ続けると攻撃行動に出る犬もいて危険なので、このようなタイプの犬との接し方についてはドッグトレーナーなど専門家に相談して対応を考えていくようにしましょう。
犬が叱られたときに飼い主を見つめる理由まとめ
犬が飼い主を見つめる理由のほとんどは愛情表現や要求だと思いますが、叱られた後であれば緊張から来る警戒や観察の意味があると思います。
犬は飼い主のちょっとした表情の変化や行動をとてもよく観察している動物です。叱った後はお互いそれを引きずらないように、イライラした態度を見せて犬を萎縮させたりせず普段通りの態度や行動を心がけるようにしましょう。