高齢者が犬と暮らすこと
子どもが巣立ってちょっぴりさみしくても、ペットがいれば精神的にとても癒されますよね。高齢者にとって、ペットは可愛い我が子と同じくらいに生きがいを感じさせてくれる存在かもしれません。介護施設などへの訪問活動なども活発になっていますし、動物の癒しの力は素晴らしいものです。
元々動物好きな方は、自分が年をとってもずっとペットと一緒に暮らしたいと思っているのではないでしょうか。
しかし、自分が高齢になるにつれ、自分の健康状態に不安が出てくるのも当然でしょう。身体の自由が利かなくなればペットの世話をすることもできなくなるかもしれません。万が一のことを考え、ペットの世話を依頼できる先を確保する必要があります。
特に犬や猫など寿命が10年を超えるようなペットの場合、自分が世話をできなくなる場合のことをよく考えてから飼うことが大切ですね。
高齢者が犬と暮らすメリット
犬と一緒に暮らすことには老若男女問わず良いことがたくさんあります。
- 規則正しい生活を心がけるようになる
- 家族や地域の人とのコミュニケーションが増加する
- リラクゼーションや癒し効果により健康状態の改善が期待できる
これらは高齢者が犬を飼うときに期待される効果の中でも特に大きなメリットと考えられます。
特に一人暮らしや夫婦二人暮らしなど、生活の規模が小さくなると食事や運動などがどんどんおろそかになってしまうため、犬と一緒に生活することで「ちゃんと食事をする」「定期的に外にでる」ということへの心理的なハードルが低下することが期待できるんですね。
食事を摂ってエネルギーを得て、犬と一緒にだいたい決まった時間に散歩に出ることで、地域の方や顔見知りとコミュニケーションをとる機会も増加します。犬と一緒にゆっくりでも散歩をすることは、筋力の維持や心肺機能の維持などにも役立ちます。
犬との生活はメリットがたくさんですね。
散歩の際の注意点
若い人が散歩やウォーキングをするときも様々な注意点がありますが、高齢者が外を散歩するときにも同様にいくつかの注意点があります。犬を連れた時では一般のウォーキング時とはまた別の注意が必要です。
血圧、体温などが正常であるか確認すること
高齢者の場合、若年者と比較して慣れなどから自分の体調不良に気が付かない場合があるそうです。また体力が低下していることに気が付かないこともあるようなので、自分が今散歩に行ける状態なのかを客観的に測定する必要があります。
具体的には散歩に行こうと思ったら、血圧や体温を測定して正常値であることを確認しましょう。これらが正常でも、なんとなく体に不快感がある場合は健康を害していることもあるので無理な運動、散歩は禁物です。
水分を補給すること
人間は排尿や排便以外にも、呼吸や汗腺からの蒸発で相当な量の水分を放出しています。呼吸による水分放出量は一日当たり400ml程度とも言われています。500mlのペットボトルを想像してみてください。
そのため、小型犬を連れたゆっくりな歩調の散歩でも、外出して運動するということは意外に多くの水分を消費します。高齢者は特に若年者より水分補給が少ないこともあり、体内の水分を多く失いがちです。散歩に行くときは事前、または水筒などを持参するなどして水分の補給を意識しましょう。
装備を整える
筋力が少し衰え始めると、歩行時に躓くことが多くなります。高齢者が屋外の散歩時に躓くと、犬に引っ張られたタイミングで大きく転倒する危険があります。これを防ぐためには歩きやすい靴、滑りにくい靴をちゃんと履くことが大切ですね。
また犬をつなぐリードも滑りにくく持ちやすいものを選んでください。弱い力でも犬をコントロールする必要があるので、グリップ感のよいものがお勧めです。
更に犬が用を足した際に後始末が必要です。その際もあまり体を屈めなくてもウンチを拾ったりおしっこを流すグッズがあると便利ですね。
まとめ
大切なペットといつまでも幸せに暮らすため、自信の体調管理は大切です。衰えた身体機能を補うグッズや手段を考慮し、万一の時の連絡先やかかりつけ病院、動物病院などの情報が分かるものを持ち歩くのも良いですね。
楽しいお散歩ライフを送ってください。