日本語のしつけのマイナス点
日本で飼育をするのに、どうして英語での指示がいいのか不思議に思われるかもしれません。犬は大変耳がいい動物として知らせていますが、聞き取れる音の種類は「母音」だけ、つまり「あ・い・う・え・お」のみだとされています。
日本語は全ての発音にこの母音が必ず付いているため、犬にとっては少し聞き分けがしにくい場合があります。また、これは日本語の良いところではあるのですが、年齢や性別、育った場所によって同じ言葉でも微妙にイントネーションが違っていたり、語尾が変わっていたりします。
同じように指示を出しているつもりでも、比べてみたら同じ行動に対して指示語が違っていたということも多々あります。
英語のしつけのプラス点
指示コマンドを簡潔な英単語にすると、年齢性別問わずにその単語だけを発するようになり、語尾に、「~ね、~よ」などの余計な物をうっかり付けてしまうこともありません。
英単語での簡潔な指示は、話し言葉のような指示になりがちな日本語と比較すると、少し冷たい印象を与えるかもしれません。
でも犬はそのような印象を受けることはなく、むしろ聞き取りやすく分かりやすい指示と感じるはずです。
ジェスチャーの併用
犬にしつけを行うときには、指示コマンドに加えてジェスチャーを入れると更に効果的です。指示を出すときのジェスチャーは、あえて決めることをしなくても、実は自然とできあがっていることが多いです。
お座りや伏せを指示するときに、自然と手を出して下に向けている人がいますが、まさにそれが指示のジェスチャーです。犬は飼い主さんのこの行動をよく見ていますので、それがいつも同じ仕草であれば、なお更その仕草を覚えて、指示コマンドよりもそちらに注意を向けていることもあるほどです。
指示コマンドはジェスチャーに付随するおまけのような存在になり、極端な場合ですと、コマンドを出さなくてもジェスチャーの指示だけで犬は従うようにもなります。
自然と出てしまうジャスチャーはこんなにも大きい意味を持ちますので、これを上手に活用しない手はありません。一緒に生活している家族間であれば、特に取決めをしなくても、仕草は自然と似てきてしまうものですので、楽に統一できるのも利点となります。
よく使われる7つのコマンド
最もポピュラーな、英語での指示コマンドを7つ紹介します。
- お手(Hand)
- おかわり(Shake Hand)
- おすわり(Sit)
- 良いことをしたとき(Good)
- 近くに呼びたいとき(Come)
- 進め、行け(Go)
- 禁止、ダメ(No)
日常的によく使う可能性のあるものを、一般的な英単語を用いて挙げてみました。
他に使いやすい単語があれば、もちろんこの例に従う必要はありません。大事なことは、次の3つです。
- 指示の言葉を統一すること
- 指示ははっきりと出すこと
- 余計な語尾をつけないこと
発音に関しては、ネイティブな物でなくても全く問題ありません。先にあげた3つを徹底することで、多少の発音の違いがあっても犬は受け入れてくれます。
発音ばかりを気にして、はっきりと指示を出せないことの方がマイナスになりますので、自信を持って指示を出すようにしてください。
まとめ
犬のしつけを行う際には、英語での指示を使用するのが効果的であることを紹介しています。犬は耳がいいのですが、うまく聞きとれる音は意外と少ないので、優しく話しかけるように指示を出すよりも、簡潔な単語のみで行う方が聞きとりやすいです。
愛犬がなかなか指示に従ってくれないと感じたときには、出している指示語に問題はないかを家族全員で一度考えてみてください。
人からすると同一の言葉でも、大人と子供でも言い方は変わってきてしまいますので、もしかしたら犬はそれが指示語だと認識しておらず、どの言葉に従っていいのか混乱をしているのかもしれません。