引っ張り癖を直すために
リードは短めに持つ
引っ張り癖のしつけをするときの一番の基本は、リードは短めに持つということです。
犬は飼い主さんがすぐに触れることのできる程度の場所、つまり飼い主さんの足に犬の体が触れているくらいの距離に位置するのがベストです。そのためには、リードの長さは1mほどにして持つようにしてください。
伸縮リードはNG
最近は伸縮タイプのリードを使用している方が多くいますが、引っ張り癖のある犬の散歩には不向きといえます。
犬が引っ張ったはずみで万が一ロックが外れてしまった場合、犬はリードが伸びきるまで勢いよく進んでいってしまいますので、通行人に迷惑をかけてしまったり、自転車や車の通行があったときには、犬の身に危険が及んでしまったりすることがあるかもしれません。
引っ張り癖が完全になくなるまでは、伸縮タイプのリードを使用するのは避けるようにしてください。
アイコンタクトが大切
リードを短く持てば、犬は自然と飼い主さんの近くに位置するようになります。常にこの状態を保つようにすると、飼い主さんが犬に声をかけ、犬が振り向くと同時にアイコンタクトが取れることになります。
引っ張り癖に限らず、犬のしつけをしていく上では、この飼い主さんに注目させるアイコンタクトがとても大切です。
引っ張るときの対処方法
では、実際に犬が引っ張ったときのことを想定して、そのときの対処方法について順を追いながら紹介していきます。
- 散歩中に犬が引っ張ったら、すかさず立ち止まり犬を自分のそばへ引き寄せる
- 止まるのと同時に「ダメ」や「NO」などの制止をするかけ声を犬にかける
- 犬が引っ張るのをやめたら、今度はすかさず笑顔で褒める
このしつけをしていくときの一番のポイントは、「犬への制止のかけ声は止まるのと同時に発する」ということです。このタイミングは大変重要ですので、よく覚えておいてください。また、そのときの視線は犬の目を真っすぐ見るようにします。
繰り返しが大切
犬が引っ張るのをやめた後には、笑顔で褒めてまた散歩を再開しますが、再び引っ張るようなことがあれば、また立ち止まるところからやり直しです。
これを何度も繰り返すことで、犬は引っ張ると怒られるだけでなく、前に進めないということと、引っ張らずに飼い主さんのそばにいれば、大好きな飼い主さんが褒めてくれるということを学習していきます。
引っ張り癖のしつけは根気よく
一見簡単なように思える対処方法ですが、引っ張り癖の付いてしまった犬の矯正はかなり根気がいる作業になります。
引っ張ったら立ち止まる、止まったら褒めて再度歩き出すという単純作業の繰り返しですが、1回や2回の散歩で覚えてくれることはまずありません。
歩き出したらまたすぐに引っ張るので、10m進むのに何分もかかってしまうこともあります。それでも諦めずに繰り返し行うことで、犬は必ず覚えてくれますので、根気よく続けるようにしてください。
上手に歩けるようになってきたら・・・
根気よく対処してきた結果、犬が飼い主さんの側に付いて歩くことができてきたら、そのときにも笑顔で褒めてあげてください。
歩きながら、「上手ね」「いい子ね」などと声掛けをしながら、時には優しく頭や背中を撫でてあげるのも効果的です。
上手く歩けているからといって褒めなくなってしまうと、犬は継続的にその行動をしなくなってしまうことがあります。
最後に
引っ張り癖のある犬に対しての対処方法を紹介してきましたが、こんな簡単なことなの?と思われるかもしれません。
このしつけに関わらず、犬のしつけは単純作業を繰り返すものが多いので、飼い主さんと犬の根競べになります。
諦めずに、そして焦らずに繰り返し教えてあげていってください。