犬が吠える理由は?
どうして吠えてしまうの?
犬が吠えるのは人間が喋るのと同じようにコミュニケーション手段の1つであり、ごく自然なことです。
その昔から、犬は人間のパートナーとして、以下のようなたくさんの仕事をこなしていました。
- 人間と一緒に狩りをする
- 番犬として侵入者を追い払う
- 牧羊犬として家畜を追う
これらの仕事の中には、吠えないと出来ない仕事もありますので吠えることが大事な能力の1つだと考えて繁殖されてきた犬種もたくさんあります。逆に、犬種によってはあまり吠えないと言われる犬種もいますが、個体差もありますし、吠えることがコミュニケーション手段の1つであることには変わりありません。特にハウンド系の猟犬やテリア、番犬、であった犬種は吠えやすいと言われています。
無駄吠えとは?
吠える必要のないときに吠えること
人間からしてみると、何で今吠えるの?または、そんなにずっと吠えなくていいのに、ということがありますよね。玄関のチャイムが鳴ったとき、電話で話をしているとき、何に反応して吠えたのか全く分からないときすらあります。
無駄吠えと言う言葉自体は、人間目線の言葉で、私たち飼い主が困るタイミングで吠えたり、必要だと思えないのに吠えたりすることを言います。犬自身にしてみれば、全く無駄ではなく、何らかの理由や気持ちがあって吠えています。
- 怖い
- 寂しい
- 嬉しい
- 痛み
犬にも人間と同じように、上記のような気持ちがあります。我が家の愛犬を見ていても、喜怒哀楽があって吠えるていることが分かります。そして、そのような気持ちになっている原因やそのような気持ちから伝えたいことが犬にはあるのです。怖いからあっちへ行けとか、寂しいから飼い主に早く帰って来て欲しいとか、そのおやつが好きだからもっと欲しいとかなどです。 ですから、無駄吠えを止めさせたいのであれば、吠えていることをただ叱るのではなく、吠えている原因(そのときの愛犬の気持ちやそのような気持ちになっている出来事、犬が伝えたいこと)を考えて対策をしましょう。
今の吠え方どんな気持ち?何を伝えたいの?
吠え方や鳴き方を聞き分けてみましょう
吠え方や鳴き声は、その時の犬の気持ちや吠える原因によって違います。
- 高い声で吠える「ワンッワンッ」
- 連続して何度も大きな声で吠え続ける
- 鼻を鳴らすように「クゥーンクゥーン」と鳴く
- 高い声で「ハゥーーンハゥーーン」と長く鳴く
- 低い声で「ウゥゥー」とうなり声をあげる
高い声で「ワンッワンッ」と吠えるのは、犬の吠え方で1番想像しやすいですよね。少し高めの声で短く強めに1、2回吠えるのは、犬が何かを主張や要求していることが多いでしょう。お散歩中に仲の良い犬に会った時に吠えたならば、その犬と遊びたいと主張しているのかもしれませんし、知らない犬に対して吠えたのならば、その犬に近づいて相手のことを知りたいと要求しているのかもしれません。
連続して何度も大きな声で吠え続けるのは、警戒心や恐怖心によることが多いでしょう。相手を追い払おうとしていたり、それ以上近づくなと警告していたりします。相手を不審に思ったり敵と判断した、危険が迫っていると判断したときの吠え方になります。
鼻を鳴らすように、「クゥーンクゥーン」や「キュンキュン」と鳴くのも、犬の要求であることがあります。よく、愛情表現や甘えたい気持ち、寂しさを表現しているとも言われていますが、「飼い主さんがいなくて寂しい。嫌だ。早く帰って来て。」、「今構って欲しいのに構ってもらえない。構ってよ。」、「もっとそのおやつが欲しい」などと、その犬が今おかれている状況に不満があって何かを要求している場合も多いものです。
高い声で「ハゥーーンハゥーーン」と長く鳴くこともあるようです。また、どこかに痛みがある時にもこのような鳴き方をすることがあります。低い声で「ウゥゥー」とうなり声をあげるのは、威嚇行動の一部です。このとき、耳が後を向いていたりしっぽがさがっているだけではなく、身体が前傾姿勢になっていると、防御のための攻撃の前階態なので、すぐに状況を変えてあげる必要があります。犬からのこの警告を無視すると、噛まれることになります。
困る吠え癖を改善することはできる?
飼い主さんが無駄吠えや吠え癖で困っている場合、主張の強い犬であるか、犬の警戒心が強いかのどちらかのことが多いと思います。主張が強い、要求が多いせいで犬がよく吠える場合には、吠えても犬の主張や要求は通らないことを学ばせる必要があります。犬の警戒心が強いせいでよく吠える場合には、犬が恐怖や不安を感じる状況を作らないこと、または犬の恐怖や不安を軽減させるトレーニングを行うこと、犬に警戒する必要がないことを教えることなどが必要となります。
また、欲求不満や体調不良の状態にあれば色んな主張をしたくなるでしょう。それを防ぐためには、以下のようなことも必要です。
良い環境を整える
- 快適な居住空間(寝床など)を与える、不必要に外を警戒する必要のない居住空間を与える
- 適切な質と量のご飯を与える、体調の変化に気付ける飼い主でいる
多くの時間を過ごす居住空間は、快適である必要があります。暑さ寒さだけではなく、寝床が快適か、外が見え過ぎていて必要以上に警戒する必要が出てしまわないか、なども考えてあげましょう。汚れていないトイレが常にあることも必要です。
ご飯は、その犬に合った質のご飯を適量与えることが必要です。普段から健康的な食生活をさせ、適度な運動をすると同時に、体調の変化に気付ける飼い主でいましょう。急に吠えるようになった、急におこりっぽくなったという場合に、実は体調不良が原因だったということもあるそうです。
ストレスを溜めさせない
吠えにつながるストレスの多くは、欲求不満でしょう。欲求が満たされない場合、犬は吠えやすくなると考えられます。運動不足や過度の退屈などから欲求不満になることが多いと思われます。
- お散歩や遊びなどで適切な運動をさせる
- 1人でできる遊びを覚えさせ、留守番時などに活用する
お散歩やボール遊び、引っ張りっこなどで、運動不足にならないようしましょう。犬は社会性のある動物ですので、適度に社会的行動をさせることも必要です。ただし、どのくらいが適度な社会的行動なのかは犬によって大きく違い、ドッグランで他の犬と遊ぶことが大事な犬から、飼い主家族とだけきちんとコミュニケーションがとれていれば良い犬まで、様々です。
また、犬が1人で遊べる知育おもちゃなどを利用して、留守番時などには1人遊びをさせて退屈させないようにするのも良いでしょう。
まとめ
犬が吠えるのは動物として自然なことですが、現代の人間社会でペットとして飼われている犬は、どちらかと言うと吠えることは歓迎されない場合が多いようです。近隣のお宅への配慮もしつつ、吠える原因を突き止め、犬にとって最適な環境を用意してあげることが、吠えに関連する問題をなくすことに繋がります。