飼い主さんの言葉が愛犬の心を傷つけているかも…!?
犬と会話することはできませんが、コマンド(指示語)を教えることによって、犬は「オスワリ」「オテ」「マテ」などの言葉を覚えて理解することができます。
また、特に教えなくても飼い主さんがよく使う言葉を覚えてしまうこともあります。「お散歩」「ごはん」「おやつ」などの言葉をいつの間にか覚え、これらの言葉を耳にすると興奮したりうれしそうにしたりする犬は少なくないでしょう。
では、覚えていない言葉はどうなのかというと、覚えていない言葉を理解することはできません。しかし犬は、声のトーンや表情などから相手の感情を読み取ることができると言われています。
それはつまり、愛犬の知らない言葉でも、その言葉を発しているときの飼い主さんの気持ちは愛犬に伝わっているということ。ということは、飼い主さんがどんなことを言っているのか何となく分かるのかもしれません。
もしそうだとしたら、思わぬところで飼い主さんの言葉が愛犬の心を傷つけているということもあり得ます。愛犬の心を傷つけないために飼い主さんはどのような言葉に気をつけるべきか、以下からご紹介していきます。
NGな言葉①「大嫌い」
愛犬の目を見つめて「大好きだよ~」と言うと、愛犬はうれしそうにしっぽを振ったり目をキラキラ輝かせたりしませんか?それはきっと、飼い主さんの愛情が愛犬に伝わっているから。
本当は愛犬のことが大好きなのに、言うことを聞いてくれなかったり大切なものを壊されたりするとイライラしてしまって、つい「大嫌い!」と言ってしまうことがあるかもしれません。しかし、この言葉は避けるべきです。
愛犬と飼い主さんがよい関係性を築いているのであれば、愛犬は心から飼い主さんのことを信頼し、深く愛しています。そんな相手に「大好き」の対極にある「大嫌い」と言われるのはひどくショックで、愛犬の心は傷つくでしょう。例えるなら、子供が愛する親に「大嫌い」と言われるようなものです。
NGな言葉②「バカ」
人に「バカ」と言うのは、時として人格を否定することになります。それはきっと、犬に対しても同じ。
愛犬には「バカ」の意味は分からなくても飼い主さんの気持ちが伝われば、愛犬の心は傷つきます。そして、愛犬に向かって「バカ」と言うときの飼い主さんの顔はとても怖くて、声も大きいはず。そんな飼い主さんに愛犬は恐怖やストレスを感じてしまいます。
忙しいときや疲れているときに粗相やいたずらをされたりするとカッとなって、愛犬に向かって「もう!バカ!」と言いたくなるかもしれません。そんなときは深呼吸をして気持ちを静め、出かかった言葉をのみ込みましょう。
NGな言葉③「どうしてできないの?」
トレーニングを重ねているにもかかわらず愛犬がなかなかうまくできないと、「どうしてできないの?」という言葉が出てしまうこともあるでしょう。
でも、愛犬なりに一生懸命頑張っているはず。その頑張りは評価されずに責めるようことを言われたら、愛犬の心は傷つき、落ち込んでしまいます。やる気も失ってしまうかもしれません。
トレーニングがうまくいかないときは、「どうしてできないの?」という言葉の代わりに、頑張りを認める言葉や励ましの言葉をかけてあげましょう。また、トレーニング方法を変えてみる、ごほうびのおやつをグレード・アップしてみるといった試みも大切です。
NGな言葉④行かないのに「散歩行く?」など
「散歩行く?」と言うとピョンピョン跳ねたり、玄関のドアの前で待ったりする犬がいますが、その姿は飼い主さんにとってとてもかわいいものです。しかし、その姿を見たいがために、本当は行かないのに「散歩行く?」と言うのはNG。
期待を裏切られた愛犬の心は傷つきますし、飼い主さんへの信頼度もガタ落ちです。
「散歩行く?」のほか、「ごはん食べる?」「遊ぶ?」など、犬それぞれうれしそうな反応を示す言葉は違いますが、わざとその言葉を言って愛犬をぬか喜びさせるのはやめましょう。
まとめ
気持ちに余裕がなかったりイライラしているときは、言ってはいけない言葉を吐いてしまいがちですが、愛犬にとって飼い主さんが全てです。そういう存在の人に心を傷つけられるのは、とてもつらく悲しいこと。
場合によっては、飼い主さんへの信頼まで失うこともあります。一度信頼を失ってしまうと、それを回復させるのは簡単なことではありません。ですから、ご紹介したような言葉で愛犬の心を傷つけてしまわないように日々気をつけましょう。