乾燥する季節は静電気に注意
愛犬を撫でようとしてバチっ、ブラッシングのブラシを背に滑らせるとバチバチバチっと、犬と触れ合う際に、静電気を感じたことのある方は多いでしょう。空気の乾燥がひどい冬場になると、悩まされる問題です。
この静電気は、ただ放電の痛みを及ぼすだけでなく、身体に様々な影響を与えます。それは犬に対しても同じ。対策を行い、できるだけ電気を溜めないようにすることが大切です。
ここからは、静電気が犬に及ぼす影響やその対策についてご紹介して参ります。
静電気が犬に及ぼす影響
不快感
静電気による不快感は誰しも感じたことがあるでしょう。それは犬も同じ。ちょっと触れただけでバチっと痛みが走り、不快な思いをさせてしまいます。
皮膚トラブル
静電気が起こっている面には、様々な物が引き寄せられます。地面近くで生活する犬の場合は、花粉やハウスダスト、ダニやノミといったアレルゲンなどを多く体に吸着してしまうこととなります。これは不衛生であるだけでなく、健康面にも問題を及ぼし、皮膚炎を起こす場合も。
犬は肌があまり丈夫でなく、皮膚炎を起こす個体が多いので、注意が必要です。
呼吸器トラブル
静電気はアレルゲンなどを肌に付着させるだけでなく、体内にも異物を侵入させます。空気中や地面には、アレルゲン以外にも細かい物質がたくさん含まれています。
肌に引き寄せた様々な物を犬が呼吸により吸うことで、呼吸器にトラブルを起こすケースがあるのです。異物を吸引してしまうと、喘息のような症状が出たり他の病気につながったりします。また、菌やウィルスをも付着、吸引してしまう恐れもあります。
血糖値への影響
静電気を体内に溜めてしまうと、血糖値にまで影響が起き、その値を上げてしまいます。血糖値の上昇は体の疲れやすさや脱水に繋がり、酷い場合は血管にダメージを与えることも。
栄養分の流出
静電気は、カルシウムの体内代謝を早めると言われています。速いスピードでカルシウムが排出されてしまうため、体内のカルシウム量が減り、疲れやすくなったり貧血を起こしやすくなったり、歯や骨が脆くなることもあります。
また、合成繊維と接触していると、血液中のビタミンCが失われるという報告もあります。ビタミンCは健康な皮膚や被毛の維持、免疫機能などに働きかけるものなので、この量が低下することは体調不良に繋がります。
犬の静電気を防ぐには
加湿
寒い時期、日本の空気はかなり乾燥しています。静電気は湿度の高い空気中ではそこに逃げていきますが、乾燥した空気中には逃げることができず、身体や物に溜まってしまいます。そして、触ったものに対して放電するのです。
よって、静電気には加湿が有効。ペットのいる部屋内の空気の湿度を上げておくと、静電気は空気中に逃げていくこととなります。加湿はウィルス予防や美容面にも効果的なので、冬場には特に意識しておきたいケアです。
天然素材のファブリック
化学繊維などの人工的なファブリック類は、より多くの静電気を生みます。アクリルやナイロン、ポリエステルなどは特に要注意。一方、天然素材で作られたものでは、静電気の発生量はかなり下がると言われています。
犬のベッドや毛布、服、また飼い主さんの服や長い時間を過ごすソファやカーペットなど、ファブリック類の素材を見直してみましょう。
犬自身の乾燥対策
空気の乾燥により、犬の皮膚や被毛も乾燥し、静電気が発生しやすくなります。そうなるとブラッシングも一苦労。専用のグッズで対応しましょう。
静電気対策グッズについては、下でご紹介します。
犬の静電気対策のおすすめグッズ
ネックレス
人間でも付けている方がいるような、スポーツネックレスタイプの静電気除去アイテムが販売されています。細めで軽いものが多いので、小型犬にも負担がありません。
スプレー
犬の被毛にスプレーして、静電気を防止するアイテム。美容成分配合のものが多く、ブラッシングの仕上げとしても。直接スプレーするものなので、成分をよく見て、アレルギーには注意しましょう。
ブラシネット
アイデア商品として見つけたのが、ブラッシングのブラシに被せて使うブラシネット。そのまま犬の体をとかせば、静電気を除去し、被毛のケアも行えます。使った後はネットを剥がすだけで、ブラシに絡まる毛の除去も完了。使い捨てです。
ウェア
静電気防止の犬用ウェアもたくさん販売されています。冬場には犬に服を着せる場合も増えるかと思いますが、素材選びを慎重に。
洗剤、柔軟剤
ペットのファブリック類を洗う洗剤や柔軟剤には、静電気防止効果が含まれるものも。それにより、毛の付着も減ります。愛犬が快適に眠りにつけるよう、ベッドや毛布に使ってあげたいアイテムです。
まとめ
犬に静電気が及ぼす影響とその対策についてご紹介しました。静電気は不快感だけではなく、体調にも影響を及ぼすため、侮れない冬の天敵です。快適に過ごすために、いろいろと工夫を行いましょう。
また、犬だけではなく人間にも、静電気の影響はあります。この冬は、静電気対策を徹底したいですね。