人の話を聞いている時の犬を観察してみると…
犬は言葉を話すことができませんし、話の内容を理解することもできません。それは分かっていても、愛犬に話しかけてしまうのが飼い主というもの。愛犬に愚痴や悩みを聞いてもらうという飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
話かけても相づちを打ったり、言葉を返すことのない犬たちですが、よく観察してみると、人の話を聞いている時にさまざまな仕草をしています。もしかするとそこに、犬の心理が隠されているかもしれません。そこで今回は、犬が人の話を聞いているときにする仕草について迫ってみたいと思います。
仕草①前方向に耳を立てる
犬は大変優れた嗅覚を持っていますが、聴覚も発達しており、人には聞こえない音も犬は聞くことができます。また、耳をいろいろな角度に動かすこともできます。
犬が前方向に耳を立てるのは、強気になっている時や緊張している時ですが、何かに集中している時も耳を前方に向けて立てます。ですから、飼い主さんが愛犬に話している時に前方向に耳を立てているのなら、集中して話をよく聞こうとしているということです。
仕草②目を輝かせる
愛犬に話をしている時、大きな黒目をキラキラさせて見つめてくることはありませんか?
人がワクワクしている時に目が輝くのと同じで、犬も期待で興奮している時は目をキラキラと輝かせます。また、「よく話を聞かなくちゃ」などと集中している時にもこの仕草を見せます。
もしかすると、飼い主さんの話から「おやつ食べる?」や「お散歩行く?」というワードが出てこないか、ワクワクしながら集中して聞いているのかもしれませんね。
仕草③首を傾げる
犬が首を傾げる仕草はとてもかわいいですよね。この仕草は人の話を聞いている時にもよく見られ、一生懸命話を聞こうとしている証しと思われます。
犬が首を傾げる仕草については、詳しくは解明されていませんが、気になる音や言葉を聞き取ろうとしているのではないかといわれています。首を傾げて、耳の高さや角度を調整して、いろいろな方向から音を拾おうとしているのです。
仕草④あくびをする
飼い主さんが愛犬に話している時に愛犬があくびをしたら、もしかすると話を聞きながらストレスを感じているのかもしれません。特に、飼い主さんが怖い顔でくどくどとお説教をしている最中のあくびは、ストレスや不安を感じている可能性大です。
なぜかというと、犬はストレスなどを感じた時に、カーミング・シグナルという自分や相手の気持ちを落ち着かせるための行動を見せますが、あくびもそのひとつだからです。つまり、お説教中にあくびをすることで、気持ちが高ぶっている飼い主さんを「落ち着いて」となだめつつ、自分の緊張も和らげようとしているのです。
もしお説教をしていないのなら、話を聞いているのが退屈か、眠くなってしまったのかも…。
ちなみに、首の辺りや体をかく、鼻をペロッとなめるなどの仕草も、犬がストレスや不安を感じた時に見せるカーミング・シグナルです。
仕草⑤耳をピクピクさせる
私が家で家族と話している時に、少し離れて寝そべっている愛犬が耳だけをピクピクと動かしている時があります。そして、会話の中に愛犬の名前が出たりすると、ムクッと上半身を起こしてこちらを見たりします。
犬は耳の筋肉が発達しているため、耳をいろいろな角度にピクピクと動かすことができます。ですから、たとえ少し離れたところで寝そべっていても、耳だけを動かして人の話を聞くことができます。
話の内容は分からないにしても、犬は人の話を聞いていないようで聞いている時があるのです。
まとめ
犬が人の話を聞いている時にする仕草を5つご紹介しました。ぜひ、飼い主さんが愛犬に話している時の愛犬の仕草を観察してみてください。きっと、前方向に耳を立てたり、首を傾げたりして、一所懸命飼い主さんの話を聞こうとしていますよ。
愛犬に話しかけることも大切なコミュニケーションのひとつですが、もし話の途中であくびなどのカーミング・シグナルを見せた時は、ストレスを感じている可能性があるので、話を切り上げてあげたほうがいいかもしれません。