原因として大きいのは過度な反応
愛犬を残してお出かけするときに「行ってくるからおとなしく待っててね」「ただいま~帰ったよ、お利口にしていた?」など、飼い主さんがついついやってしまいがちなリアクション。
飼い主さんの大げさ気味のあいさつ行動は、愛犬にとって「いってらっしゃい!」という気持ちよりも「今から長い時間お留守番をしなくちゃならないんだ、さびしいよイヤだな~」というような不安感を与えてしまいます。
愛犬を留守番させるときは「そ~っと、静かに」が基本です。また、帰宅したときもすぐに構うのではなく、15~30分間くらい少し時間を置いて愛犬が落ち着いてから構ってあげるといいでしょう。
日頃から愛犬と距離を置く時間を作るようにすると良いです。初めはほんの数分程度から他の部屋に行くなど少しずつひとりになる時間に慣らしていきましょう。そうすることで留守番に飼い主さんと離れることへのストレスが徐々に減っていくでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
日常でトイレやお風呂に入る時など、わざわざ愛犬に「お風呂に入ってくるね」「トイレにいってきます」など、声をかける方は少ないですよね?
外出するときも、同じような感覚で家を出るのが理想です。慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、愛犬も慣れるのに時間が必要です。お互いにゆっくりと慣れていきましょう。
愛犬にお留守番の練習をしよう
愛犬が留守番中に感じてしまうストレスを減らすためのトレーニングがあります。日常の家事の合間や帰宅後、仕事がお休みの日にためしてみましょう。
2. 愛犬の目の前で着替えなどの身支度を整え、出かけるふりをして家を出ます。
3.外から戻ったら、愛犬が興奮気味に迎えてもかまわず無視をします。
4.そのままいつもの通りに過します。慣れてきたら少しずつ外出時間などを長くします。
監修ドッグトレーナーによる補足
お留守番に強い不安を抱える犬の場合は、1のケージやサークルに入る練習だけをまず始めましょう。1に慣れてきたら1、2の練習と、その子のペースに合わせて進めていくことが大切です。
最初から全てを通して練習しても、無理強いなら分離不安など逆効果なることもあるので気をつけましょう。
愛犬にとって留守番を楽しい時間に変える方法
愛犬にとって、お留守番中も楽しい時間だと思ってもらいましょう。噛んでも安心な知育おもちゃやコングなどは、お留守番中の退屈しのぎのためにあると言っても良いくらいです。
留守番中におやつの入ったおもちゃをもらえると学習すれば、ひとりで寂しかったり退屈な時間も、遊びに夢中になって気にしなくなっていくかもしれません。ただし、急におもちゃを与えたから大丈夫になるわけではありません。時間をかけてゆっくりとコングや知育おもちゃは楽しいと思ってもらえるようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
「お留守番=不安、寂しい」から「お留守番=楽しいことがある」と、嫌なことから良いイメージに変えることはとても有効です。
ただし、人間でも一度ついたイメージを変えるのは簡単ではありません。おもちゃも好き嫌いがありますので、愛犬が気に入ってくれるおもちゃを選ぶことから、ゆっくりと始めましょう。
愛犬が留守番時にする「いたずら」や食糞の対応方法
留守番中に、いたずらなどの破壊行動や、うんちを食べてしまう食糞はよくあることですが、飼い主にとっては大きな悩みのひとつです。
つい叱ってしまいがちですが、何ごともなかったように淡々と片付けるのが良いとされています。時間が経過してから叱っても、犬は何で怒られているのか理解できないどころか、大声をだして慌てている飼い主さんを見て、喜んでいると勘違いして「いたずら=いいこと」と思ってしまいます。
ただし、いたずらや食糞行動が分離不安などが原因の場合は、重度になる前に動物病院に相談しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
飼い主さんと離れて不安や寂しさからや、ひとりで退屈などの理由から、留守番が苦手な子は多くいます。また、飼い主さんの行動がさらに留守番を苦手にしていることも少なくありません。
日頃から愛犬と過ごすことが多い場合、少しの外出でも愛犬は置いて行かれたと不安を感じてしまうこともあります。大切なのは日頃からひとりになってもパニックにならないように慣らしておくことです。
外出は避けられないもの。留守番中も愛犬が落ち着いて過ごせるように環境を整えることや、愛犬のペースに合わせたトレーニングを心がけてくださいね。