なぜ犬は人の赤ちゃんを可愛がるの?
犬が人の赤ちゃんを守ろうとしたり、優しく寄り添ったり、泣いているときは顔を舐めて慰めてくれたり、いろいろな行動を示すことがあります。その姿はまるで、自分の子供を可愛がっているようにも見えます。
では、なぜ犬は人の赤ちゃんに対してこのような行動をするのでしょうか?そしてそこには、犬のどのような気持ちが隠されているのでしょうか?
理由①「赤ちゃん」を分かっている
初対面のときは、もちろん驚くでしょう。突然あらわれ、一緒に住むことになり、「この小さい子は何者なんだろう?」と不思議に思うのも無理はありません。しかし、見た目が大きく異なる人と犬であっても、「赤ちゃん」という存在を理解することができるといわれています。
人の赤ちゃんと犬の赤ちゃんの共通している点として、「目や鼻、口などのパーツが中心に寄っていること」が挙げられます。また、人の赤ちゃんの独特のニオイや泣き声、仕草などが犬の赤ちゃんと似ていると認識するのでしょう。
このように、見た目の特徴から「この子は赤ちゃんなんだ」と理解することができるといわれています。犬の知能の高さが、発揮されているのが分かりますね。
理由②本能によるもの
メスの犬にみられる光景ですが、母性本能が刺激されることで可愛がる場合があります。犬の祖先であるオオカミは群れで生活し、順位付けをされることで、順列がはっきりとしていました。赤ちゃんを産めるのは上位のオオカミだけだったといわれています。そのため、子供を産んでいないメスのオオカミも、オスのオオカミも、群れ全体で協力して自分の子のように大事に育てていました。
そうした習性が、今の犬にも残っているのでしょう。人の赤ちゃんに対しても、その愛らしい見た目によって母性本能がくすぐられ、可愛がっていると考えられます。
理由③赤ちゃんへの愛情を共感
犬は飼い主さんの感情にとても敏感です。表情や仕草から、喜んでいる、笑っている、イライラしている、落ち込んでいる、などの感情をすぐに察知します。そして、犬はその感情に共感する動物ともいわれています。
例えば、飼い主さんが笑っていると犬もしっぽを思いっきり振っていたり、悲しくて泣いていると犬もシュンと落ち込んだりしてしまいます。
そのため、赤ちゃんに対する飼い主さんの表情や仕草を見て、赤ちゃんへの愛情を察知すると、「人の赤ちゃんは大切な存在」と認識するのです。
また、赤ちゃんとじゃれたり寄り添ったりすることで、その微笑ましい光景に飼い主さんは喜び、笑顔になるでしょう。犬はその笑顔を見て、「赤ちゃんに優しくすることはイイコト」と学習します。そうして一緒に暮らしていくことで、「赤ちゃんを守らなきゃ」という使命感も生まれるかもしれません。
まとめ
犬は家族の一員、人生のパートナー、兄弟、友達など、いろいろな表現であらわされています。核家族化が進む日本では、兄弟が少ないご家庭も多いでしょう。そんな赤ちゃんにとって、犬の存在は大きいものになります。一緒に遊んだりじゃれたりして暮らすことで、素敵な関係性になるでしょう。
犬は人だけでなく、他の動物の赤ちゃんにも愛着を示すといわれています。例えば猫やハムスター、ウサギ、鳥など。犬と他の動物が同居しているご家庭では、見たことがある方も多いのではないでしょうか。