犬のしつけで無視が効果的な理由
観察力、洞察力に優れた犬には「無視」は効果的
犬のしつけの中で「無視」という方法がベストだとされる場面があります。犬は社会性の高い動物で飼い主などの人間とも積極的にコミュニケーションを取ろうとします。そのため、相手の反応や仕草、言動をよく観察してそれを汲み取ることで自分の態度を変化させたり、自分の要求を伝えたりと群れ社会で生きてきた動物ならではとも言える高度なコミュニケーションを取ることが出来るのです。観察力、洞察力に優れた犬相手だからこそ、「無視」という行動にも大きな意味を持たせることが出来ます。
叱るよりもリスクが少ない
無視は「犬の要求に応じない」「今は相手に出来ない」などという姿勢をあらわすことが出来るだけでなく、適切に叱ることが出来ない場合の代わりにもなるしつけ方法です。犬を叱るということは簡単なようで実はとてもむずかしいもの。本当に効果的な叱り方というのは、やめさせたい行動が起きた瞬間に適切な強さで叱り、すぐに正しい行動へと誘導しなければなりません。適切でないタイミングや強さで叱ると犬に過度な恐怖を与えてしまったり、間違ったことを覚えさせてしまう可能性などもあります。その点、無視の場合は極端に怖がらせたり正しくないことを覚えさせてしまうリスクが少ないので、誰でも簡単に尚且つ効果的に使うことの出来るしつけの方法なのです。
無視が効果的な犬のタイプやしつけの場面
無視をすることで特に効果が得られるのは人にかまってもらうことや遊んでもらうことが好きな犬です。元々人に対して興味や関心が薄いタイプは、無視をされてもほとんど気にしない、または気が付くことすらない場合があり、しつけとしての効果が今ひとつになりがち。
遊んで欲しいと飛びついてきたり、おやつが欲しいと吠えてきたり、飼い主に対して何かしらの要求をしてきた時は特に無視が有効なしつけの手段となります。遊んで欲しい、かまって欲し犬にとって最も嫌なことは相手にしてもらえないことや飼い主からの反応が返ってこないこと、つまり無視されることなのです。飼い主の気を引きたくていたずらや食糞をしている場合なども無視は非常に有効です。
犬のしつけで効果的な無視の方法
無視がしつけに効果的だと聞いて実践しても効果が感じられない、という人は多いのではないでしょうか?しかし、そんな悩みを抱える飼い主さんが遊びや食べ物を要求してきた犬を無視している様子を見させてもらうと、完全に無視しきれていない場合は非常に多いのです。確かに要求をしてきていることに対しては応じないようにしていて、求められるがままおやつを与えたり遊んだりしてはいないのですが別の行動をして犬に反応してしまっているのです。
「無視」の徹底
しつけにおいての無視というのは「犬に対して何も反応を示さない」ということ。そのため、犬に視線を送って目を合わせたり、微笑んでいたり、触れてしまったりしては無視をしていることにならず、犬はそこに「もっとアピールすれば要求に応えてくれるかもしれない!」という希望を見出して、さらに激しいアピールが続いてしまうことも…。犬のしつけで無視という方法を使う時は「犬を見ない・声をかけない・触れない」ということを徹底することが大切です。
<まとめ>犬のしつけにおける無視の効果について
犬のしつけにおいて無視は飼い主の意思を犬にわかりやすく伝えることの出来る非常に有効な手段です。細かなテクニックや力が必要なく、小さな子供からお年寄りまで使いこなしやすい方法のひとつだと思います。しかし、無視が適しているしつけと不向きなしつけ、特に効果的な犬のタイプなどを知っていると無視というしつけの手段をより有効活用することが出来ると思います。しつけはコミュニケーションであり、犬と飼い主の気持ちや要望をすり合わせてお互いが快適に暮らしていくための歩み寄りでもあります。無視を上手に使って、犬にしっかりと飼い主の意図を伝えられるといいですね。