①先住犬との信頼関係を築いてから始める
たくさんの犬と暮らすこと、つまり多頭飼いを始める時に最も大切なのは飼い主と先住犬の関係がしっかりと築かれていることです。飼い主と先住犬の信頼関係が築かれておらず、コントロール出来ない状態で次の犬を飼い始めると、その犬は先住犬にならった行動をするため同じようにコントロールしにくい犬になってしまう可能性が高いのです。後から来る犬たちは飼い主と先住犬の関係を非常によく観察します。飼い主に従うことの大切さを先住犬から感じ取ることが出来れば、その犬も同じような関係を築こうとするでしょう。
もちろん先住犬との関係を見せるだけでなく、後から飼った犬1頭1頭ともしっかり信頼関係を築くことが大切です。多頭飼いは犬同士のコミュニティが出来てしつけなどでもいい影響が出やすいというメリットがありますが、犬同士に任せすぎることなく飼い主が1頭ずつとしっかり向き合うことを意識しましょう。
②犬同士が仲良くできるとは限らない
犬をたくさん飼う時に多くの人は犬同士に仲良くしてほしい、と思うことでしょう。特に留守番時間の長い家庭などでは複数の犬がいることでさみしくなくなればいいと考えることは多いと思います。しかし、犬同士だからといって必ずしも仲良くなれるとは限りません。実際親子や兄弟犬であっても喧嘩が絶えず、それぞれ隔離して生活させなければ命の危険があるほどの状況になってしまった例も少なくありません。せっかく愛犬に最高の仲間が出来ると期待して多頭飼いを始めても、そのような事態に陥ってしまっては悲しいですよね。
そういったトラブルを避けるためにも、先住犬の年齢や性格、家庭環境をしっかりと鑑みて本当に多頭飼育が可能なのかを熟考することが大切です。これから飼おうと思っている犬と先住犬を引き合わせ、相性を確かめることも必要です。飼い主が多頭飼いをしたいと思っていても、無理に進めるのではなく慎重に判断するよう気をつけましょう。
③知っておくべき「多頭飼育崩壊」の現実
一般家庭ではあまり関係がないと思われるかもしれませんが、多くの犬を飼育することが思わぬトラブルにつながることもあります。犬に関心がある人なら聞いたことがあるかもしれない「多頭飼育崩壊」という悲しい現実も、始めは普通に犬を飼育することからスタートしていることがあるのです。
多頭飼育崩壊とは飼育している犬の数が増えすぎて、面倒を見切れなくなって食事や運動、排泄を適切に行わせることができなくなったり、最悪の場合飼育している犬を死に至らせてしまうこともある大きな問題です。多くはブリーダーとして犬をたくさん飼育していたものの資金面などがままならず放置してしまう場合や、捨てられた犬を保護しているうちに数が増えすぎて面倒が見れなくなってしまった場合などに起こっています。犬を守りたいという思いから保護や引き取りを行っていたはずが、いつの間にか自分の犬が保護される立場になってしまうのはとても悲しいことですが現実には少なくない問題です。自分の手でしっかりと管理出来る範囲で飼育を行うということはとても大切なことで、それは数頭の多頭飼いであっても覚えておかなければならないことなのです。
多頭飼育は不安もあるけどメリットもたくさん!
ここでは犬をたくさん飼う上で気をつけなければならないこと、覚えておくべきことをまとめました。多頭飼育というのは1頭のみを飼う場合に比べてどうしてもトラブルが起こりやすく、問題が起きたからといってやめることは当然できません。そのため多頭飼いを始める前にはさまざまなことを想定し、覚悟しておくことが大切です。あえて多頭飼いのデメリットや大変な部分をピックアップしましたが、多くの犬がいるからこその楽しみや喜びもたくさんあります。1頭だけでは見られない犬たちのさまざまな行動や表情、かわいさをたっぷり堪能するためにも、多頭飼いの注意点をしっかりと覚えておいてくださいね。