「夫婦喧嘩は犬も食わない」の語源とは?
「夫婦喧嘩は犬も食わない」ということわざをご存じの方は多いと思いますが、その意味や語源は知っているでしょうか?
そもそも「夫婦喧嘩は犬も食わない」とは、夫婦喧嘩というものは些細な理由で始まったり一時的なものであったりすることから、他人が間に入って仲裁したり心配する必要はないものであるということの例えです。 ではなぜこのことわざに犬が出てくるのか、というと犬が雑食であるということが理由のようです。雑食で何でも食べる動物の代表として犬が使用され、そんな犬でさえも食べないほど夫婦喧嘩はつまらないものということを表現しているようです。
「犬も食わない」という表現自体が、誰も望まず相手にしないもの、取るに足らないばかばかしいもの、雑食の犬ですら欲しがらない程度の低いものといった意味合いを持っており、「夫婦喧嘩は犬も食わない」以外の言い回しで使われることもある表現となっています。
夫婦喧嘩が犬に与える悪影響
さて、ことわざでは「犬も食わない」とされる夫婦喧嘩ですが、実際に家庭内で起こった夫婦喧嘩も犬にとってつまらないものなのでしょうか。もちろん犬にとって夫婦喧嘩などというものはつまらないものですが、それは無視できるようものではなく実は大きな影響を与えることもあるのです。
人間と長く一緒に暮らしている犬は、私たち飼い主の感情を敏感に察知します。声のトーンや表情、ため息、動きなどちょっとしたことから飼い主の感情を読み取るのです。機嫌が悪そうな飼い主を前にして、犬によってはご機嫌を取るようにすり寄ってきたり自分に何らかの被害が及ばないようにじっと存在を消していたり…。そんな繊細な心を持つ犬ですから、目の前で大切な飼い主が夫婦喧嘩で言い争いをしたり険悪な雰囲気になっていると傷ついてしまう犬もいるでしょう。人間の子供に夫婦喧嘩を見せると精神的に不安定になってしまうなどと言われるように、犬にも同じような影響が考えられます。実際、夫婦喧嘩の翌日は必ず下痢をしてしまう犬もいるそうです。
夫婦喧嘩中に犬は物陰から様子を伺っている
大手ペット保険会社である「アイペット損害保険株式会社」が発表した、ペットと夫婦関係に関するアンケート結果によると、夫婦喧嘩中に犬が取る行動として最も多いのが物陰から様子を伺っているというもので約3割近くを占めています。その他には仲裁しようと間に飛び込んできたり、全くの無反応であったり、その場から逃げる、おびえた表情をするといったものが見られます。これらの反応を見ても、夫婦喧嘩が愛犬にとって決していい影響を与えるものではないということがよくわかると思います。大切な飼い主の夫婦喧嘩は犬を不安や不快にさせ、おびえさえも感じさせることがあるのです。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言えど与える悪影響に注意!
「夫婦喧嘩は犬も食わない」ということわざから、夫婦喧嘩をしていても犬は呆れて見ているだけというような印象を持ってしまいがちですが、実はそうではありません。飼い主の感情や機嫌に敏感な犬たちは夫婦喧嘩をとても嫌います。その場の雰囲気に耐えられず逃げる、仲裁のためにすり寄って甘えたり吠えたりするなど反応はそれぞれですが、どれも決して犬にとっては楽しいことではありません。
先に紹介したペットと夫婦関係に関するアンケート(アイペット損害保険株式会社による)ではペットを飼い始めてから夫婦の会話が増えた、家庭内に笑顔が増えた、喧嘩の修復が早くなったなど8割以上の人がペットが夫婦関係にいい影響を与えていると感じていると答えています。いい影響を与えてくれる犬たちに、私たち人間が悪影響を与えるわけにはいきませんから夫婦喧嘩はほどほどに、そして大切な愛犬には気づかれないようにしましょうね。