1.人間の手が怖い
これは人間とのふれあいに慣れていない子犬の場合や、叩かれ続けるなどの虐待行為を受けてきた犬によく見られるパターンです。頭をなでてあげようと手を伸ばすと、怯えて首をすくめる仕草をしてしまう犬を見たことはありませんか?
もちろん犬も動物ですので本能的に頭上をかすめる影には警戒をするものです。しかし叩かれたりして恐怖を覚えた経験があると、頭上に伸ばされる手に怯えてしまい地面に伏せてしまったり、場合によっては反撃をするために歯を当ててきたり、本当にかみついたりしてくる犬もいます。
対処法
恐怖を我慢できる犬もいれば怖すぎて威嚇行動にでる犬もいるため、こういった場合は「人の手が怖いものではない」ことを根気よくトレーニングしていかなければいけません。人の手そのものを怖がらせなくするには、「静止した手に慣らすこと」「動く手に慣らすこと」「顔や頭の近くにある手に慣らすこと」というように段階を踏んでトレーニングしていくことになります。いきなり手を激しく動かしてしまうと犬はびっくりしてしまうので、あくまでゆっくり、根気よく続けていくことが大切です。
2.体の末端部を触れるのがイヤ
犬にとってしっぽや鼻先、耳、手足の先などは噛みつかれたときにケガをしやすい部位となります。犬たちは本能的にそれを知っているため、多くの場合末端部へのタッチを嫌います。またヒゲや手指の間なども敏感な部位なので、触れられるのを嫌がる犬がたくさんいます。触ってくる人が飼い主ならばいやな気持をぐっと我慢してくれる犬も多いのですが、こういった部位はケガをしやすいため獣医さんなどに診てもらう機会も多い部位でもあります。そのため嫌な部位に触れられても我慢できるよう、トレーニングをすることが必要です。
対処法
犬が触れられてそれほど不快ではない部位(背中、肩)などに触れることからスタートし、徐々に顔やマズル、耳など末端部に手を進めていきましょう。これもいきなり長時間撫で続けるのではなく、一回触れてじっとしていたら褒める、二回触れてじっとしていたらまた褒める、といったように少しずつ、根気よく続けていきましょう。
3.信頼関係ができていない
人同士でも同じことが言えると思いますが、犬にとっても知らない人に触れるのが強いストレスになる場合があります。慣れている飼い主や知っている人の場合は良いのですが、散歩の途中で会った知らない人などは、どこに触れてくるかわからず犬はとても緊張しています。犬の触り方をよく知らない人の場合は急に頭の上の方から手を伸ばしたり、背後から急に触れたりと犬をびっくりさせてしまいがちです。こういうことが続くと、もともと触れられるのが好きではない犬の場合、もっと嫌がってしまうようになります。
対処法
知らない人に触らせる際は、犬の「触ってよい部位」をちゃんと教えてあげて、犬にストレスがかからないように配慮してあげてください。
また、飼い主であっても犬との信頼関係がまだ出来上がっていないうちは、おなかや手足の先、耳やしっぽなどといった敏感な部位に触れるのを嫌がられることがあります。
こういった場合は触れるときに優しく声をかけたり、触れながらごほうびを与えたりしながら、「触れられる」=「いいことがおこる」ということをしっかり覚えてもらいましょう。この時も犬にとって触れられてイヤではない部位から触っていくなど、十分配慮してください。
まとめ
触られるのが大好きな犬もいればちょっと苦手な犬もいます。人の手に触れられることは安心できることだと教えてあげると、体調管理にも役に立ちますし、万が一具合が悪いときなども獣医さんに診察してもらいやすいですよね。
しかしどうしてもちょっとしたタッチは我慢できるけど長時間はイヤ、という犬もいます。嫌がっているなと感じたら無理やり触り続けるのはやめて、また次の機会にするなどゆっくり慣らしてあげてくださいね。