注意したいこと①ただの暴飲暴食の場合
人間と同じように、犬の中には食欲旺盛な子もいます。食事をあっという間に食べ終わり、さらにおねだりする子もいるでしょう。可愛くて、ついついオヤツをあげてしまう気持ちも分かります。
しかし、このような食生活を続けていると「肥満」になってしまいます。また、「おねだりすればご飯がもらえる!」とワガママな性格になってしまうかもしれません。
肥満になってしまうと、体のさまざまな部分に支障をきたします。
厚くなった脂肪が心臓へ負担をかけたり、重くなった体重を支えている膝などの関節に痛みが生じることがあります。また脂肪が気道を圧迫することによって息がしづらくなったり、脂肪が邪魔して手術の麻酔が効きにくくなる可能性もあります。
対策
おねだりされても与えないよう我慢しましょう。やがて「おねだりしてももらない」と学習し、犬も諦めてくれます。これはワンちゃんの健康のためですので、「かわいそう」などと思わないで根気よく続けましょう。
注意したいこと②満腹感が得られていない場合
食事を必要量あげているのにも関わらず、食べ終わったあともおねだりしてくる場合は、満腹感を得られていない可能性があります。
犬にとって食事で必要なことは、「量ではなく質」です。栄養素が足りていない食事だと、「栄養が足りていない、もっと摂取しなきゃ」と体が反応し、食事を多く求めるようになります。
対策
犬は人間と体の構造が異なるため必要となる栄養素も異なり、食事から取り入れなければなりません。タンパク質は人の約2倍、ミネラルは約5~7倍、ビタミンDとEは約3倍の量が必要となります。
また、茹でた野菜(にんじんやかぼちゃなど)をドッグフードの中に入れると、かさ増し効果が期待できます。犬の健康にも良いので、手作り食を行うご家庭は参考にしてみてください。
注意したいこと③「クッシング症候群」の可能性がある
食欲に異常があらわれた場合、ホルモンの病気が関係している可能性があります。その中でも犬で発症が多い病気が「クッシング症候群」(別名、副腎皮質機能亢進症)です。
クッシング症候群の症状として、以下が挙げられます。
- 食事を異常に欲しがる
- 多飲多尿(水を多く飲み、尿の回数や量が多い)
- 脱毛
- お腹がふくれる
- 息が荒い
- 筋力が低下する
対策
血液検査の結果によって食事の内容を決めていきます。ご家庭での食生活が重要となってくるので、獣医師さんと十分に相談しましょう。
クッシング症候群は予防ができない病気といわれています。しかし、早期発見ができる病気です。普段から愛犬を観察して、「いつもと違うな…」と少しでも感じたら病気を疑いましょう。例えば、食事を異常に欲しがるようになった、水を異常に飲むようになった、いつもよりお腹がふくれている…などです。
症状が進行すると、「糖尿病」や「膵炎」などを併発する可能性があります。命に関わる重大な病気なので、クッシング症候群が進行する前に早めに動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
しつけの問題や、食事内容が愛犬に合っていないなどの理由であれば、すぐに改善することができます。
愛犬の健康を守るのは飼い主さんだけです。欲しがるからといって無制限に与えてはいけません。それは「ワンちゃんのため」ではなく、ただの「甘やかし」です。
犬の食欲は健康のバロメーターになります。日頃から愛犬を観察して、少しでも異変を感じたら、獣医師さんに相談してみてください。