犬を「非日常」に慣らしておくことの大切さと方法

犬を「非日常」に慣らしておくことの大切さと方法

犬は慣れ親しんだものをとても好む傾向にあり、見慣れないものや経験したことのないものに強い恐怖や不安を感じることがあります。そのため非日常的なものにあえて触れさせたり経験させたりして慣らしておくということはとても大切です。

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犬にとっての「非日常」とは?

茶色のブランケットをかぶる黒×茶の犬

非日常的なものに犬を慣らしておくことは、犬を育て一緒に長い時間過ごしていく中でとても大切なしつけの一環です。慣れていないもの、知らないものが多い犬ほど精神的に不安定になりやすく落ち着きがなくなってしまう傾向にあります。もちろん飼い主の配慮で避けることのできる非日常的な経験であれば問題ありませんが、近年多発する自然災害などは避けようのない非日常です。地震や豪雨、土砂災害などにより非難を余儀なくされることは、もうめったにないこととは言えず、いつ誰の身に降りかかってもおかしくないことだと思います。

避難をする時当然犬も一緒に避難をしたいと考えると思いますが、その際にはさまざまな制限が生まれ、犬にとっても非常に大きなストレスがかかることが多いと思います。特に大勢の人が集まる避難所では、クレートに入って静かにしていなければならないでしょう。普段クレートに入り慣れていない犬や、飼い主と離れた経験の少ない犬はパニックになってしまったり不安感から吠えたり自傷行為を行ったりしてしまうことも少なくありません。

また、もう少し身近なことで言うと雷や花火などと年に数回聞く程度の大きな音や、いつも飼い主が在宅している犬にとっての留守番なども不安を与えることのある非日常と言えるでしょう。

犬を「非日常」に慣らしておく必要性

歯をむいて怒っている犬

災害による避難などの非日常は、飼い主である私たちですら経験したことがないものですから犬のとってはより強い不安や恐怖を感じるものでしょう。ただでさえ知らない場所に連れていかれ、飼い主も不安を感じていることが分かればそれだけで十分ストレスとなると思います。そんな中で、クレートに入れられたりつながれることがあれば尚のこと。上でも書きましたが、普段おとなしい犬も吠えたり攻撃的になることが考えられ、不安から来る自傷行為などの可能性も考えられます。

また、レジャーなどの楽しい非日常も犬にとっては恐怖や不安の要因になってしまうことも。よかれと思って連れて行ったドッグランも犬と遊び慣れていない犬にとってはどうしたらいいかわからず不安を与える可能性がありますし、川や海での水遊びも水に慣れていない犬にとっては恐怖そのものかもしれません。今後犬に経験させてみたいことがある場合は、いきなり連れて行くのではなく順を追って少しずつ慣らしておいてあげるようにしましょう。

犬を「非日常」に慣らす方法

クレートの入っているヨーキー

非日常的なことに慣らすために大切なことは、焦らずじっくりと取り組むことです。早く慣らそうと思って無理強いをしたり、突然強い刺激を与えてしまうとそのことに対して今以上に恐怖や不安を感じてトラウマになってしまうこともあります。

災害時の避難などで必須となるクレートに慣らす方法で考えると、まずは自分からクレートに興味を持ち入っていくようにクレート自体をとても魅力的なものにします。扉を開け放ち、可能であれば屋根も取って圧迫感を減らし、中には大好きなおもちゃやおやつを入れます。自分から入って行った時には大げさに喜んでほめてあげるようにして、クレートに入ったことがいいことであると覚えさせるようにします。徐々に屋根や扉をつけて、おやつなども減らしていき、それでも自分から入った場合には大好きなおやつを中に入れてあげてください。その後、扉を軽く閉めるふりをしたり、扉のロックかけて数秒中にいさせたり、犬が抵抗感を感じない程度に少しずつクレートの中にいることに慣らしましょう。

「非日常」に慣らすことで落ち着いた犬に育てよう

笑顔の茶色の小型犬(アップ)

ここでは非日常の中でも、災害時の避難などをメインに説明してきましたがもちろんそれ以外にも慣らしておくべきことはたくさんあります。子犬の社会化期に日常的なことも非日常的なこともしっかりと慣らしておくことができればベストですが、成犬になってからでも新しいものに慣れることは十分にできます。

非日常を含め、あらゆることを経験し慣れている犬というのは、自分に自信や飼い主への信頼があるためちょっとのことでは動じない落ち着いた犬になります。日頃の散歩やお出かけ、家でのコミュニケーションでも愛犬の「経験値」を増やすことを意識してみると、自然な社会化トレーニングができますよ。

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