犬の多頭飼いと一頭飼いの違い4つ
現在、私は愛犬のめいぷる、愛猫の千代という多頭多種飼いをしています。
めいぷるが三歳の時に千代を保護するまでは、一頭飼いでした。
また、家庭を持つ前は、アメリカンコッカースパニエルの母子と一緒に暮らした経験もあります。
それらの経験を踏まえて、多頭飼いと一頭飼いの違いを考えてみました。
- 費用の違い
- 時間の違い
- 信頼関係の築き方の違い
- 家族旅行の楽しみ方の違い
費用の違い
「動物を飼う」ということは、哺乳類であれ、鳥類であれ、爬虫類であれ、例え、第三者から見れば「動物」でしかなくても、その動物の飼い主となった以上、その動物は「家族」となります。
「家族」として迎え入れたなら、その動物の寿命が尽きるまで、健康を守り、人間も動物も等しく幸せに暮らしていくための努力をする責任があります。
例えば、新婚家庭に赤ちゃんが生まれたら、いろいろとお金がかかるのと同じで、「家族」が増えたら、増えた分だけ、さまざまな経費がかかってきます。
医療費
動物の医療費は、人間の医療費と違い、獣医さんの自由診療で、全て実費です。
病気やケガをしなくても、予防接種や、フィラリアやダニの予防も、健康に長生きしてもらうためには必要不可欠です。
頭数が増えた分だけ倍になるのではなく、それぞれの体質、年齢などによっても当然、費用は変わってきます。
さらに、多頭飼いをしていて、シニア犬の割合が増えてくると、それぞれ違う病気になる可能性もあります。
例えば、「心臓病の薬は一日一度」「腎臓の薬は、カプセルで一日三回」など、投薬の方法もしっかりと飼い主さんが把握し、管理しなくてはいけません。
食費
人間も家族が増えたら増えた分だけ、食費は増えます。
けれども、多頭飼いの場合、シニア犬や授乳期、成長期の子犬などが含まれている場合は、その状態に見合ったフードを与えなければいけないので、やはり一頭飼いよりもコストはかかります。
ただし、フードの購入の仕方や、品質などを吟味して節約することは出来ます。
住空間にかかる費用
犬を室内で飼う場合、その犬が誰にも邪魔されずに落ち着いていられる空間として、ケージやクレートなどを用意する必要があります。
また、室内でトイレをする習慣があるのなら、トイレトレイも、数か所設置しなければならない場合もあります。
小型犬と中型犬以上の犬を一緒に飼う場合なら、ペットシーツの大きさも同じというワケにはいかず、それぞれのサイズに見合ったペットシーツの用意が必要です。
経済的に「無理」だと思うなら、多頭飼いは諦めるべき
「家族」として犬を迎え入れたのなら、その犬は飼い主さんの子ども同然です。
もし、「お金がないから病院に連れて行けない」という状況になる可能性があるような経済状態なら、多頭飼いは諦めるべきです。
病気なのに、病院に連れて行かない、病気になる可能性があるのに予防接種も出来ない、というのは「家族」を見殺しにするのと同じことです。
自分の衣食住のレベルを落としても、「家族」の命を守れるかどうか、多頭飼いを考える前に、しっかりと経済状態を見直しましょう。
時間の違い
散歩
一頭だけの散歩だと、排泄物の処理をする時や、自転車やバイクなどが側を通る時も、一頭だけに注意を払っていれば問題ありません。
けれど、二頭以上を一緒に連れて散歩に行くと、同時に排泄するワケがないので、一頭が排泄したものを片付けている間に、もう一頭が拾い食いをするかも知れない…など、多頭飼いの飼い主さんは、かなり周りに気を配らなければならないはずです。
また、散歩の後、足を拭いたり、ブラッシングをしたりと言ったお手入れも、多頭飼いの場合は、当然、時間と手間が多くかかります。
また、一頭だけで犬を飼っている場合とは違い、「引っ張らない」「急に走らない」「飼い主さんの止まれの指示には絶対に従う」など、「散歩のルール」をしっかりと犬達にトレーニングをする必要があります。
一度に散歩に行くのではなく、何度かに分けて散歩に行く場合でも、犬が不満を感じることがないよう、連れて出る順番や散歩の長さなどを考慮しなくてはいけません。
食事
犬にどんな食事を与えるかを考える時、犬の体格、年齢、食べるスピード、嗜好、必要な栄養素などを考慮すると思います。
多頭飼いの場合、食事を準備する手間もさることながら、それぞれの犬に最適な食事を毎食きちんと与えるというのは、大変な作業です。
信頼関係の築き方の違い
飼い主さんのスキルが試される多頭飼い
「家族」であっても、「犬」は人間ではなく、独自の習性があります。
一頭飼いの飼い主さん以上に、多頭飼いをする飼い主さんは、犬の習性や犬の心理、健康面、トレーニングの仕方などを学び、飼い主さんとしてのスキルを磨くべきだと思います。
全ての犬を平等に愛せるか
一頭飼いなら、犬も飼い主さんも相思相愛状態で、お家にいる間はいつでも、犬は飼い主さんを独り占め出来ます。また、飼い主さんも、基本的な躾は必要ですが、やはり、「一人っ子」は「溺愛」しがちで、つい甘やかしてしまうこともあるでしょう。
けれども、多頭飼いだと、飼い主さんの感情に任せて「一頭だけを特別に可愛がる」ことも、「一頭だけを粗末に扱う」ことも、決してしてはならないことです。
自分が「家族」として迎え入れたすべての犬が、「自分は飼い主さんを心から愛していて、自分も飼い主さんから心から愛されている」と感じるように、心を配らなければいけません。
家族旅行の楽しみ方の違い
まだまだ少ない「多頭飼い歓迎」の宿
私は、家族で旅行に出かける際、必ず愛犬のめいぷると愛猫の千代を連れて行きます。
一緒に居られる時間は、たったの10数年、その間にいろいろな思い出を作りたいと考えているからですが、最近、宿探しに困ることが多くなってきました。
というのも、「猫」が泊まれる宿が極端に少ないからです。
そうして、宿探しに苦労していると、「小型犬一匹のみ」「中型犬まで一匹のみ受け入れます」と言った文言をよく目にするようになりました。
小型犬二頭までなら…という宿もありますが、それ以上になるとなかなか見つけにくいのでは?と感じています。
多頭飼いだからこそ楽しめる旅もある!
宿に止まれなくても、キャンプなら可能ですし、思い切って、キャンピングカーを購入して、誰にも気兼ねなく旅をすることも出来ます。
もし、一頭飼いなら「キャンピングカーを買おう!」というふんぎりがつけられなくても、「犬達を一緒に旅をしたい!」という想いを抱かせて、「キャンピングカーを買う」という実行に移せるのは、やはり、愛犬達への愛情ゆえだと思います。
たくさんの愛犬に囲まれて、自由気ままに日本中を旅をするなんて、とっても素敵なライフスタイルですよね。
まとめ
一頭飼いでも、多頭飼いでも、一番大切なのは犬達が「自分は飼い主さんから愛されていて、幸せだ」と感じているかどうか、ではないでしょうか。多頭飼いの場合は、犬同士で上下関係を決めると言われていますが、その関係性は「飼い主さんからの愛情を分配した量」で決めているのではありません。自分の子どもを愛するように、一頭飼いであろうと、多頭飼いであろうと、「家族」として迎え入れた愛犬達へ、無尽蔵の愛情を与えてあげて欲しいと思います。