怖がりとは?
犬は元々警戒心が強い生き物ですが、その警戒心が次第に恐怖心に変わっていく事で「怖がり」になってしまいます。
「怖がり」=「強い警戒心」という意味ではその犬に問題があるというわけではありませんが、穏やかな気持ちで生活をさせてあげる為には恐怖心を解いてあげる必要があります。
また、怖がりが発端となり問題行動に繋がるリスクもありますので、飼い主はその事も踏まえた上で愛犬と向き合いましょう。
犬の恐怖症
一概に怖がりと言っても、その程度は軽度から重度まで様々ですが、以下に代表的な恐怖を感じる対象を上げます。
- 知らない人や犬
- 大きな音や振動
- 初めての場所
- 自動車やバイク等
その他にもあらゆる状況が考えられます。
恐怖症の症状
犬は自身の感情を「ボディランゲージ」で表現する生き物ですが、その中でも「カーミングシグナル」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
カーミングシグナルとは、「Calming」落ち着かせる、「Signal」信号、の名の通り自身や相手を落ち着かせたい時の表現です。
軽度の恐怖症であれば、あくびをしたり、片方の前足を上げたり、そっぽを向いたりといったカーミングシグナルが現れる程度ですが、飼い主がその状態に気が付く事が出来ず重度の恐怖症になってしまうと、
- 尿失禁、便失禁
- よだれが止まらなくなる
- 体が硬直する
- 嘔吐、下痢
上記の様な症状が現れます。
恐怖症が発端となって発生する問題行動
重度の恐怖症となると、恐怖を感じる状況下における犬の心理状態は常に限界状態になります。
その限界状態で、さらにマイナス要因が加わった時に、攻撃行動を起こす犬は珍しくありません。
多くの飼い主は、攻撃行動が発生したこの時点で「愛犬が問題行動を起こした」と必死で解決策を探そうとしますが、限界状態を超えてしまってから改善する事は容易な事ではありません。
限界状態を超えてしまう前に、穏やかな気持ちでいる事が出来る様に導いてあげる事が最善です。
子犬の性格形成に重要な社会化期
社会化期、愛犬家の皆さんにはお馴染みの事だと思いますが、これから初めて犬を迎え入れる方はあまり聞いたことがない言葉かと思います。
社会化期とは、犬が将来経験すると思われる様々な状況に慣らし「順応性」を高めるのに適した時期で、第一次社会化期は生後4週齢頃~13週齢頃とされています。
その中でも、最も適している時期は6週齢頃~8週齢頃であると考えられています。
その後の13週齢頃~14ヶ月頃が第二次社会化期とされていて、社会化の総仕上げの時期になります。
ここでポイントになるのが、生後6ヶ月頃~14ヶ月頃の間に「第二次恐怖期」というものが3週間程訪れるとされています。
実は、生後8週齢頃~11週齢頃に第一次恐怖期が訪れているのですが、この時期は怖い思いをさせないよう安静に過ごしている事で乗り越える事が出来ます。
しかし第二次恐怖期はそうはいきません。この期間は様々な刺激に対して敏感になる時期ですので愛犬をよく観察し、怖がっている素振りを見せた際にはトリーツ等を与え緊張を緩和してあげましょう。
恐怖心を増長させない飼い主になる
可愛い愛犬が怖がっている時、あなたならどうしますか?
多くの飼い主に見受けられるのは「恐怖心に寄り添う」という行動です。
愛犬の恐怖心に寄り添うという行動は一見すると、愛犬に愛情を注ぐ微笑ましい行動に見えるのですが、大半の場合が恐怖心を増長させているだけに過ぎないのです。
愛犬を恐怖心から守る為には、飼い主は毅然たる態度で何事もなかったかの様に振る舞う必要があります。
そうする事で愛犬に安心感を与え、恐怖心から脱する手助けになるのです。
まとめ
この記事を読んでくださっている方の愛犬が社会化期の真っ只中であれば、知識をしっかりと持っていただき、愛犬を怖がりにしない様に導いてあげてください。
すでに成犬で恐怖症の症状が現れている場合は、症状を悪化させてしまう前に専門家に相談しましょう。
ドギーホームルームでは、メールによる相談も受け付けておりますので、是非一度ご相談ください。