ドッグトレーナーの仕事とは
犬に対して、人間や他の犬(猫などの他の動物とも)と一緒に暮らすうえでのルールを教えてトレーニングをする仕事です。
犬をトレーニングする仕事というと、警察犬訓練士や盲導犬、介助犬などワーキングドッグを訓練する仕事も挙げられますが、ドッグトレーナーという場合は大抵が家庭犬のしつけトレーニングを専門にする場合が多いです。
近年のペットブームでペット可の賃貸住宅が増えたため、都市部を中心に犬に対する「しつけ」が見直されています。各地で犬のしつけ教室なども盛んに開催されており、そういった場所で講師を行うことも多いようですね。またペットショップに就職し販売前の子犬の世話やしつけを行ったり、販売する際に飼い主へ初歩的なしつけのアドバイスなどをすることもあります。
ドッグトレーナーの役割
各所で活躍するドッグトレーナーですが、このお仕事の役割は大きく分けて3つあります。
- 犬に人と暮らすためのルールやマナーを教えること
- 人に犬と暮らすためのルールやマナーを教えること
- 人と犬のお互いが信頼関係を築く手伝いをすること
犬に人と暮らすためのルールやマナーを教えること
犬は人とは種族も習性も全く異なる動物です。言葉も通じないため、放っておいても人が決めたルールなどに従うことはまずありません。しかし共同生活を送るうえでこれでは困ります。
そのため人は犬に対して生活するうえでのルールを教えるわけですが、言葉も習性も違う生き物同士ではなかなかうまく伝えることが出来ません。ドッグトレーナーは犬の習性を熟知し、それを利用しながら犬に人との生活のルールを教えるプロです。
トイレのしつけから噛まないしつけ、無駄吠えをしないしつけに家具を破壊しないしつけ。呼んだら近くに来るしつけ、お留守番が出来るようになるしつけ。人間と共に暮らすための、さまざまなルールを根気よく教えていくのです。
人に犬と暮らすためのルールやマナーを教えること
ドッグトレーナーの仕事は、犬に対してのみのものではありません。犬の健康や習性、食事管理など、犬と暮らすうえで必要な情報を飼い主に教えるのも仕事のひとつです。
初めて犬を飼う場合、犬の飼い方やしつけの本などで勉強したとしてもうまくいかないことも多々あります。犬はロボットではなく、個体によって性格も違えば癖などもあります。あの犬では効果があったトレーニング方法でも、うちの犬には効果が無いかもしれません。ちっともマニュアル通りに行かないのが当たり前ではあるのですが、それで悩んでしまってしつけを放棄してしまう飼い主さんがいては犬にとっても人間社会で暮らしていけず困ってしまいます。
ドッグトレーナーは豊富な経験と犬に対する知識をもって適切なタイミングのしつけ方法を飼い主さんへ伝え、飼い主さんが犬と一緒に暮らせるように「人」をトレーニングする役割も持っているのです。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬のトレーニングはドッグトレーナーだけではなく飼い主様自身が行わなければうまくいきません。飼い主様に適切なトレーニングを行ってもらうためにもドッグトレーナーの伝え方がとても重要となります。
そのため、ドッグトレーナーは犬のことだけではなく飼い主様への伝え方なども学んでいます。
人と犬のお互いが信頼関係を築く手伝いをすること
いまや五軒の家庭があればそのうち一軒、二軒は犬を飼っている時代となりました。しかも昔の様に庭で外飼いをするのではなく、小型犬の流行からも室内飼いの犬が急増しています。
お互いにストレスなく、良い状態で共同生活をしていくには、人と犬の信頼関係が重要となります。ドッグトレーナーは犬の個性や飼い主の事情を把握し、犬が喜んで飼い主の指示に従える環境作りや、人が適切に犬に接していける知識や方法などを通して、お互いの信頼関係の構築を助ける重要な役割を持っているのです。
まとめ
犬のしつけというと犬に対しての職業のように聞こえますが、ドッグトレーナーは人に対しても働きかけ、両者が気持ちよく生活できる手助けを行うんですね。これからも日本はペットブームが続くと思われますので、ドッグトレーナーのお仕事は更に重要度が増していくでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
ドッグトレーナーの活動によって犬のしつけをしっかり行える飼い主様が増えていけば犬の飼育放棄、殺処分の減少に繋がります。
辛い思いをするワンちゃんを少しでも減らしていこうとする上でドッグトレーナーはとても重要な役割も担っているのです。