ドッグショーとは?
犬の姿や形を審査する品評会のことであり、それぞれの犬種に理想とする姿や形があり、理想に最も近い犬を評価することが目的であるとされています。
世界各国で行われていますが、イギリスのクラフト展やアメリカのウェストミンスター展は大変有名なドッグショーであり、参加者も見学者もとても多いです。
日本ではどんなドッグショーが開催されているの?
日本では、JKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)及び傘下のクラブが開催しているドッグショーを含め、一年間に300回以上ものドッグショーが全国各地で開催されています。
国内最大規模のドッグショーには「FCIジャパンインターナショナルドッグショー」がありますが、JKCの本部が総力をあげて開催しているドッグショーであり、毎年1回、春に行われています。
審査されるポイント
それぞれの犬種に理想像を定めた文書があり、専門用語では「犬種標準(スタンダード)」と言います。ドッグショーでは犬種標準が審査の基準であり、犬種標準は優良な犬を保存するための、とても重要な資料です。
犬種標準は、その犬の「姿形」「能力」「性質」などを保存するために定められています。ドッグショーは、犬種標準に近い犬を評価することが目的ですが、その犬のブリーダーに対しての評価もあり、繁殖の正しさを賞賛するという役割もあります。
純粋犬種には犬種ごとに理想とされているスタンダードがあり、次の6つのポイントによって審査されます。
タイプ
犬種ごとの特色。スタンダードの本質が色濃く出ているかを審査します。
クオリティー
タイプで審査された特色の、「充実度」や「洗練度」が審査されます。
コンディション
犬の当日の健康状態や精神状態の調整を審査されます。
サウンドネス
肉体的にも精神的にも健康な状態であるかどうか審査されます。
バランス
全体の調和、その犬全体の魅力が審査されます。
キャラクター
ひときわ目立つような魅力を持っているかどうか審査されます。
審査の流れ
ドッグショーの審査の流れは、規模によってシステムが異なる場合がありますが、基本的にはトーナメント方式で行われ、最優秀とされるベストインショーまではオス・メス別に審査されます。
クラスの分け方
まず初めに、「犬種別」「オス・メス」に分かれます。
次に「年齢別(ジュニア・ヤングアダルト・アダルト)」に分かれます。
- ジュニア(生後9カ月1日以上15カ月以下)
- ヤングアダルト(生後15カ月1日以上24カ月以下)
- アダルト(生後24カ月以上)
それぞれのクラスに分けられた後、次のような審査を行っていきます。
①ブリード(犬種)審査
最初に行われる審査は「ブリード(犬種)」審査で、年齢のクラス別に「個体審査」と「歩様審査」が行われます。
- 個体審査・・・見た目や感触、骨格や体形、毛並みなどのバランスを見て、犬種の特徴に準じているかを審査する
- 歩様審査・・・リング(審査会場)内を歩かせて、歩き方やハンドラ―のコントロール技術等を審査する
2つの審査後、その中から代表となる犬をオス・メスそれぞれ1頭ずつ選び、次のような称号が与えられます。
- オス・・・ウイナーズドッグ(WD)
- メス・・・ウイナーズビッチ(WB)
そして、その後チャンピオンの資格を持つ犬と一緒に審査され、各犬種の代表となる「ベストオブブリード(BOB)」が決まります。
②BOB(ベスト・オブ・ブリード)
BOBは犬種の中でNo1のオス・メスの犬を決める審査です。犬種の中で1番になった犬は、BIGに進みます。
BIG(ベスト・イン・グループ)
JKCが定めたグループ(愛玩犬や牧羊犬などの括り)の毎に、No1の犬が選出されます。BIGで1番になった犬は、KING / QUEENの審査に進みます。
③KING / QUEEN
BIGの中から、オス・メス別にグループを代表する犬が登場して、その中でオス・メスそれぞれの最優秀犬が選ばれます。オスのナンバーワンは「KING (キング)」、メスのナンバーワンは「QUEEN (クイーン)」と呼ばれます。
④BIS(ベスト・イン・ショー)
最後の審査は、「BIS (ベスト・イン・ショー)」を決める審査です。キングとクイーンに選ばれた2頭のうち、どちらかがドッグショーの最高栄誉であるベストインショーに選ばれます。
その日に行われたドッグショーでの最優秀犬ということです。
見学する際のマナー
写真やビデオの撮影は可能ですが、許可なく商品または報酬を目的とした撮影をすることはできません。
犬の正面からストロボを使用して撮影することは厳禁です。審査中のリング内に入り、撮影することは厳禁です。特定の犬を撮影する際には、参加者や飼い主に一言声をかけるようにしましょう。
撮影した写真やビデオをインターネット上に掲載する際は、飼い主や所有者に了解を得ましょう。
愛犬と同伴される場合は、指定されたゲートから入場しましょう。施設の一部を借りて開催されている場合、会場以外の施設内や道路や飲食店へ犬を連れて移動することはできません。また健康上の危惧のある犬を連れて入場することはできません。(発情中・皮膚病など)
まとめ
ドッグショーは何のために行われているのか、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
また、美しさを競うためでもなく、勝ち負けを競うためでもありません。ですので、賞金が出ることもありません。
世界に産まれた多種多様な犬種を、健康でより長く保てるよう、今後の繁殖に活かす事を目的に、審査や評価を行う場と言う事を知って頂けるとうれしいです。