①過去のことを叱る
犬に伝わらなくて困ることと言うとやはり叱る時が多いのではないでしょうか?犬がいたずらをした時やしてほしくないことをした時、飼い主は叱っているつもりでも犬の行動が全く改善されないということは少なくありません。それは犬の理解力が低いということや指示や指導に従わないということではなくこちらの言いたいことが「正確に伝わっていない」のかもしれません。
特に「伝わらない叱り方」として多く見られるのが過去にあったことを叱るというもの。例えば、飼い主の留守中にしてしまったいたずらやトイレの失敗を帰宅後に叱っても犬はなぜ叱られているのかわからないことが多いのです。もちろん飼い主が怒っているということ、自分が
叱られているという事実は分かるのですが、何に対して叱っているかが分からない。または飼い主の帰宅時にしていたことを叱られていると勘違いをして誤学習してしまうしまうこともあります。犬にきちんと理解させる叱り方は“現行犯”であることが基本です。
②話し方に抑揚がない
当たり前のことですが、犬には人間の言葉は通じません。「おすわり」「待て」「ごはん」にような指示や犬に深く関係する短い単語であればトレーニングや日々の中で覚えていくことはできますが、人間同士がする会話のようなつながった言葉はなかなか理解することができません。
そのため、犬をほめたり叱ったりというようにこちらの感情を伝えるには犬にも分かりやすいよう声の大きさや高さ、抑揚、ボディランゲージなどが非常に重要な要素になります。むしろ犬は人間の言葉そのものではなく、話している時の雰囲気を読み取って大まかなことを察していることの方が多いと考えられています。日本人は会話の時に比較的アクションが少なく、冷静な分感情が伝わりにくいとされています。特にほめることが苦手なので言葉でほめているつもりでも、犬にとってはほめられているようには感じないことが多く見られます。犬にこちらの感情を伝えるときは恥ずかしさを捨て、声に抑揚をつけてオーバーアクションでポイントです。
③指示に一貫性がない
犬は言語自体を理解するのがむずかしいと書きましたが、それ以外にも人間のような臨機応変な対応や理解というものが苦手です。そのため、何らかの都合でいつもと言っていることが違ったり、別の行動を指示されたりすると非常に困惑しますし、理解できないことも少なくありません。例えば、いつもは飛びつくことを禁止されていないのに「今日は汚れたくない服だからだめ」「遊びに来るおじいちゃんにだけはだめ」のように特定の条件の下で指示が変わってしまうと犬には理解できず従えないこともあると思います。飼い主は普段とは違う言動をする背景や理由がわかっていますが、犬がそういった事情を理解するということは到底不可能です。
まとめ
犬が人間社会の中で生きるためには、どうしてもさまざまなことを覚えてる必要があり、指示に従ってもらわなければならない場面も多く出てくると思います。犬へのしつけやトレーニングは今後一緒に生活をしていく上で愛犬の健康や命、快適な生活を守るために必要なことですが極端に言うと野生であれば必要のないことばかりでしょう。
ある意味人間の都合に合わせてしつけやトレーニングをし、犬に付き合ってもらっている側面があるのですか犬の負担が増えないように気持ちに寄り添い、できるだけ分かりやすい伝え方をしてコミュニケーションを取るように私たち人間が工夫をしてあげなくてはいけないと思います。その工夫ができるのは一緒に暮らし、愛犬のことを最も理解している飼い主だけ。愛犬に伝わりやすいコミュニケーションをぜひ模索してみてくださいね。