犬とベッドで一緒に寝る際に気を付けるポイント
愛犬の温もりを感じながら眠りたいと思っている飼い主さん、すでに愛犬とベッドで一緒に寝るのが習慣になっている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
また、飼い主さんのにおいのするベッドが安心する、離れたくない、温かいなどの理由から、飼い主さんと一緒に寝たがる犬もいます。特に、子犬や甘えん坊な性格の犬はその傾向が強いようです。
愛犬とベッドで一緒に寝ることは、絆を深めるなどのメリットがある一方で、デメリットもあるため、一緒に寝ることは良いとも悪いとも言い切れません。ですから、愛犬とベッドで一緒に寝るかどうかは、飼い主さんが選択することになります。
もし愛犬とベッドで一緒に寝ることを選んだ場合には、気を付けるべきポイントがあります。ここからは、気をつけたい6つのことをご紹介します。
①トイレのしつけができてから
愛犬と一緒に寝るためには、トイレのしつけを済ませておく必要があります。犬は、柔らかいところで排泄する習性があり、ふわふわのベッドをトイレと勘違いしてしまうことがあります。
ベッドに排泄されてしまうと、後始末などで飼い主さんのストレスになりますし、粗相が気になって寝ることができなくなってしまうことも。愛犬と一緒に寝るのは、トイレトレーニングがしっかりできてからにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
ベッドをトイレの場所だと勘違いしてしまうと、それを改善するまでにはかなりの手間や時間を要します。
この先ずっとベッドで一緒に寝るためには、まずはしっかりとトイレを覚えてもらうことが必須です。
②衛生面に気をつける
愛犬と一緒に寝ることで、パスツレラ症や皮膚糸状菌症、レプトスピラ症など動物から人へうつる可能性がある動物由来感染症に感染するリスクが高まると言われています。
また、散歩中についてしまったノミやダ二をベッドに持ち込む可能性もあるため、愛犬とベッドで一緒に寝る場合は、飼い主さんが衛生面に十分気をつける必要があります。
寝具の清潔を保つ
愛犬とベッドで一緒に寝る場合、寝具はこまめに洗って清潔を保つようにしましょう。また、寝具についた犬の毛が原因で排水管が詰まって洗濯機の故障に繋がる場合もあるため、洗濯前にコロコロなどで毛を取り除くのがおすすめ。
また、散歩の後は汚れた体や足を拭くなどして、愛犬の清潔も保つように心がけましょう。
こまめにブラッシングをする
ベッドに愛犬の毛がたくさん付着してしまうと、睡眠中に細かい毛を吸い込んでしまい、アレルギーを引き起こしてしまうことも。愛犬のブラッシングはこまめに行いましょう。
ノミ・ダニの予防をする
ノミやダニは、皮膚炎を起こすばかりではなく、病原体を媒介することもあります。愛犬と飼い主さんの健康のために、定期的なシャンプーや予防薬の投与などでしっかりノミ・ダニの予防をしっかり行いましょう。
③事故に気をつける
愛犬とベッドで一緒に寝る場合、事故のリスク考えられるため、事故を予防するための対策が必要です。
落下事故への対策
ベッドは床からの高さがあるため、寝ている間に愛犬が落下するとケガをする危険があります。特に小型犬の場合は、骨折などの大きなケガにつながりかねません。
ベッドに落下防止の柵つけたり、思い切って布団や低いベッドに替えるというのもひとつの方法です。
飼い主の寝返りによる事故への対策
飼い主さんが寝返りを打ったときに、愛犬を下敷きにしてしまうかもしれません。ケガだけならまだしも、最悪の場合は圧死させてしまうこともありえます。
小型犬や子犬は特に危険です。愛犬と一緒に寝るベッドは、十分な広さのものにしましょう。
誤飲事故への対策
愛犬とベッドで一緒に寝るということは、家の中を自由に歩き回れるということです。飼い主さんが寝ている間に家の中を歩き回り、何かを誤飲してしまう可能性もあります。
誤飲する危険があるものは、愛犬の届かないところに片付ける習慣をつけましょう。
特にキッチン周りは犬にとって魅力的でもあり危険な場所です。犬にとって危険な食べ物を口にすることがないように、部屋の扉をきちんと閉める、犬用のゲートを設置するなどして、犬の行動範囲を制限すると安心です。
④犬の足腰に負担をかけないようにする
ベッドに飛び乗ったり降りたりすることは、愛犬の足腰に負担をかけます。毎日行えば、足腰を痛めてしまうこともあります。
足腰への負担を軽減するために、スロープやステップを設置するか、布団で寝るようにしましょう。
⑤ハウスでも寝られるようにする
愛犬と一緒に寝ることが習慣になると、「分離不安症」になる場合や、ケージやクレートに入れられることを拒否するようになることがあります。
そうなってしまうと、病院で入院するときやペットホテルに預けるとき、災害時に避難する時などに困ったことになります。ですから、ケージやクレートなどのハウスでも寝られるようにしつけをする必要があります。
普段の生活の中でハウスで過ごす時間を作り、ハウスが愛犬にとって安心して過ごせる場所になるように慣らしていきましょう。時々ハウスで寝る日も作るなどして、飼い主さんと一緒のベッドでなくても寝られるようにすることも大切です。
監修ドッグトレーナーによる補足
ハウスを教える時は、飼い主さんの寝室やベッドの近くにケージなどを置いてもかまいません。
犬がハウスの中で落ち着いて過ごせるようになることが重要です。家の中で犬が落ち着ける場所を探してハウスを設置しましょう。
⑥ベッドを縄張りだと思わせないようにする
愛犬が飼い主さんのベッドで寝ているうちに、誰かがベッドに近づくと唸ったり噛みつくとなどの行動が見られるようになることがあります。このような問題が生じる大きな原因として、安心して落ち着ける愛犬専用の寝床がないことが挙げられます。
飼い主さんのベッドが愛犬の唯一の安心できる寝床になっているために、そこを自分の縄張りだと思ってしまい守ろうとして攻撃するのです。
そうならないためにも、ハウスを用意し、そこで寝られるように慣らしましょう。また、飼い主さんの「おりて」や「どいて」のコマンドで愛犬がベッドから降りられるようにトレーニングすることも大切です。
まとめ
愛犬とベッドで一緒に寝るかどうかは飼い主さん次第です。ただし、愛犬と一緒に寝ることには、感染症や事故のリスクが伴うといったデメリットがあることも忘れてはいけません。
愛犬とベッドで一緒に寝る場合は、今回紹介したポイントに注意し、お互いに安心して眠れるようにしてくださいね。きっと、愛犬との絆が深まっていきますよ。