犬が不快に感じる物事①過剰なスキンシップ
犬は飼い主とのスキンシップで愛情や喜びを感じると思われていますが、触れ合えば何でもいいというわけではありません。犬にもスキンシップを取りたくないタイミングや気分がありますし、スキンシップの方法によっては不快、苦痛に感じてしまうこともあるということを知りましょう。
特に正面から強く抱きしめたり、顔や頭を強引になでたりする、足先やしっぽを触られることに対して不快に感じる犬は多いので不必要にはしないようにしましょう。また、唐突なスキンシップというのも犬が嫌がることがあるでしょう。寝ている時に急に体に触れたり、子供がドタバタと走ってきて乱暴に触ったりすることはとても不快に感じます。触る前には優しく声をかけるようにしたり、静かにそばに寄りそうにするようにすれば犬も驚かず、きちんと受け入れることができると思います。
また、スキンシップが大好きな犬ももともとあまり好きではない犬もいます。自分の犬がたくさん触られることがもともと好きではない場合には、犬の意思を尊重し飼い主の欲求だけでベタベタ触れ合うことはやめてあげましょう。
ただし、犬が喜ばないスキンシップをしないであげることと、犬が嫌がるからと犬の体で飼い主が触れない部分があることとは違います。必要であれば体のどの部分でも飼い主は触ることができる信頼関係を結んだ上で、犬の意思を尊重したスキンシップをとってあげましょう。
犬が不快に感じる物事②大きな音や高い音
多くの犬は人間と同じように極端に大きな音や金属音のような甲高い音を不快に感じます。例えば雷や太鼓、爆竹、運動会などで使われるピストルの発砲音などは不快を通り越して恐怖を感じる対象になります。人間がそのような音に恐怖を感じないのは、その音がなぜ鳴るのかが分かっていて、鳴ることを予測することも出来るからです。よって、私たち人間でもそういった大きな音が突然訳も分からずに鳴った場合にはびっくりしたり怖いと感じることがあると思いますが、その音の正体が理解できずいつ鳴りやむかもわからない犬にとってその恐怖はより強いものになります。
また、カンカン、キンキンとしたような甲高い音は犬にとっても非常に不快な音。工事現場の音などにストレスを感じる人は多いと思いますが、犬も同様に不快に感じてストレスとなります。その傾向は犬のトレーニングなどにも応用されていて、いけないことをした時にコインを入れた空き缶を鳴らすなど罰として使われることもあるほどです。
犬が不快に感じる物事③一貫性のない態度
しつけがうまくいかなくなってしまう原因のひとつでもあるのですが、時と場合によって言うことが変わったり、矛盾した指示を出したりすると犬はとても混乱します。混乱するばかりでなく、そういった一貫性のない態度を取る飼い主に対して不快感を感じたり、不信感を持つようになったりするので十分注意しましょう。
例えば、飼い主が帰宅した時に喜んで飛びつく癖がある犬がいて普段であれば飼い主もそれに応えてなでてかまってあげるのが習慣になっている犬の場合、きれいな服を着ている時だけは飛びつきを叱ったり制止したりすると犬はとっても困惑します。人間としては特別な事情があって態度や指示を変えたくなる時もあると思いますが、言葉が伝わらない犬にとってそういった一貫性のない態度は不安や不快感を感じる要因のひとつです。全てにおいて一貫した態度を取り続けることはむずかしいかもしれませんが、できるだけ犬に不快感を感じさせないよう日頃から飼い主自身の言動には注意するようにしましょう。また、一人の人間の言動には一貫性があっても、家族のメンバーによって一貫性のない指示を出す場合にも犬は混乱します。おやつや食事、犬との遊びなどには、家族全員で一貫したルールを守りましょう。
まとめ
愛犬を幸せにするためには、不快な思いをさせないことがとても大切です。もちろんここに挙げたことでも不快に感じない犬もいますし、ここで挙げていないことに対して強く不快感を感じる犬もいます。愛犬が何を好んで喜ぶかということだけでなく、何に対して不快に感じるかということを知ることも非常に大切です。
また最後に、犬が不快に感じることとしてあえて挙げませんでしたが「体罰」は言うまでもなく犬を不快にし、苦痛を与え、不幸にすることです。たとえ犬に対して人間側が不快に感じることがあったとしても、体罰を与えることは決して許されることではありません。