犬が吠える理由は2つある
犬が吠える理由は非常に多様なのですが、大きく2つに分類することができます。
要求
1つ目は要求です。空腹や退屈などの不満を抱えている際に飼い主を呼び出して、ごはんや散歩などを要求する吠え方のことをいいます。吠え方は「ワンワン」、「キャンキャン」、「クーンクーン」のように高い声を出すのが特徴です。また吠える際には、飼い主の目をじっと見て訴えかけるような表情をしたり、尻尾を激しく振ったりします。
警戒
2つ目は警戒です。家に宅配便の配達員が来たときや、散歩中に他の犬とすれ違ったときなど、自らの身に危険が生じかねない場合の吠え方のことをいいます。また大きな音がして驚いた際やストレスが溜まっている場合のように、明確な敵となる対象がいない場合でも警戒吠えをすることがあります。吠え方は、激しく「ワンワン」と吠えたり、低い声で「ウー」や「グルル」とうなったりなど、激しさと低い声が特徴的です。そして多くの場合、歯をむき出して、耳を動かすといった仕草が伴います。
何かを伝えたくて犬は吠えている
以上のように犬が吠える理由には「要求」と「警戒」という異なる2つのものがあるのですが、共通しているのは何か伝えたいことがあるということです。何もないのに犬が吠えることはありません。犬が吠えていたら、「どうしたのかな?」と興味関心を持ってあげることが大切です。
犬が吠えないようにする方法とは?
できる限り犬の気持ちを汲み取ってあげたいところですが、人間社会においては犬の吠え声も騒音になってしまうことがあります。それでは犬が吠えないようにするためにはどのような方法があるのでしょうか。
要求吠えへの対処法
要求吠えの場合、犬が抱えている不満を満たしてあげれば吠えなくなります。お腹を空かしている場合はごはんを与え、散歩に行きたがっているときには散歩に連れていき、寂しがっているなら一緒に遊んであげます。犬がどのような不満を抱えているのかハッキリとしない場合は、とりあえず思い当たることを順番にやってあげましょう。
無視をする
また反対に、「無視」が効果的であることもあります。犬の欲求に対してあまりに忠実であると、犬は何でもしてもらえると判断してしまうためです。特に子犬の内から無視を行うと自然と学んでいくため有効である場合があります。
ただし成犬に対していきなり無視するのは、混乱してしまう可能性があるため、あまり得策ではありません。犬が要求をするようになるのは今までの飼い主の行動が大きく関係しています。例えば、まだ子犬だった頃にかわいいという理由でついエサを多く与えてしまうなどです。
このような経験は、たとえ飼い主が意識的でなかったとしても、犬としては「困った時は要求すべきなんだな」という躾として解釈している場合があります。つまり犬は正しい行いとして要求している可能性があるということです。正しい行いを無視されてしまえば犬はどうすることもできず不安になってしまうでしょう。
そのため、いきなり無視をするのではなく、エサの量を少なくするというように、段階を踏むことが大切です。
警戒吠えへの対処法
警戒吠えについては、犬が警戒する原因となるものを取り除くのが効果的です。例えば、家にいるときは配達員や他の犬などが視界に入らないようにする、散歩をする際は人通りの少ない場所や時間帯を選ぶといった方法があります。
原因を完全に取り除くことができない場合は、犬に慣れさせることが大切です。また慣れさせる際には徐々に慣れさせるようにしましょう。例えば他の犬に対して吠えることをやめさせたい場合に、いきなり知らない犬がたくさんいるところに連れていくのではなく、1対1でゆっくりと挨拶をさせるような形から行うのがベストです。
まとめ
犬は本来吠えるのが自然です。飼い主の中には、吠えることのない賢い犬に育て上げたいという人もいるかもしれません。確かにそれは飼い主にとっては良いことですが、犬にとってはストレスとなることもあります。そのため、無理に吠えさせないようにするのではなく、吠えを犬とのコミュニケーションとして活用してみましょう。吠えるということは飼い主に対して何か伝えたいことがあるのですから、それは飼い主にとっては幸せなことなのかもしれません。