「タテ」とはどんなコマンド?
まず、「コマンド」とは、「飼い主の指示を示す言葉」で、犬と人とのコニュニケーションを
円滑にする言葉のようなモノです。
「タテ」とは、犬が座っていたり、伏せている状態の時に立たせたい時に使います。
「タテ」を覚えるメリット
お尻が汚れるのを防げる
例えば、愛犬が外でしかトイレが出来ない…というタイプなら、天気に関わらず、外に出なければいけません。雨が降っていたら、レインコートを着せて、体が濡れないようにしても、どうしても足先やお腹は濡れてしまいます。そのうえ、道路にペタンとお尻を付けて「オスワリ」をしてしまったら、お尻も雨水や泥で汚れてしまい、後始末が大変です。
特に、長毛の大型犬だとなおさら飼い主さんの手間は大きくなります。
そんな時、散歩の途中、例えば、横断歩道で信号待ちをしなければならなくなったとき、愛犬が「どっこいしょ」と座ろうとしたら、「タテ」と指示を出しせば、お尻が汚れるのを防ぐことが出来ます。
お尻の手入れをする時に役立つ
長毛の犬は、まれに排泄物がお尻付近の毛についてしまう時があります。
そんな時に、「タテ」と指示を出して、愛犬の行動を制御できれば、お尻付近をキレイにする時に便利です。
また、トリミングに行ったり、獣医さんでもお願いすると絞ってくれる「肛門腺絞り」ですが、コツと正しいやり方を覚えれば、飼い主さんでも、「肛門腺絞り」が出来るようになります。この時に、「タテ」の指示を覚えていれば作業を手早く進めることが出来ます。
「タテ」のトレーニング方法
「タテ」のトレーニングは、「マテ」「ヨシ」「オスワリ」「フセ」など、基本的なことが出来ていることが前提です。
4本足で立つことを教える
まず、「タテ」とは、どんな状態であるかを教えます。
犬が自然に立っている時に、「タテ」とはっきりと声を出して、おやつを犬の鼻先あたりに示し、「マテ」と指示を出します。
もし、この時にしっかりと4本足で立たず、座ろうとしたり、動こうとしたら空いている手で犬の体をお腹の下から支えて、立たせるように補助してください。
そして、しっかりと4本足で立たせて、2~3秒静止させた後、「ヨシ」と指示を出し、「タテ」の指示から解放します。
指示はいつも同じ言葉で
他のコマンドでも言えることですが、犬への指示は常に同じ言葉を使いましょう。
利口な犬なら、指示を出す相手や言葉が違っていても、人間の意志をくみ取ることが出来るかも知れません。
例えば、家族の中でお父さん、お母さんは「コイ」と言い、子供が「オイデ」と指示を出しても、きちんと聞き分けられるコもいるでしょう。
犬は、人間の言葉を200以上も理解できる、と言う研究結果もあるほどたくさんの言葉を理解できる能力があります。
とはいえ、犬に人間からの指示に従うようにトレーニングする時は、たくさんの言葉が同じ意味を持つことを理解させるよりも、一つの指示に対して一つの言葉で指示を出して教える方がずっと早く効率的です。
おやつを上手に使う
飼い主さんの指示に従えたら、即座にご褒美を与えます。
ドライフードを一粒だけで十分効果があります。
一日の食事量の10パーセント未満の量とカロリーを超えないように、ご褒美の量を調整しましょう。
出来たら褒める
犬にとってのご褒美は、おやつだけではありません。
愛犬が、心から飼い主さんを信頼し、愛しているなら、飼い主さんが自分を見て笑顔になっている、飼い主さんが喜んでいる声を聞くこと、自分の行動を見て喜んでいる飼い主さんを見ることが何よりも好きなはずです。
愛犬が飼い主さんの指示に従い、しっかりと「タテ」の状態を数秒キープ出来たなら、大きな声ではっきりと愛犬を褒めてあげましょう。
トレーニングは毎日、短時間で
犬のトレーニングは、犬がトレーニングを苦痛に感じないように、短時間で行います。
例えば、食事の前に「マテ」「ヨシ」、散歩の途中で「コイ」など、長い時間を取らなくても継続して毎日、短時間で行えば、特別に時間を割く必要はありません。
「タテ」のトレーニングだと、散歩の途中でも出来ますし、食事の前に「オスワリ」をさせてから「タテ」→「マテ」→「ヨシ」と言った流れで行うことが出来ます。
まとめ
愛犬が「オスワリ」「マテ」「コイ」「フセ」「タテ」など飼い主さんの指示に、どんな状況の時でも従うようになれば、事故を防ぐことも出来ますし、電車やバスなどの公共の乗り物なども利用しやすくなります。また、愛犬の行動をいつでも制御できれば、人出の多い観光地などに一緒に連れて行くことも出来ます。まずは「タテ」が出来るようにトレーニングを成功させて、さらに進んだコマンドに挑戦してみてはいかがでしょうか?