犬についたダニの取り方
犬の体に血を吸って大きくなったダニが付いていたら、びっくりするかと思います。イボぐらいの大きさだから簡単に取れるかと思うかもしれませんが、血を吸ったダニを無理やり剥がすのはとても危険です。
マダニの唾液はアレルギーを引き起こしたり、感染症にかかってしまったりするので、そのまま放置をするのはやめましょう。
動物病院で診てもらうのが一番確実ですが、すぐに行けない時のために、自宅でダニを取る方法を紹介します。
歩いているマダニはガムテープで取る
マダニは被毛の上を歩き、吸血に最適な場所を探し歩きます。もしまだ犬の血を吸っていない動き回っているマダニを見つけた場合は、ガムテープなどの粘着テープに貼り付けて取って、粘着面で挟んで捨ててしまいましょう。犬の体の上で潰さないように注意してください。
ピンセットでダニを取る
普通のピンセットでも良いですが、市販されているマダニ取り専用のピンセットの方が取りやすいです。まず、マダニを包み込むようにピンセットで挟みます。絶対に潰さないようにしてください。
ピンセットの先端を閉じて、吸血しているダニの口を挟みます。見た目ではわかりにくいですが、ピンセットが犬の皮膚に密着していれば大丈夫です。ダニの口を挟めたらピンセットで優しく引き抜きます。
犬を押さえつけて時間をかけてしまうと、犬が警戒して動いてしまいます。犬を撫でてリラックスさせながら行うのがコツです。
お酢でダニを取る
お酢を使うと慣れていない飼い主でもマダニを誤って潰さずに取ることができ、犬が口にしても安心です。使うのはキッチンにある普通の酢で大丈夫です。
酢大さじ1と水大さじ1を混ぜます。コットンやティッシュなどを浸して、ダニに被せ、そっと押しつけます。10分ほどそのまま待つとダニがポロッと外れます。
もし外れない場合は優しく引っ張りましょう。口が残ってしまう可能性があるので強く引っ張るのは厳禁です。もし取れない場合は動物病院に相談しましょう。
目の周りのダニを取るときは、酢が目に入らないように十分注意が必要です。
消毒用アルコールでダニを取る
吸血中のマダニは消毒用アルコールで取れる事もあります。酢と同じくコットンやティッシュをアルコールに浸し、ダニに被せてそっと押し付けます。しばらく待つとポロッと外れます。目の周りのダニを取るときは、アルコールが目に入らないように十分注意が必要です。
犬についたダニを取る際の注意点
犬に血を吸って大きく膨れ上がったマダニを見つけたら、すぐに取りたくなりますよね。でも、焦ってむやみに引っ張って取るのはとても危険なのでやめましょう。
1匹ダニを見つけたら、他にも何匹か体についているかもしれません。
マダニは3mm程の大きさですが吸血後は10mmより大きくなる事もあり、見た目はイボのように見えます。ダニが犬に主に寄生しやすい場所は、被毛が少ない場所です。マダニを探す時は以下の場所を重点的にチェックしましょう。
- 耳
- 胸
- 足の付け根
- 肛門まわり
- 目、鼻のまわり
- 内股の毛の少ない部分
気付きにくい被毛の中にいる事もあります。
むやみに引っ張らない
マダニは血を吸うときにセメントのような物で自分の口をしっかり固定します。頭を皮膚に食い込ませている状態なので無理やり引っ張って取ろうとすると頭部だけが皮膚に残ってしまいます。
潰さない
マダニはウイルスや細菌を運んでいる場合もあります。マダニを潰してしまうと菌が残ってしまう可能性があるので大変危険です。地域によっては人にも感染する細菌をマダニが運んでいる事もあります。
犬からのマダニを防ぐ方法
どこでダニをつけてきてしまったんだろう?と不思議に思う事もあるかもしれません。ダニは緑が多く湿気のある環境を好みます。公園、草むら、河川敷。特に森や山にアウトドアに行った後は注意が必要です。
ダニは葉の裏側などで、動物が近づいてくるのを待っています。犬が散歩中に好んで行く草むら、実はダニが潜んでいる危険地帯なのです。
マダニの活動時期は暖かい春から夏の間に特に活発になります。しかし、秋から冬の時期は孵化した子供のマダニが活動し始めるので1年中注意が必要です。
ダニはとても小さな虫ですが、放置すると取り返しのつかないことになります。一度にたくさんのマダニに吸われると貧血を引き起こす他、アレルギー皮膚炎も発症します。マダニを通してバベシア症、ライム病など、病気をもらってしまう危険性もあります。
また、吸血後に卵を産みつける可能性もあります。貧血が重度になったり、多臓器不全を起こしたりすると最悪死に至ります。マダニはオス、メス共に吸血します。そして、ダニは生涯全ステージで吸血し、一度寄生するとなかなか離れません。
飼い主が気づかず、長期間にたくさんのマダニに吸血されると、犬が貧血になる事もあります。ダニは自分の体重の100倍以上、血を吸うとも言われています。吸血したマダニはイボほどの大きさに膨れ上がります。犬をマダニから守るには予防が一番です。
外から帰ってきたらブラッシングをする
散歩から帰ってきたら、玄関や風呂場でブラッシングする習慣を作りましょう。ブラッシングをすると、外でつけてきたダニを落とす事ができます。公園や公共の場でブラッシングをして、毛を捨てて帰るのはやめましょう。
薬を飲む
犬のダニ予防として駆除薬を与える事はとても大切です。食べ物のように与えるタイプや、薬を皮膚の表面に滴下するタイプのものなどがあります。経口タイプのものは、犬が好むフレーバーが付いているので、錠剤タイプのような薬に比べると、とても与えやすいです。
滴下するスポットタイプのものは、犬の皮膚に付けるだけでよいので手軽ですが、付けた後は、すぐにシャンプーやスキンシップができないデメリットもありますので、自分にあったタイプを選びましょう。様々なメーカーから薬が出ているので各薬の使用方法に従い犬に与えましょう。
首輪タイプのダニ駆除グッズを使う
犬のマダニ、虫予防として首輪タイプの商品もあります。首につけておくだけで半年ほど効果を持続する商品もあるので、首輪タイプでマダニを予防する方法もあります。
体を良く触ってチェック
犬とのスキンシップをとっている時に、ダニの付きやすい毛の薄い所を中心にチェックする習慣をつけましょう。
シャンプーを定期的にする
月に1から2回、定期的にシャンプーをして犬を清潔にする事を心がけましょう。ダニ用の薬用シャンプーなどもあるので使うのも一つの手です。
芝生に近づけない
犬がお散歩中に好んで入る芝生は、マダニが潜んでいる危険地帯です。マダニが活発になる暖かい季節は芝生に入るのを避けたほうがよいです。皮膚の露出を減らすために、お腹回りまでカバーしてくれる洋服を着せるのもおすすめです。
ダニが寄生しない環境づくりを整える
犬を室内で飼育している方は、部屋の掃除をして部屋を清潔に保ち、換気をこまめに行い温度や湿度の調節をしましょう。マダニは熱に弱いので、犬が良く使うベッドやクッションはお湯などでこまめに洗うようにしましょう。
犬をダニから守るおすすめの駆除や予防グッズ
マダニ用のシャンプーや、使用成分にこだわったオーガニック商品など、数多くのマダニを予防するグッズがありますので、おすすめの何点かを紹介いたします。
Tick Twister オリジナル ダニ取り 大小2本組
フランス製のマダニ取り用のピン。2本のピンが入っていてダニのサイズに合わせて使い分けます。ピンを自分で開け閉めする必要がなく、マダニをピンの先に挟むような感じで使うので、誤ってダニを潰してしまう確率が減ります。もしもの時のために1セット持っておくと安心です。
ライオン ペットキレイ 薬用 のみとり リンスインシャンプー ポンプ グリーンフローラルの香り
犬の肌への優しさに配慮したペット用の薬用シャンプー。皮膚刺激性実験を行った製品で、薬用成分「フェノトリン」がノミ、マダニを取り除きます。食物成分100%、弱酸性、無着色です。
アース・ペット 薬用 ノミ、マダニとり&蚊よけ首輪 ブルー 中型・大型犬用
犬の首につける首輪タイプのマダニ予防です。お散歩中にマダニだけでなく、ノミや蚊も寄せ付けません。人や動物に安全性が確認されているピリプロキシフェンが配合されています。使用して1週間で効果が現れ、約6ヶ月間効果が持続します。
ドギーマン 薬用ペッツテクト+ 中型犬用
犬の首筋に滴下するタイプのマダニ予防薬です。薬用成分が犬の皮脂の表面に広がり、マダニ、ノミを駆除するバリアを作ります。効果は1本で約1ヶ月間持続。マダニを駆除する成分を3種配合していて、吸血、卵を産みつける前に駆除する効果があります。
メイドオブオーガニクス フォー ドッグ オーガニックアウトドアスプレー
お出かけ時にスプレーするタイプのマダニ、虫除けスプレー。ケミカル成分、アルコール不使用の成分にこだわり抜いたオーガニックスプレーです。34種類の100%植物成分で作られているので、舐めても安心。敏感肌や、免疫の弱い生後3ヶ月未満の子犬や老犬にもおすすめです。特に足回りやお腹にしっかりスプレーしてご使用ください。
まとめ
犬の毎日のお散歩コースにも潜むマダニ。小さい虫ですが、甘くみていると感染症にかかるなど、取り返しのつかない事にもなります。日々の生活の中で散歩の後にブラッシングをしたり、犬の使っているクッションを清潔に保ったりする習慣で予防する事ができます。
マダニ駆除のポイントは潰さない、口を残さずきれいに取り除く事です。動物病院に診てもらうのが確実な方法ではありますが、なかなか病院に行けないタイミングの時もあります。
様々なタイプの予防グッズや、駆除グッズがあるので困ったときはグッズを使ってみるのも一つの手です。