そもそも犬のアカラス(ニキビダニ)症って何?
犬のアカラス(ニキビダニ)とは、犬の毛穴に寄生しているダニの一種です。毛包虫とも言います。これはどの犬にも存在しており、人間の皮膚にも寄生しているものですので、基本的には怖いものではありません。ですがそれは、あくまでアカラス(毛包虫)が少数が寄生している状態の場合。
通常でしたら、このアカラスが少数寄生している状態がキープされ、健康には何ら問題はありませんが、これが様々な原因によりアカラスが異常増殖してしまった時、脱毛を伴う皮膚炎として進行してしまいます。
犬のアカラス症の症状
犬のアカラス症の発症は一般的に生後3カ月~6ケ月の幼犬に多く、この場合にはアカラスが原因で発症する範囲が目や口の周り、手足の先端に限られており、その症状も軽く約9割が自然治癒するといわれています。ですが厄介なのが、成犬になってからのアカラス(毛包虫)の発症。この症状については、これは大きくわけて2つのパターンにわけられます。
1. 局所型の症状
- 皮膚がポロポロと落ちるような状態
- 毛が抜ける
- 脱毛部分が赤くなる
- 患部を舐める
初期症状は何もかゆみもありませんが、脱毛がみられます。よく見ると脱毛した後の皮膚が赤く充血したようになり、細菌感染を伴うとかゆみが出てきますので、患部を噛んだり舐めたりして気にするようになります。同時に脱毛も進行していきます。
2. 全身型の症状
- 膿のたまった吹き出物ができる状態
- 皮膚がただれる
- 痛みやかゆみが強くなる
- 悪化すると敗血症などで死ぬ可能性も
最初の数日は局所型と似たような状態ですが、進行の速度が速く、症状の範囲が広範囲になってきます。患部が浸出液でベチョベチョとしてきて、湿疹のような状態になり皮膚がただれてきます。この弱った皮膚に二次的な細菌感染が起こり、痛みやかゆみがどんどん増してきます。発症後約1ヶ月で全身に広がり、最悪の場合全身状態の悪化や敗血症で命を落としてしまうことも。
犬がアカラスを発症する原因
犬のアカラス症の発症のメカニズムは明確には解明されていないのが現状ですが、一般的には母犬から子犬への濃密な接触が感染の原因とされています。
また犬のアカラスに感染し発症した犬から他の成犬への伝播の可能性は低いですが、ゼロではないとされています。もちろん、犬のアカラスは人間に伝染することもありません。またその他の原因としては、以下のような理由が挙げられています。
- 遺伝的要素
- 免疫力の低下
- 年齢
- 栄養状態
- 高温多湿な気候 など
筆者の経験から...筆者の飼い犬は、もともとアレルギー持ちで皮膚の弱い子のせいか、原因もわからないまま成犬になってから突然アカラス症を発症しました。皮膚に何らかの疾患やアレルギーなどをもっている子は、日頃から気をつけた良いのかもしれません。
犬のアカラス症の治療法
専用のシャンプーで洗う
成犬のアカラスの発症後の治療は、非常に根気がいるものになります。基本的には専用のシャンプーで毎日患部を洗浄し、よく乾かして経過を見ることが必要で、軽度であれば3~6週間ほどで症状が落ち着くことも。
ですがそれでも改善が見られない場合には、定期的な投薬や注射などの処置も必要になってきます。アカラス症以外の基礎疾患も治癒を遅らせる原因になりますので、改善が見られない場合は追加の検査が必要になる場合があります。
治療には長い期間がかかる
どちらにせよ数週間~数ヶ月におよぶ気の長い治療が必要になってきますので、犬がアカラス症を発症してしまったら焦らず確実に、日々患部の洗浄と乾燥を徹底しながら退治し、完治を目指しましょう。
筆者の愛犬のアカラス体験談
筆者の経験から...筆者の飼い犬がアカラス症を発症した時は局所型の中度、患部は両手両足が中心で、口の周りにも軽度ですが症状が見られました。2ケ月ほど患部洗浄や投薬、注射などで治療を続けました。獣医さんに指示された専用シャンプー以外にも様々なものを試しましたが、どれもなんとか進行は食い止められる程度で、めざましい改善は見られず。
そんな時、ふと思いついたのが温泉の素。用いた理由としては以前、筆者の両親が重症の水虫の治療に使っていたことを思い出したからです。
温泉の素での温浴を始めてから、ゆっくりですが明らかにアカラス症の症状が改善していきました。獣医さんも驚いた様子で、「何かされたんですか?」と尋ねられたので、診察室で温泉の素の話をしたことを覚えています(笑)。
犬のアカラス症で長期間お悩みの方は、一度試されてみるとよいかもしれません。温泉の素が合わない子もいるかと思いますので、万が一用いる際にはくれぐれもお気をつけくださいね。※ちなみに筆者が使用したのは100%天然素材の液体のものになります。
犬のアカラス症の予防について
当たり前のことかもしれませんが、何よりも清潔を保ち、きちんとした食事でしっかりと栄養管理をしてあげること。
獣医さんいわく、
とのことでした。特に皮膚が弱い子は気をつけてあげてくださいね。
愛犬がアカラスを発症しても諦めないで
前述したように、犬のアカラスの発症の度合いや状況によっては、治療に非常に長い期間が必要とされることがあります。場合によっては数ヶ月~1年前後の時間がかかったり、アカラスが慢性化して再発する場合もあります。
でも、諦めないことが大切です。飼い主さんの正しい理解と協力があれば、間違いなく飼い犬を日々のかゆみや痛みの苦痛から解放してあげることができる病気なので、気長にゆっくりと、完治を目指して治療していきましょう!
ユーザーのコメント
女性 ぽんぽん
40代 女性 RYUCH
女性 すずめ
女性 ほたて
女性 コーラ
アラカス病はなったことがありませんが、マラセチア真菌による湿疹はたびたびやってしまいます。長毛種のため発見が遅れてしまうことが多く、皮膚の炎症は犬が掻きむしったり舐めてしまったり、患部を床や壁にこすりつけてしまったりでなかなか完治しなくていつも長引いてしまいます。かゆいのを我慢するのは人間でもつらいことですので、エリカラをつけて我慢させるのは飼い主としてもとてもつらいです。比較的強力なかゆみ止め成分の入った軟膏を塗り、抗生剤などの服薬で短期決戦で治したいところなのですが。毛も抜けたり切れたりしますし、皮膚の状態が治ってからも毛が伸びて元通りになるまでには数カ月かかってしまうため、毎回深く反省しています。アラカス病も皮膚の疾患ですので、長期戦になりそうですね。気を付けたいと思います。
50代以上 女性 サリー
20代 男性 Drワンダフル