なぜ犬にノミ・ダニがつくの?
ノミやダニは公園や草むら、ヤブなどに生息しています。生き物の体温や二酸化炭素を感知して生き物に移り寄生し、血液を吸生きているのです。犬や猫はノミやダニの生息している場所に行くことが多いので格好の餌食になってしまいます。散歩中に草むらなどへ足を踏み入れることが一番の原因と言えるでしょう。
しかし、ノミやダニは驚異的なジャンプ力と感知力があります。たとえ草むらを歩かせていなくても、いつの間にか飛び移られそのまま自宅に持ち込み、かゆみなどの症状を引き起こしているのです。
ノミ・ダニを予防する必要性はあるの?
ノミやダニは、犬や猫の血を好み、吸血しながら成長し繁殖を繰り返します。ノミは犬や猫の皮膚の上で産卵し、卵は動物の体から床に落ちて成長します。成虫は家中の至る所に飛び移って生息し増殖し続けます。ダニの場合も一度犬の体に寄生し家に入り込んでくれば、一定期間吸血し散歩のときに犬の体から離れ再寄生のチャンスを狙ったり産卵します。
犬がノミやダニに寄生されると、ノミの場合激しいかゆみを伴い様々な症状を引き起こし、皮膚炎や感染症に発展することもあります。ダニの場合は寄生されていることに気づかないことがあり、吸血量が多いだけでなくバベシアなどの原虫を犬に感染させることもあります。ノミやダニの寄生数が多い場合は貧血を引き起こす犬も珍しくありません。
ノミやダニは一度寄生してしまうと、増殖の一途をたどり、放置しておけば自然に消滅するというものではありませんので、犬のノミ・ダニ予防は徹底する必要があります。
犬のノミ・ダニはいつから対策すべき?予防する時期や期間
犬につくノミやダニは、年間を通して対策することが必要です。
ノミが一番活発な気温は18℃~27℃と言われていますが、実は13℃あれば生存し続けます。ダニは気温が25℃~30℃の時期が一番活発で湿気を好むため、梅雨の時期が一番繁殖が多いと言われていますが、温度管理され適温となった室内には、そのまま生き残っている場合があるのです。
このため、夏はなるべく空気を乾燥させることが必要となります。また、冬は暖房によりノミやダニの適温となるため、どの季節も関係なく年間を通して予防する必要があります。
犬のノミ・ダニを予防する対策4選
1.室内環境を整える
- 部屋を乾燥させる
- 掃除機などで部屋を清潔にする
ノミやダニは、湿気を好み湿度50~55%くらいの時が一番活発です。そのため、室内を適度に乾燥させることが必要です。ダニは犬の血液だけでなく、ちりやほこり、フケなどが大好きなので、掃除機でマメに取り除き、空気換気を定期的に行いましょう。
2.犬の毛の手入れをする
- 適度にシャンプーを行う
- ブラッシングついでに皮膚の状態をチェックする
犬のシャンプーを月に1~2度は行い、こまめなブラッシングで毛を整え、清潔な皮膚を保つようにしてください。可能であれば、散歩の後毎回ブラッシングを行えばより効果的ですが、週に数回ブラッシングするだけでも体を清潔にしてあげることができます。
また、犬の体に触れることでノミやダニを発見することもできますし、皮膚や体調の異変に気付いてあげられることもできます。
3.予防薬を処方してもらう
動物病院でノミやダニの予防薬を処方してもらうことができます。犬の混合ワクチン注射の際や、フィラリアの薬を処方してもらうときに一緒に処方してもらうのも良いかもしれません。
処方される薬の料金は個体の体重によって異なります。月に1回投与、1回につき1000円~2000円の範囲が多いようです。
4.市販予防品を利用する
ペットショップやホームセンターのなどにもノミやダニの様々な予防商品があります。犬の体に滴下するスポットタイプや、首輪、スプレー、電子駆除など様々です。商品の使用方法など詳細については下記を参考にしてください。
犬のノミ・ダニを予防するおすすめの薬5つ
犬のノミやダニを対策する駆除薬には、いろいろなタイプのものがあるので、それぞれの家庭に合う方法を選ぶと良いでしょう。しかし、ノミやダニの予防薬は、食欲不振を起こしたり稀に嘔吐などの副作用をもたらす場合があります。
ノミやダニのリスクと、副作用のリスクの両方を考慮して使用を決める必要があります。また、他の薬との兼ね合いもあるので、使用前には獣医さんにしっかり相談してから決めましましょう。
1.フロントライン
商品情報
・本体サイズ :10.3×1×13.8cm
・内容量:0.5ml
フロントラインは、犬の首あたりに滴下し、体の脂を通して全体に広がるお薬です。薬が広がるまでの2~3日はシャンプーを控えなければなりませんが、ノミ・ダニの予防や駆除に大変多く利用されています。アルコール成分が含まれているので、皮膚の弱い犬は使用前に獣医さんに相談するのが良いでしょう。
フロントラインと同じメーカーにはネクスガードというビーフ味(実際は牛肉は使用していません)がついた飲み薬もあります。滴下を嫌がる犬や、皮膚アレルギーを起こす犬にはこちらが良いかもしれません。また、シャンプーも通常通り行えます。
犬の体重や健康状態、ノミやダニの寄生状態に合わせて、獣医さんの判断の上で投与するのが一番効果は出るでしょう。
2.アース・ペット マダニ・ノミパウダー
自宅の畳やカーペットに散布し、30分~1時間後に掃除機で吸い取るタイプです。犬がパウダーを吸い込んでしまったとしても、害のない成分なので安全性に問題はないと言われています。ノミやダニはその粉に触れることで死滅、弱体します。
3.アース・ペット 薬用アース ノミ・マダニとり&蚊よけ首輪
ノミや蚊よけの首輪です。天然アロマ成分に抗菌、殺菌効果があると言われています。シリコン素材で犬の首にも負担はないので、普段の首輪にプラスして付けても良いでしょう。散歩の際のノミやダニ除け対策に利用できます。
4.ドギーマン NEWノックレン ペットバリア
犬や猫の体表に噴霧してノミやマダニを駆除するタイプです。容器を犬から約10~20センチメートル離し、専用のスプレーポンプを用いて被毛全体にスプレーします。毛並みに逆らうようにスプレーし、被毛全体を湿らせ、そのまま自然乾燥させます。
5.【第2類医薬品】ダニアースレッドノンスモーク霧タイプ
商品情報
・屋内塵性ダニ類の増殖抑制・駆除
・イエダニ、ノミ、ハエ成虫、蚊成虫の駆除
部屋の中に霧状の薬品を噴射させる駆除薬です。部屋の隅や高い場所など、なかなか手が届かない所に潜んでいるノミ、ダニの駆除が可能です。噴霧後は掃除機をしっかりかけ、換気を行う必要があります。噴霧中から換気を終えるまでの間は、犬を別の場所に移動させてください。
犬についたノミ・ダニの見つけ方
犬にノミやダニがついている場合の症状として、換毛期以外の脱毛が見られることがあります。また、かゆがっている様子や皮膚に湿疹が見られる場合は、犬の毛を細かくかき分けて、毛の根本あたりまでをしっかり見てください。
首やお腹に、黒っぽい小さい粒のようなモノがついていることがあればノミのふんの可能性があります。ダニはいろいろな種類がいますが、皮膚に頭を突っ込んでめり込んでいるのが肉眼でもわかるものがあります。
犬にノミ・ダニがついたら?正しい対処法
ノミがついている場合
まず、目の細かいクシで、犬の被毛を丁寧にとかしてください。とかしている最中にノミが見つかることがありますが、ノミを見つけても絶対に潰すことはしないでください。ノミがメスの場合、大量の卵を抱えている可能性があります。
潰してしまうとその卵が飛び散り、より繁殖させてしまいます。見つけたノミやフン、卵は、濡れたティッシュの上に置くか、水を張った器に入れ、水没させてください。
ダニがついている場合
ダニの取り方には特に注意が必要です。ダニはピンセットでつまめば自分で取れそうに見えますが、自力で取ろうとしてはいけません。ダニを完全に取り除くことは困難です。ダニは頭を犬の皮膚に突っ込む形で噛みつき、その際、セメント質という固まる成分を出しています。
無理に引っ張ると、胴だけが引きちぎれて頭部は皮膚内に残ってしまうからです。ダニを見つけた場合は、必ず動物病院に連絡し、獣医さんに取り除いてもらいましょう。
犬にとって危険なダニとは?主な種類
1.マダニ
マダニは肉眼で確認することができる大きなダニです。犬や猫の血液を特に好みます。血を吸って500円玉くらいのサイズに巨大化するものもいます。マダニの恐ろしさは大きさだけでなく、体内にウイルスや細菌などを持っていることです。また、それは人間にも感染し、死に至る症例もあります。
2.ニキビダニ
ニキビダニは犬の体に寄生しても、すぐに症状が現れないのが特徴です。犬が健康な時は免疫効果で増殖することはありません。しかし、犬の体調が崩れると一気に増殖し、かゆみや脱毛などの症状を引き起こします。
3.ヒゼンダニ
ヒゼンダニはとても小さく肉眼では見えにくいダニです。皮膚の中に潜り込んでトンネルを掘ることから「穿孔(せんこう)ヒゼンダニ」と言われています。
ヒゼンダニに穿孔されると、強いかゆみが出る「疥癬症(かいせんしょう)」という皮膚病を引き起こすことがあります。激しいかゆみに耐えられず、皮膚がボロボロになるまで掻き壊してしまい、衰弱してしまう犬もいます。
4.耳ダニ
耳ダニは犬の耳に寄生するヒゼンダニの一種で激しいかゆみが出ます。犬が頭を激しく振る、後ろ足で耳を引っ掻く、床に耳を擦りつけているといった行動が見られたら耳ダニが寄生しているかもしれません。
耳ダニが寄生していると、黒っぽいカサついた耳垢が出るようになります。これは耳ダニの糞です。放置しておくと、慢性の外耳炎や中耳炎を引き起こす可能性もあるダニです。
犬のノミ・ダニは人間や他の犬にもうつる?
犬のノミやダニは人にうつると言われています。マダニは体内にウイルスや細菌などを持っていて、人間にうつった場合「日本紅斑熱」や、発熱や嘔吐などの症状を引き起こします。
また、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」や脳神経に影響が出る「ライム病」などは、死に至る可能性がある病気で、マダニにより引き起こされると言われています。
ノミやダニは人間の赤ちゃんにもうつります。乳児は大人に比べて体温が高く、汗をよくかくのでノミやダニが集まりやすくなるのです。赤ちゃんの皮膚は柔らかいので、ノミやダニは好んで赤ちゃんにうつります。
まとめ
ノミやダニは、1年を通して生存し寄生する厄介ものです。愛犬がかゆがって頻繁に体を掻きむしる姿を見ているのは、飼い主さんにとっては何とも辛いものです。愛犬だけではなく、ノミやダニは私たち人間にも大きな危害を与えます。
ノミやダニを持ち込まないようにするのはとても大変なことですが、日頃の愛犬のケアと徹底とした予防を心がけ、犬も人間も快適に過ごせるようにしていきましょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 TIKI
ただ、飲んでいるからと安心せずに、草むらに入らせないようにする等注意しなければいけないですね。痒がったり、愛犬に何か異常を感じたら、獣医さんにすぐに相談した方がいいと思いました。
20代 女性 ゆん
50代以上 女性 K9-ABC
40代 女性 匿名
ノミダニ予防に関しては、毎年春から秋頃まで頭を悩ます問題の1つです。
ノミダニ駆除薬として定番なのは、記事にもあるようにフロントラインプラスです。これは犬の首辺りに滴下するタイプで、我が家の愛犬もパピーの頃から獣医さんに勧められるままに1ヶ月に1回、滴下しておりました。
パピーの頃は飼い主も疑問を持たずに使っていましたが、1歳を過ぎた頃からフロントラインのスポットを見ただけでテーブルの下に逃げるようになりま
大好きなおやつを出しても出てこず、無理矢理捕まえて滴下した時は、悲鳴のような悲しい鳴き声で何かを訴え、その後、落ち着きなくうろうろと歩き回り、数日、引きこもったように自分のベットから出てきませんでした。
その異常な行動に驚き、フロントラインのことを調べてみることにしました。
私が一番間違えていたことは、フロントラインは予防薬ではなく駆除薬であるということです。
フロントラインをしていればノミやダニに噛まれるということではなく、噛まれたとしても寄生されないということです。
フロントラインのような滴下タイプの場合、首筋に薬剤を滴下すると、薬の中に含まれる殺虫成分が皮脂線を通して体全体に行き渡るため、殺虫成分が行き渡った犬の血をノミやダニが吸うと、神経を麻痺させて死んでしまうと仕組みです。
殺虫成分が体全体に行き渡るためには、肝臓が薬を分解して体内に吸収させていくため、劇薬であればあるほど、肝臓への負担が大きくなります。
獣医さんによっては、フロントラインを通年使用するよう薦めているようですが、ゴキブリの殺虫剤にも使用されるフロントラインの殺虫成分、フィプロニルを1年中、愛犬の体に行き渡らずことには正直、躊躇してしまいます。
フロントラインの箱には、乳幼児が薬に触れないように気を付けることと明記してあります。
それほど強い薬だということです。
なお、最近はフロントラインプラスが販売されていますが、これは、フロントラインに耐性が出来たノミやダニが増えた結果、より殺虫成分が強くなったフロントラインプラスが販売されるなったそうです。
ノミやダニに血を吸われると痒いだけでなくアレルギー性の皮膚炎を起こしたり、感染病を発症するリスクもあり決して適当に対応出来ることではありませんが、駆除薬の仕組みや副作用をよく知った上で、愛犬に使用するべきだと思います。
なお、滴下タイプ以外のチュアブルタイプであっても、その仕組みは変わりません。
現在、我が家では基本、ハーブの虫除けスプレー及びガーリック成分入りの虫除けサプリを常用し、真夏の危険な季節のみ、チュアブルタイプを朝晩2回に分けて、1回分を与えるようにしています。
チュアブルタイプであれば、愛犬が嫌がる様子がないため、我が家ではチュアブルタイプにしていますが、1回で与えると、たまに嘔吐することがあるため、獣医さんと相談した結果、2回に分けて与えることにしています。
薬は何であれ副作用がセットのように付きまといます。
獣医さんの言われるがままではなく、愛犬の身は自分達がよく考え対応出来るようになりたいものです。
10代 女性 まる
女性 ルーツ