犬にノミが寄生した時の症状とは?関連する病気や治し方を知ろう

犬にノミが寄生した時の症状とは?関連する病気や治し方を知ろう

犬はノミが寄生することで様々なアレルギー症状を見せたり、時にはその他の病気にかかってしまうことがあります。ここでは、犬がノミの寄生によって発症する病気や、犬や猫を介して人間にも移ってしまう病気について説明したいと思います。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬がノミに寄生されると痒くなるだけじゃない?!

ノミ

ノミに噛まれるから痒くなる。単純にそう思っている方も多いかもしれません。
ですが、実はノミの寄生によって引き起こされる病気は様々で、症状もただ痒くなるだけではありません。

それは、ノミを媒介とする「寄生虫」や「細菌・ウィルス」などが関連してくるためです。

先ずは「ノミに関連する病気や症状」を見て行きましょう。

ノミに関連する犬の病気

ノミアレルギー性皮膚炎

犬に寄生するノミの代表格はネコノミで、1〜2ミリの体長で赤褐色をしています。ネコノミという名前ですが、決してネコだけに寄生するノミではありません。

このノミの唾液や糞がアレルゲンとなり、免疫反応によってアレルギーを起こします。好発部位は殿部、太もも、尾の付け根から尾までで、発赤、痒み、発疹、脱毛などが症状としてでてきます。
非常に強い痒みを生じるので犬が皮膚を舐めたり、引っ掻いたりすると二次的に細菌感染を起こすこともあります。

治療は痒みや感染を抑えるために抗ヒスタミン剤、ステロイド剤や抗生剤、そして原因となっているノミの駆虫剤を使用します。

瓜実条虫

瓜実条虫は細長く平べったい体をしており、片節という瓜の種のようなものが100以上連なったような形をしている扁平動物です。

この条虫の幼虫がノミの体内に寄生し、犬がグルーミングなどでノミを飲み込むことで条虫も犬の体内に入り、腸管内で成虫に孵化します。重度感染すれば、犬にも症状が出てきます。

腹部不快感、嘔吐や下痢などの消化器症状、体重減少などの他、条虫の片節が犬の肛門から出てきたりしていると、肛門付近の痒みが生じて、肛門を床に擦り付けるような症状も出てきます。

治療は中間宿主となっているノミの駆除と瓜実条虫の駆除になります。

その他の症状

大量のノミに寄生されている場合は、吸血による貧血が起る場合があります。
また、痒みによるストレスや、痒みによる引っかき傷で炎症を起こしたり、被毛の状態の悪化(毛づやが無くなる)に繋がる可能性もあります。

その他、ノミが寄生する事で、肌に関する様々な病気を併発する恐れもあるので、いずれにせよノミの駆除を最優先で行い、症状が出ないよういに予防するのが良いでしょう。

犬のノミの駆除方法と予防方法

駆除薬

さて、いままで紹介したように、ノミが原因で引き起こされる様々な病気を予防するためにも、先ずはノミの駆除方法、予防方法を見て行きましょう。

ノミの駆除薬

ノミを駆除するのに効果的なのは、「ノミの駆除薬の使用」です。
ノミの駆除薬には種類があります。スポットオンタイプ、スプレータイプ、内服するタイプなどが挙げられます。

フロントラインプラス

【動物用医薬品】ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスジャパン フロントライン プラス ドッグ 犬用 S(5kg~10kg未満) 0.67mL×3本入

商品情報
ペットに寄生した成ノミやマダニを速やかに駆除。加えて、2つ目の有効成分(S)-メトプレンがノミの卵の孵化・発育まで阻止するダブルの効果で、寄生中のノミだけでなく、その繁殖・再寄生を予防します。

スポットオンタイプで有名なのは「フロントラインプラス」で、ノミの成虫の駆除、卵の孵化や発育を阻止します。また、ノミだけでなく、ダニやシラミの駆除もできます。フロントラインにはスプレータイプもあり、副作用の低さから、妊娠中もしくは授乳中の母犬や、子犬でも投与することができます。

レボリューション

こちらはフィラリア予防の薬でもあります。ノミの成虫や卵のふ化を阻害したり、幼虫を殺す作用もあります。それだけではなく、耳に寄生するダニにも効果があります。基本は猫ちゃん

ネクスガード

内服タイプの「ネクスガード」はノミの駆除時間がフロントラインよりも短縮され、シャンプーに関わる心配もありません。また、食べるタイプのものなので皮膚が弱い犬にも有効です。

これらの駆除剤は1ヶ月に1回定期的に続けることでノミの寄生を予防できます。

その他にも、ノミ取り用の薬用シャンプーなども有用です。ノミ取り首輪というものも市販されていますが、効果が確認できていないものも多く存在しているようなので、注意が必要です。

注意点

ひとつ注意したいのは、ノミが犬の皮膚に付着していても、指で潰さないようにしましょう。
ノミの成虫のお腹の中の卵が散らばり、ノミが増える恐れがあります。

ノミを発見したら、動物病院で駆虫薬を処方してもらった方が確実です。

犬のノミからうつる人間の病気

細菌

犬のノミが媒介する「人間の病気」があります。

猫ひっかき病

バルトネラとよばれる細菌によるもので、犬や猫に症状が出ることはほとんどなく、人間に症状を出します。

ノミそのものから、もしくはノミが寄生している犬や猫によってひっかかれたり、噛まれて発症します。噛まれた2週間後までに患部が赤くなったり、発熱したり、リンパ節が腫れてきたりします。

全身の症状として、体がだるい、頭痛がするなどの風邪に似た症状が出てきます。
まれに脳症を引き起こすこともあります。軽度のリンパ節の腫れのみだと、自然治癒が期待できますが、治癒するまでに時間がかかることがあります。また、腫れがひかなかったり、痛みが酷ければ病院にかかりましょう。その場合の治療は、抗生剤などの投与になります。

瓜実条虫症

感染ルートは、犬に感染するケースと同じように、つぶれたノミから手に付着し、誤って食べてしまい感染してしまうケースが多いようです。無症状な事が多いようですが、幼児などに感染した場合、下痢や腹痛が見られます。

人用の条虫駆除薬で駆虫する事ができます。

ノミ刺咬症

人間の皮膚に激しい痒みをもたらし水ぶくれなどができる場合があります。ノミに刺された患部は痛みを伴うこともあり、氷で冷やすと良いそうです。

痒みがひどければ、病院の皮膚科では、抗ヒスタミン作用のあるアレグラという薬や、ステロイド成分の入った外用薬を処方してもらうこともできます。

【動物用医薬品】ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスジャパン フロントライン プラス ドッグ 犬用 S(5kg~10kg未満) 0.67mL×3本入

商品情報
ペットに寄生した成ノミやマダニを速やかに駆除。加えて、2つ目の有効成分(S)-メトプレンがノミの卵の孵化・発育まで阻止するダブルの効果で、寄生中のノミだけでなく、その繁殖・再寄生を予防します。

愛犬に「ノミ」が付いた時、こんな症状を見せた!

痒がる犬

愛犬にノミがついてしまった飼い主さん達のエピソードと対処法を聞いてみました!


女性 40代

家のビーグルはいつもなら静かに寝るような時間に突然痒がり始めました。長々とせわしく掻いているのでノミを疑いました。シャンプーはしていましたが、散歩で草むらに近付きその時に感染したようでしす。

部位としては、耳、足の付け根、お尻を掻く事が多く、刺され跡は点々と赤く腫れていました。
調べて見ると案の定、柔らかく体毛が密生している場所が刺されやすいようで、愛犬はむきになってそこをしつこく噛んだり舐めたりしていました。

その時の症状は強い痒みからか、不快な様子で、たまらない時はわたしに訴えるように「ク~ン・・・ク~ン・・・」鳴く時も洗いました。特に湿度の高い夜が特に酷かったです。
幸い獣医さんから処方してもらった薬などで駆除出来ましたが、暫く痒そうな様子でした。そんな時は、ブラッシングやお湯で体を拭くことをいつも以上に喜んでくれましたよ。

ノミの対処も重要ですが、ノミが付く前に予防するのが大切だなと思いました。


女性 20代

私は保健所から子犬を引き取ったとき、獣医に「ノミがすごい」といわれて気が付きました。
ひどく痒がっている様子は全くありませんでした。ただ覚えている症状は、頭の皮膚のところや体に黒い点々がある、という点です。それはノミの姿でした。それに糞も。

生まれたときから環境がわるいため、かゆいということさえわからなかったのかもしれません。ノミ取りの薬を使い、シャンプーをしたあと、しばらくすると体を掻く姿をみるようになりました。毛をかき分けると、ノミがいた部分が赤く湿疹を起こしていました。

生後2か月ほどの子犬だったのですが、保健所にいたため硬い餌しか給餌されず、母犬の乳離れもはじまっていたのに食べるものがない状況で生きていました。

もらってきてからは、病院で処方された薬を飲ませ、栄養のある食事を心がけました。
さらに一緒に小屋にいれるタオルなどは常に新しいものに変え、清潔さを心がけていました。特にそういった点で注意を払っていたからか、気づくと痒がる様子は見られなくなりました。

ただ、一度ノミがつくとこんなに大変なのだと思い知り、犬にそんなきもちをさせたくないと決めたので、今は毎月、事前の予防薬で防止しています。


女性 30代

ある日、愛犬が耳の後ろや首をよく掻くようになり、だんだんと内股や尾の付け根を噛んだりする症状をへエスカレートして行きました。
何かの病気ではないか?と、心配になってよくよくその部分を見ると、小さな虫が走っている姿を発見!小さくて黒い粉のようなノミのもありした。・・・そこで私は愛犬にノミが付いていることに気が付きました。
後々獣医の先生から聞いた話では、大量に寄生していた場合、お腹を上に向けてゴロンとさせた時にもノミが走るのを見られるそうです・・・・恐ろしい話です。

その後は、家で見つけた時にはセロテープに貼り付けて密封した状態で潰しています。
何故テープを使うかと言うと、ノミは迂闊につぶすと体内の卵がばらまかれて、余計事態を悪化させるそうです。テープを使えば卵を封じ込める事ができるのです。

後はフロントラインやレボリューションなどの予防薬を使って愛犬をノミから守っています。

まとめ

どの病気もノミが媒介し、人間は飼っている犬や猫から感染することがありますのでペットのノミ予防は非常に大事です。

家の中で飼っていても、ペットがノミに感染することは十分に考えられます。
ノミの予防時期や予防薬などについては気軽に獣医さんに相談してみて下さいね!

【動物用医薬品】ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスジャパン フロントライン プラス ドッグ 犬用 S(5kg~10kg未満) 0.67mL×3本入

商品情報
ペットに寄生した成ノミやマダニを速やかに駆除。加えて、2つ目の有効成分(S)-メトプレンがノミの卵の孵化・発育まで阻止するダブルの効果で、寄生中のノミだけでなく、その繁殖・再寄生を予防します。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 おのの

    信頼していた獣医さんの奨めで我が家では15年ほど前からフロントラインプラスを使い続けています。
    なので他の方法を考えたこともなかったのですが、今は色んな駆除薬があるんですね。とても参考になります。
    フロントラインプラスを投薬する時は、やはりシャンプーのタイミングを考えて投薬しています。
    なのでシャンプーのタイミングが延びてしまうと必然的にフロントラインプラスを投薬も延期になり、そのせいで数年前ですが愛犬に瓜実条虫を寄生させてしまったことがありました。
    その時になぜ気づいたかと言うと、うんちの表面に蛆虫のような蠢くものを確認したからです。
    慌てて肛門を見るとその蠢くものが肛門の周りの毛にも付着!一瞬で鳥肌でした。
    その少し前に、家の床をコロコロで掃除した時に白ごまより小さい種のようなものが付いたのを思い出しました。
    もちろん動物病院に駆け込んで、それが瓜実条虫だと知らされてショックと同時に猛反省しました。
    ノミやダニを媒介する寄生虫がいることをあらためて認識するきっかけになった出来事でしたが、本当に怖かったです。
  • 投稿者

    20代 女性 ウォンバット

    ノミはとてもすばしっこいため寄生しているノミを探すのはとても難しいです。ノミの寄生がないか見分けるにはノミ自体ではなくノミの糞を見付けることです。

    ①犬の毛をかき分け(特に腰付近)、毛や皮膚に砂粒のような黒い点々を探します。
    ②黒い点々がノミの糞かどうか判断するには、ティッシュを濡らしその上に黒い点々を置き擦ってみて下さい。
    ③その黒い点々がティッシュに滲み、赤くジワっと広がったらノミの糞です。つまりノミが寄生している証拠になります。
    ノミは犬の血を吸血するため、糞にはその血液が含まれています。そのため濡らしたティッシュに置くと溶けて赤くジワっと広がります。

    一度愛犬にノミが寄生してしまうと、室内飼いであればノミは家の中の絨毯や畳に卵を産み繁殖を繰り返します。室内は一定の温度のためノミには過ごしやすく冬でも生き延びてしまいます。
    愛犬がノミの被害に合わないため、家に持ち込まない為には予防薬を使い防ぐことが大切です。

    記事に記載のあるレボリューションは、薬を付けてから半日もすればシャンプー可能なのでオススメです。
    また「コンフォティス」という飲ませるタイプのノミ・マダニ予防薬もシャンプーの時期を気にしなくていいのでオススメです。
  • 投稿者

    女性 コロ

    愛犬にダニが付いたことはあるのですが、ノミは今までありませんでした。どんなものなのかと思ったらそんなにすばしっこいものなんですね。
    うちではひば油スプレーを活用しているので、もしかしたら上手いこと忌避剤になっていたのかもしれません。ひば油は抗菌、殺菌作用も強いので、愛犬の皮膚についても安心です。痒がる姿は見ていられないですから、これからも予防していこうと思いました。
  • 投稿者

    女性 わんこ

    最近はほとんど室内飼いだしノミまみれの犬なんてほとんど見ませんが、たまーにドッグランなどで手入れの悪そうな犬がいると警戒してしまいます。犬同士じゃれあっている間に虫をうつされそうで。フロントラインプラスで対策はしていますが、家に連れ帰られても困りますし。
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