子犬のしつけはいつから?甘噛みをやめさせる方法やおすわりの教え方

子犬のしつけはいつから?甘噛みをやめさせる方法やおすわりの教え方

子犬を家に迎える場合、しつけはいつから始めたらよいのでしょうか?「しつけ」と言われると身構えてしまうかもしれませんが、マナーやルールを教えることはとても大切なことです。今回は子犬のしつけの時期や、基本的なしつけ方法についてお伝えいたします。

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記事の監修

大阪を中心に怖がり犬専門ドッグトレーナーとして、怖がり犬の人生を変えるための少頭数制の犬の幼稚園や訪問しつけをメインに行なっています。また全国の怖がり犬達が一つでも怖いものを克服出来るように、また子犬が怖がりな犬にならないようにYouTubeでの情報発信にも力を入れています。

子犬のしつけの時期はいつから?

寝むる子犬

犬を初めて迎え入れた人にとって、犬のしつけはわからないことだらけなのでは?まずは子犬のしつけはいつから始めるべきかをご紹介しましょう。

子犬のしつけは迎えたその日から!

自宅に子犬を迎えたその日から「しつけ」を始めましょう。人間に比べて犬の成長は早く、生後2~3ヶ月は人間の年齢の3~5才、生後1年は15~18才にあたります。成犬になってからでもしつけは可能ですが、今までの生活で身についた習慣や癖を直すためには大きな労力と時間が必要となります。

生後3〜6ヶ月頃がもっとも「しつけ」をしやすい時期

生後3ヶ月~6ヶ月の間は好奇心旺盛で吸収力もあるため、この時期にルールやマナーを身につけることが犬の一生においてとても大切です。

しつけはすぐに身につくものではありませんが、子犬の時期からコツコツと教えることで、人間と暮らすための適切な行動を覚えさせることができます。

甘噛みのしつけはいつから?

じゃれあう子犬

子犬が甘噛みを始めたその日から「人を噛むことはいけないことだ」と教え、噛み癖をつけないように「しつけ」ます。子犬の頃は、噛む力も弱いので甘噛みを許してしまいがちですが、成犬になっても噛み癖が続いていると怪我やトラブル繋がることもあります。

甘噛みをやめさせる理由

甘噛みは子犬が成犬に育っていく中で、身の回りのものをチェックしたり噛む力を学ぶための自然な行動であり、欠かせない行動と言えます。そのため、飼い主さんの手や足を噛むことも多いことでしょう。

必要な行動とはいえ、習慣化されて知らない人に噛むと大きな問題に繋がりますから、家族でしっかりと統一した対応をする必要があります。

トレーニングのやり方

甘噛みをしたら、低い声で「いけない」「NO」といった短い言葉を使い、それは飼い主さんが望む行動ではないことを伝えます。遊んでいるときに興奮して噛んでしまった時は、遊びを中断して、飼い主さんが子犬の前から立ち去るのもよい方法です。

子犬に噛まれた際にマズルを掴んで叱ったり、口の中に手を入れるしつけ方法には、賛否両論があります。場合によっては、口の中を傷つけたり、口が触れなくなって歯磨きが出来ないなどの問題が起こる可能性もあります。

犬がいつから、どんな時に甘噛みをしているのか観察してみてください。歯がむずがゆくて噛んでいる時は、噛んでも良いオモチャをいくつか与えて発散させてあげることを優先しましょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

甘噛みの対応で重要な視点は、まずしっかりと発散させることです。発散不足で溜まりに溜まっている犬に対して叱ってもほとんど効き目は期待できません。噛んでも良いオモチャや知育玩具を与えたり、一緒におもちゃ遊びをしたりして疲れさせましょう。

その上でこちらを噛んできた時には低い声で注意しますが、延々と注意したり、振り払おうとすると返って噛んでくることもありますので1~2度しっかりと注意したら無視をしましょう。

「ビターアップル」など苦い味のするスプレーを手や足に付けておくと無視しやすくなります。

子犬に教えたい基本的なしつけとやり方

トイレトレーニング

トイレトレーニングを始める時期

トレーニングをいつから始めればよいのか迷う方もいるかもしれませんが、基本的には家庭に子犬を迎えたその日からしつけを始めるようにします。少しでも早く始めることで失敗の経験を積む前に成功体験を積み重ねることができますのでトイレトレーニングがスムーズに進みます。

トイレトレーニングをする理由

犬と気持ちよく暮らすためにも、トイレトレーニングは欠かせません。犬は足場の柔らかい場所や水分の吸収率の高い場所で排泄を行う習性があります。トイレシーツを踏んだ時の柔らかい感触を覚え、「この場所で排泄をしていいのだ」と理解させることがトイレのしつけの基本的な考えです。

トイレトレーニングのやり方

犬は本来きれい好きな動物ですので、寝床から少し離れた場所にトイレを設置します。

トイレの環境はトイレシーツを敷き詰めたり、トイレトレーなどですが、子犬の場合、トイレシーツを敷き詰めるとそのシーツを噛みちぎろうとする子もいますので、「網付き」のトイレトレーにするなど愛犬に合った環境にしましょう。

スペースに余裕がなく、同じサークル内で寝床とトイレを分ける場合は、パーテーションなどで区切ったほうが区別しやすくなります。普段どおりに過ごし、子犬の様子を良く観察しましょう。

床の匂いをかぎながらグルグル回ったり、そわそわしはじめたらトイレへ連れて行きます。寝起きや食事の前後、遊んだ後は排泄しやすいタイミングです。

トイレシーツの上で排泄ができたら、排泄物の片づけをするより先に褒めてご褒美をあげてください。いつからトイレをしていないのか記録をし、10~15分ほどたっても排泄しない場合は、再び自由にさせ様子を見ます。

トイレで排泄することに慣れてきたら、少しずつシーツの面積を狭くしていきましょう。トイレの位置を固定し、自分からトイレに行けるよう誘導してしつけていきます。

トイレ以外の場所で排泄をしてしまった場合は、リアクションをせずに片づけてください。

失敗を怒ってしまうと、飼い主さんがかまってくれたと勘違いしして失敗が増えたり、排泄したこと自体が悪いことだと誤解をして隠れてしようと考えるようになり、トイレのしつけに時間がかかってしまう場合もあるので注意しましょう。

子犬の中には排泄物の匂いがするところでトイレをしたがる子もいるので、トイレ以外の場所で粗相をしてしまった時は、消臭スプレーなどを使って臭いが残らないように対処をします。

監修ドッグトレーナーによる補足

子犬を飼い始めて最初の課題がこの「トイレのしつけ」です。大きなポイントは「出来るだけ失敗させないこと」「成功した体験を印象に残すこと」です。そのためにもトイレの時間を記入したり、トイレサインを知ることは成功への近道です。

排泄をしそうなタイミングではトイレまで連れていき、トイレをしたときにはすかさずおやつをあげられるようにトイレの近くには常におやつを置いておきましょう。

トイレ専用の特別なおやつがあると成功体験が印象に残りやすく、学習が早く進みます。

待て

待てをされる子犬

「待て」を教える時期

「待て」の訓練をいつから始めればよいのかの目安としては、理解力が深まる生後4~5ヶ月頃が最適です。「おすわり」や「伏せ」が出来るようになってから教えます。

「待て」を教える理由

「待て」は子犬の自制心を育て、集中力を高めるために必要なしつけです。「待て」ができると事故やトラブルを起こしにくくなるので、ぜひ覚えさせましょう。

トレーニングのやり方

子犬におすわりをさせて、飼い主さんは犬の前に立ちます。「待て」と声をかけながら手のひらを見せます。しばらくの間おすわりの姿勢でいられたら、「良い子だね!」と言ってご褒美を与え、「よし!」など解除の合図を出しましょう。

「待て」の時間は、最初は1秒から始めて3秒、5秒と少しずつ時間を伸ばしていきます。約10秒ほど待てるようになったら、今度は人が移動してもその場で待てるように練習すると良いでしょう。その際にも、1歩から徐々に伸ばしていくことが重要です。

最初は家の中でトレーニングをはじめ、徐々にできる場所を増やしていきます。いつでもどこでもできるようになることを目指しましょう。

いつから始めたかにもよりますが、「待て」は習得に時間がかかることもあります。うまくできなかった時に怒鳴ったり叩いたりすると、犬との信頼関係を築くことができないので、焦らずじっくりとしつけをしていきましょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

おすわりやふせが出来るようになったらぜひ「マテ」にもチャレンジしてみましょう。ポイントは「失敗を続けないこと」です。

「まて」の指示をして待てずに動いてしまうという経験を繰り返せば繰り返すほどに待てない子になってしまいます。そのため、数秒の短時間で構いませんので、着実に秒数を伸ばしていくようにしましょう。

アイコンタクト

アイコンタクトをする子犬

「アイコンタクト」を教える記事

アイコンタクトはいつから教えればいいのでしょうか。

アイコンタクトを教える前に、まずは子犬に自分の名前を覚えさせる必要があります。家族内で呼び方を統一し、家に迎え入れた時から、何度も呼びかけてあげましょう。

子犬が自分の名前を覚えたら、アイコンタクトを教え始めます。

「アイコンタクト」を教える理由

犬がこちらに意識を向けていない時にはどれだけ指示をしてもほとんど聞いてくれません。そのためアイコンタクトは全てのしつけの基本です。

飼い主さんが犬の名前を呼んだ時に、どんな状況でも飼い主さんと視線が合わせられるようにしつけます。ただ「視線が合う」だけでなく、「注目している」ことが大切です。

トレーニングのやり方

家で子犬が落ち着いている時に、近い距離で名前を呼んでみます。飼い主さんを見たら褒め、おやつをあげましょう。これを何度も繰り返せば「名前を呼ばれて飼い主を見ると良いことがある」と覚えるようになります。

できるようになってきたら少しずつ犬との距離を離し、興奮している時など、さまざまな状況のときに名前を呼んでみます。家の中でできるようになったら外でも練習し、最終的にはいつ、どんな状況でもアイコンタクトができるようにしつけましょう。

おやつの回数は徐々に減らし、スキンシップや褒め言葉に移行していきます。うまくいかなくても、大声で犬の名前を呼んだり連呼したりしてはいけません。また、名前を呼んだ後に叱りつけることも避けましょう。

犬が「名前を呼ばれると悪いことが起こる」と覚えてしまっては意味がありません。

ボディコントロール

子犬をなでる人

「ボディコントロール」をしつける時期

ボディコントロールのしつけはスキンシップとしていつからでも始められます。遊びながら、褒めながら、挨拶がてらなど、まずは積極的に触れ合い、信頼関係を築きましょう。

「ボディコントロール」を教える理由

ボディコントロールとは、犬が体のどこを触られても反抗せずに大人しくしている状態のことをいいます。子犬の頃から人に触れられることに慣れておくと、成犬になった時でも健康管理やお手入れがしやすくなります。

トレーニングのやり方

まずは頭や背中など子犬が触っても嫌がらない場所をゆっくりとなでて、大人しくしていたら褒めてご褒美を与えます。早く撫でようとするとあっという間に興奮して手を噛んできたりするのであくまでゆっくりと、触られるといいことがあると学習させましょう。

慣れてきたら次は「耳 > 足先 > マズル > 腰 > しっぽ」の順番で進めていきます。これらは犬にとって敏感な部分とされているので、急に触れたり掴んだりせず、周辺から少しずつ近づけるようにして触っていきます。飼い主さんとの信頼関係が築かれていない状態で無理に触ることは、犬に不信感を植え付けますので気をつけましょう。

嫌がらなくなってきたら、寝そべっている時に触ってみたり、触る強さを変えたりして、どのような状況で触られても驚かないように慣らしていきます。

社会化

おもちゃで遊ぶ子犬

「社会化」を教える理由と始める時期

社会化とは人間や他の動物、外の環境に触れることで犬が社会から受ける刺激に慣れることを指す言葉で、子犬にとって生後3~13週間は社会化期と呼ばれています。いつから社会化のしつけを始めればよいのかと考えるときには、この時期を目安にすることが大切です。

生後16週をすぎた子犬は警戒心や不安を強く感じるようになるので、その前に社会性を身につけるようにしなければなりません。飼い主さんとの信頼関係を作った上で、家族以外の人や外の世界に触れることで、犬が成長した時にも過剰に恐怖心を抱かなくなります。

トレーニングのやり方

社会化はいつから、どのように始めればよいのでしょうか。まず最初に、家の中でできることとして掃除機やドライヤー、玄関チャイムなど様々な生活音に慣らしていくことから始めましょう。

ベランダに出たり、You Tubeなどでサイレンの音や犬の声などを聞かせるのも良いでしょう。その際に怖がるようでしたら音量を下げて聞かせたり、おやつをあげたりして良いイメージを持つようにしましょう。

家の中のさまざまな音に慣れたら、外に出て車や自転車、大きな物音、他の動物の鳴き声などに少しずつ慣らしていきます。ワクチンの摂取が終わるまでは病原体などの接触を避けるため、地面に下ろさず抱っこやスリングに入れて散歩をするようにしましょう。

外の空気に慣れてきた頃からは、家族以外の人に子犬を触ってもらい、人に慣れさせることも意識しましょう。子犬と飼い主が一緒にしつけを学ぶことができるパピークラスに参加することもよいでしょう。

監修ドッグトレーナーによる補足

社会化は子犬の時期に最も重要な課題と言えます。適切に社会化された犬はちょっとしたことにも動じないメンタルを身につけることで吠えや噛みなどの問題が起こりにくくなります。早い段階からどんどん抱っこをして散歩にでかけましょう。

社会化に適した時期はあっという間に過ぎ去りますので一日一日がとても重要です。とくに人と犬に慣らせておくことが今後の生活に大きな影響を与えますので、散歩中におやつをあげてもらったり、パピー教室や幼稚園に参加することもおすすめします。

子犬のしつけがうまくいかない場合は?

子犬のしつけがうまくいかず焦って感情的に怒ってしまうのは好ましくありません。飼い主さんが犬のしつけを難しく感じるのと同様に、子犬も何が褒められる行動か怒られるのかを学習し理解するのに時間がかかります。しつけの途中で感情的に怒り続けると子犬との信頼関係が崩れ、余計に言うことを聞かなくなってしまうかもしれません。

子犬のしつけが思うように進まなかったとしても焦らず、ゆっくり時間をかけて臨みましょう。また、間違った行動をしてしまったら、感情的にならず短くダメとだけ注意し、逆に上手にできたらお利口さんだねと褒めてあげましょう。毎回しつける行動やタイミング、飼い主さんの態度がバラバラだと子犬も混乱してしまいます。子犬をしつける際は、叱る基準と褒める条件を明確に決めておくことも重要です。

子犬のしつけ教室に行くならいつから?

子犬をしつけ教室へ連れていくのは生後3ヶ月以降が適しています。このあたりの時期から子犬の社会化形成がはじまり、社会化期に突入した子犬は人間や他の犬などと交流することで外界に適応するための能力を身に付けていきます。

動物病院やドッグスクールなどで開催されるしつけ教室には、他の犬たちも参加するため、子犬の社会化形成に大きな影響を与えられるメリットがあります。しつけ教室で学べる内容は一般的なコマンドの指導や散歩訓練、トイレのしつけなど様々です。犬だけでなく飼い主さんもしつけについて学ぶことが多いです。

開催日や指導者によって教室の内容が変わるところもあります。事前に、どのしつけに対応した内容なのか確認しておくと安心です。参加方法は開催会場に通うタイプもあれば、犬と一泊して参加するタイプもあります。 しつけ教室では、ワクチン接種やリードと首輪の着用、事前予約を義務付けているところが多く、犬の性格や状態によっては参加を見送られるケースもあります。

まとめ

飼い主の指示を待つ子犬

子犬のしつけはマニュアルどおりに行かないことも多く、初めて犬を飼う方にとっては大変だと感じることも多いでしょう。

しつけをする上で何よりも大切な事は、愛犬を良く観察し、その犬の性格にあったしつけを行うことです。最初の一年は非常にやんちゃで手を焼いたが、焦らず根気良くしつけをしていく中で、いつからか落ち着いてきたという事例もよくききます。

しつけは愛犬が家族や社会と幸せに暮らすために必要なものです。時には苛立ってしまう場面もあるかもしれませんが、しつけを通してコミュニケーションを深め、愛犬との信頼関係を築いていけるとよいですね。

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