犬はどうしてモノを噛むの?
犬は色々なモノを口にしますよね。大好きなオモチャはもちろん、お散歩中は葉っぱやお花、落ちているゴミまでパクっと口にしてしまいます。犬がモノを噛むこと、また口にモノを咥えるこは、決して悪いことではなくごく自然な行為なのです。
犬の「口」は人間の「手」
犬にとってくの「口」は、私たち人間にとっての「手」と感覚的に似ていることろがあります。私たちは気になるモノがあると、手に取り感触を確かめたり、見やすい場所まで持ってきて隅々まで見て確認しますよね。犬が「モノを口にして噛む」という行為は、その感覚と同じなのです。
犬がモノを噛んで離さなくなる理由
犬がモノを噛んで離さなくなる理由はいくつかあります。愛犬にとって興味の対象となるモノは、まずニオイをクンクン嗅いで、好きなニオイであればパクっと噛んでしまうことが多いと思います。それがお気に入りのモノになってしまえば、自分以外の誰かに取られたくないと思うのは自然な感情。大切なモノを奪われまいという執着行動と言えるでしょう。
また飼い主さんの洋服の裾などを噛んで離さなくなるのは、飼い主さんに構ってもらいたいという心理、また洋服は遊ぶモノとして認識していることが考えられます。
犬がモノを噛んで離さない時の『NG行為』3選
愛犬が噛んで離してくれないモノが、安全性の高い愛犬自身のオモチャであれば、それほど問題はありませんが、飼い主さんの大切なモノや、愛犬にとって危険なモノであれば大至急離してもらわなければいけません。飼い主さんの気持ちも焦るかもしれませんが、犬がモノを噛んで離さない時に、してはいけない『NG行為』もいくつかあるので注意しましょう。
1.無理に取り上げようとする
犬が噛んで離さないモノは愛犬自身にとって「大好きなモノ」や「宝物」と感じていることが多くあります。無理に取り上げようとしてしまうと、例えそれが愛犬にとって危険なモノであったとしても、飼い主さんに対して「宝物を奪い取りにきた人」という印象を持ってしまう可能性があります。
どんなに危険なモノを口にしていたとしても、愛犬にとっては「宝物」。何度か「宝物」を奪われるうちに、不信感が募り信頼関係が崩れる原因にもなりかねません。
犬は個体ごとに性格に差がありますが、無理やり取り上げらることに強く反発する子もいると思います。取り上げよとすればするほど、強く噛んでしまう子。また「取られるくらいなら…」と飲み込んでしまう子。そして興奮から飼い主さんを噛んでしまう子もいるのです。互いにとって良いことのない対処法なので無理やり取り上げるのは止めましょう。
2.叩いて取り上げようとする
愛犬に対しての暴力は問答無用で絶対にしてはいけない行為です。愛犬が噛んで離さないモノが、飼い主さんいとってどんなに大切なモノでも、どんなに高価なモノであったとしても、叩いて取り上げるのは止めましょう。
愛犬を叩いてしまうと肉体的に苦痛を与えるだけでなく、精神的にも強いストレスを感じてしまうもの。叩いた飼い主さんはもちろん、人間に対して不信感や警戒心が強くなる傾向があります。
飼い主さんとも信頼関係が築けなくなりますし、愛犬自身の性格も、委縮して無気力な子に育ってしまう可能性も。大切な愛犬の明るく楽しい未来を奪わないよう「叩く」などの暴力はどんな場面でも絶対に止めましょう。
3.「遊んでくれた!」と勘違いさせる行動
飼い主さんに構ってもらいたくて気を引くために、モノを噛んでしまう子も少なくないはず。洋服の裾や室内に置いているスリッパなど、愛犬にとって危険性の低いモノだと、つい優しく叱ってしまうことはありませんか?
例えば飼い主さんの洋服の裾を噛んで離さなくなった場合、飼い主さんが服を引っ張って愛犬から離そうとすると「引っ張りっこ遊び」が始まってしまいます。またスリッパなどは取り返すために愛犬を追うと、「鬼ごっこ遊び」が開始。いずれにしても愛犬は「遊んでくれた!」と勘違いしてしまうのです。
洋服の裾も室内に置いている安全なモノでも、噛み癖がついてしまうのは良いことではありません。愛犬が「噛むこと=楽しいこと」と学習してしまわないよう、服を噛まれても無視をする、また安全なモノであっても、愛犬が簡単に届くような場所には置かないようにしましょう。
まとめ
基本的には噛まれたくないものは、愛犬が届く場所には置かないよう徹底的に室内を片付けておくのが一番。しかしほんの一瞬、目を離したすきの出来事で、防ぎきれないこともありますよね。万が一に備えて「離せ」のしつけを強化しておくと安心です。
「離せ」は飼い主さんのコマンドで、口にしているモノを離す行動。根気のいるしつけではありますが、愛犬の安全と健康、また飼い主さんの大切なモノを守るためにも、しっかり訓練していきましょう。