犬との主従関係って必要?
僕はいつも依頼主さんにこう言います。
「この子のために主従関係の再構築をして下さい」と。
要は犬と円滑に楽しく暮らすためには必須条件なのです。中には好んで愛犬のコンシェルジュに徹する方もおられますけどね。
それはそれでその方の犬との楽しみ方なのでそれで幸せならそれは否定しませんし、口出しもしません。愛犬と楽しく幸せに過ごされておられる方はここから先は読まなくても結構です♪
でも僕がご依頼を頂くということは『悩んでいる』ということです。
ご自宅に訪問させて頂くと殆どの依頼主が「犬に下位者」だと認識されています。「あなた私のことそんな風に思ってるの!?」と怖い顔で愛犬を睨みつける方が多いんですよ。
つまり出来ていると勘違いされている。犬種に限らず犬の本質から言えば『群れの法則』が概念にあって尊敬できるリーダーが存在する群れは皆、穏やかで楽しく安心して過ごしています。
そんなリーダーには皆敬意を表します。そしてリーダーが高齢になりその座を退いたとしても、次のリーダーがそれに習い受け継がれる。そしてもう一つ犬の本質から言えば『犬は優劣を付ける』概念なのです。
人間の様に「皆平等♪仲良くやろうな〜♪」が通じません。仲間とは仲良くし、とても平和主義なのですが平等とは思っていないのです。これが自然界の心理なんですね。
ではコンパニオンアニマルとして家庭に迎え入れられた犬はどうなんでしょう?飼い主さんは知らず知らずに「下位者行動」をとっているので犬は「俺(私)がリーダー?♪」と認識してしまう訳です。
ここから悲劇が始まります。「この群れを守るのは俺(私)だ!」と吠えるは威嚇するは部屋の中でもマーキングし放題!散歩に出れば「あっちに行くぞ!いやこっちも気になるな!やっぱあっちだ〜!」みたいに振舞ってしまうのです。
あなた!思い当たる節はないですか?
主従関係が構築されていないときに犬がする行動
飼い主の言うことを聞かない
犬と人間の主従関係で、犬は上位者には服従しますが、下位者(飼い主)の命令には聞く耳を持ちません。
犬が情緒不安定になる
主従関係ができていないと、下位者(飼い主)が不安や心配エネルギーを発していると過敏に反応してしまう。
常に警戒態勢でいる
主従関係ができていないと、下位者(飼い主)を守ろうと常に警戒態勢でいる、車や人バイクの音など生活音にも過剰に反応してしまう。
毎日を愛犬はこんな感じで過ごしているのです。なんとかしてあげないとですね。
犬との主人関係を築く上でしてはいけない下位者行動
愛犬のご機嫌をとる
とにかく嫌われたくないので叱ったりしない。
とにかく構う(過干渉)
お腹が空いてないか?オシッコしたくないか?寂しがっていないか?ストレスが溜まっていないか?などなど。取り越し苦労がかえって犬を苦しめます。
愛犬のペースで生活する。
「この子が来てから、外出もできないし、旅行なんてとても行けません」と仰る飼い主さんが案外多いんです。そりゃ犬中心の生活をしていたら犬は「ここは俺(私)の天下だ〜!」と勘違いしてもおかしくないでしょう。
犬との主従関係の築き方!いい関係を作るには
愛犬と良い主従関係を築くには、率直に言うと先ず「下位者行動」をやめることです。パックリーダーになるには、犬に尊敬されるための前提としてあなたは「堂々とし毅然とし、且つ冷静で穏やかに接する」ことです。そして何より犬に「根負け」しないで下さい!
主従関係は愛犬のためです。時には「心を鬼に」することも必要なんです!方法論なんてどうでもいいんですよ。あなたはあなたなんですから。リーダーとしてあなたがルールになりましょう。
その1、日常、人間主導を心掛ける!
あなたの生活リズムに従わせる。餌の時間や散歩の時間も定時にしなくてもいいんです。あなたがルールを決めるんです!
その2、犬の本能欲求を満たす!
1番目に発散、2番目にルール、3番目に思いやり!この順序を守って下さい。特に犬は活動欲求や探索欲求が溜まると「自己発散行動」に打って出ます!吠えや家具や壁のガジガジ噛み、興奮癖は顕著な症状ですよ。
その3、構いすぎない。
主従関係を築きたいからと言って、構いすぎは逆効果。犬はある程度放置される方が心地良いのです。つまり構われるのは好きじゃない!可愛いのは分かりますが程々にしてあげて下さい。
その4、褒める!
良いことをしたら褒める!普通にしていても褒める。悪いことをしたら叱る。このメリハリが犬に伝わりやすいのです。そして叱った後も褒める。犬は「褒めて伸びる」タイプです!僕もそうです!
まとめ
ここまで『主従関係』にスポットをあててきましたが、実はその前にもっと肝心なことがあります。それは《犬との信頼関係》です。
まず、群れの仲間としての確固たる信頼関係を築くことで、そこから主従関係が成立するということを覚えておいてください。
犬という生き物は至ってシンプルでポジティブで平和主義で仲間想いのとても素晴らしいパートナーです。主従関係を上手く使って接し方さえ間違わなければあなたの人生は犬と暮らすことによって数倍楽しく充実したものとして過ごせるのです。
新聞やネットなどで目にする凶暴でレッドゾーンの暴れ犬の子たちは、なりたくてそうなった訳ではないのです。適切な主従関係や信頼関係もなく不適切な飼育をされた結果、モンスター扱いされている悲しい現実です。
あなたも犬と暮らしているなら犬の本質を知ってください。そして幸せなドッグライフをどうやったら送れるか愛犬のために考えてあげてください。
あなたの想いは必ず報われますよ。
それはね。あなたの愛犬はあなたが大好きですから。
ユーザーのコメント
女性 匿名
女性 匿名
女性 匿名
どうしたらよいかと途方に暮れています(;_;)
男性 匿名希望
30代 女性 38moto
主従関係、信頼関係、どちらも意思の疎通が図れているか確認するのは難しいことですが、愛犬の様子や飼い主への態度を見ていればどのくらい通じているか感じ取れるはずです。
しつけは、愛犬にきちんと理解してもらい覚えてもらうことです。上下関係があればこそ、アイコンタクトも取れますし、集中力にも影響します。しつけができないと怒られてばかりになってしまいます。犬にばかり押し付けるのではなく、飼い主も「どうしたら愛犬に理解してもらえるのか」を考えて良い関係を築いていけたら最高ですね。
40代 女性 ぴいすけ
自分の経験から言うと、「リーダーにならねば!」と気負いすぎて、犬を従わせることばかり考えていると、肝心の犬の様子を見落とす場合があります。きちんと観察すると、犬はいろんなサインを出しています。「それはイヤ」「今はそっとしておいて」など、いわゆるカーミングシグナルを出して、こちらに気持ちを伝えようとします。犬を「思い通りにならないケモノ」ととらえていると、それらのシグナルを無視することが往々にして起こると思います。
犬との信頼関係を築くには、犬をよく観察して、イヤなことをしないのが大事です。「主従関係」にこだわりすぎず、犬の気持ちを尊重することも忘れてはいけないと思います。
女性 パン
一緒にいるとつい愛犬が中心の生活になってしまいます。愛犬の姿が見えないとすぐに探してしまいます。いけないですね。確かに我が家では愛犬は「お犬様」状態です。主従関係は、どうなのかな。頼りにしてくれているとは思いますが、私は召使だと思われていそうです。
女性 じょじょ
女性 もふころ
飼い主の方の改善も必要だったことに気が付きました。
50代以上 女性 匿名
まったくナンセンス!
欧米ではとうの昔にパック理論やアルファ理論は否定されているのにもかかわらず、いまだに日本ではこんな説明がされるのはとても残念です。オオカミの群れも厳密な縦社会で構成されていて、常に順位争いをしているなんていうのは間違いです。