犬の保定とは?
そもそも保定とは?
動物病院で診療や治療を行う際、犬が動かないように抱くことを『保定』といいます。
これは、獣医師の処置中に犬が暴れてしまい、犬はもちろん飼い主や獣医師の怪我を防止するためとても重要なものです。
動物病院のみではなく、自宅で投薬を行ったり爪切りや耳掃除、歯磨きなどの手入れを行う時にも有効なので、自分の愛犬をしっかりと保定できるようにしましょう。
これはよくあるケースですが、動物病院でのみ保定されていると、注射など痛いことをされるという、
「保定」=「嫌なことが起きる」という記憶が定着してしまいます。
ですので、普段から自宅でリラックスして保定できるよう慣らしておきましょう。
保定を慣らすコツ
保定中大人しくしていたら、しっかりと褒めてあげましょう。
最初は慣れないかもしれないので、保定中は優しく声をかけたり、体を撫でてあげます。
また、子犬のころから保定に慣れておくことも大切なので、これから子犬を迎える人は是非、しつけ項目に保定も追加してください。
保定についてはしつけ項目としては見逃されがちですが、予防接種や爪切りなど、保定が役立つケースは意外に多いので、これもしつけとして重要です。
保定の方法
保定の方法に関しては正確な定義がありません。
勘違いしてはいけないのが、暴れる犬に対して力任せに押さえることは保定とは言えないという事。
保定は小型犬から大型犬まで、それぞれの犬の性格や大きさに合わせた保定方法を自分で見つけることが大切です。
誤った保定の方法や、無理やり抑えることにより、犬が脱臼してしまったり最悪骨折など保定が原因で怪我が生じてしまいます。
怪我以外でも、体を強く押さえすぎることにより呼吸困難や体温上昇、パニックを起こす可能性もあります。
動物病院でこのような状況になってしまっては、正しい診断ができなくなります。
犬の安全のみではなく保定者の安全を確保するためにも保定は重要なのです。
無理やり押さえる保定を行ってしまうと嫌がって噛み付くことも考えられます。保定が原因で怪我へと結びついて欲しくないですね。
保定をする人はリラックスして行うようにしましょう。主な保定方法には四つ足でたった状態の『立位保定』、犬を座らせた状態の『犬座位保定』、横たわった状態の『横臥位保定』などがあります。
保定上達法
保定のコツ
保定のポイントとして、保定者は犬の体を自分の体にぴったりとくっつけます。肘や腕、脇を締めて上手に犬の関節を固定します。
保定者はパニックにならず、落ち着いて保定することが大切です。保定者に焦りや恐怖感があると犬に伝わってしまう可能性があります。
犬の状態をしっかりと把握することも重要で、万が一犬の状態が悪くなってしまった場合はすぐに保定を外しましょう。
少し高い場所に登ると大人しくなるわんちゃんも多くいるので、それを利用して高い場所で保定をする方がやり易いケースがあります。
動物病院でも診察台で保定をすることが多いですよね?
ですが、高いところが苦手なわんちゃんもいますので、最初は自宅の絨毯など柔らかくて安全な場所で練習をしましょう。
慣れてきたら徐々に高さを作ったりと工夫してください。
慣れないうちに高い場所で保定の練習を行う際は、急に暴れ出した時に台から飛び降りて怪我をしてしまう可能性もあります。
安全をしっかりと確保した状態で保定の練習に挑んでください。
また、動物病院では高いところがどうしてもダメな場合は正直に獣医師に伝え、防ぐことのできる事故は未然に防ぎましょう。
詳しい保定方法
立位保定
犬の顎に片腕を下から回し、犬を自分の腕と胸に密着させます。犬の顎に腕を回した手で首を固定します。この時、首輪があると便利です。
もう一方の手を犬の下腹部に回し犬を持ち上げて立たせます。犬の顎に合わした腕の肘を床面と水平になるようにすると、犬の頭部が固定できます。
保定者の胸と犬の体に隙間ができないことがポイントです。大型犬など一人での保定が難しい時は、二人で保定をするなど工夫をしましょう。
犬座位保定
犬の顎に下から腕を回して、もう片方の手で犬の腰部を軽く押します。するとおすわりの状態になります。
また、股関節の後ろ側を軽く前方へ押しておすわりをさせることもできます。
おすわりの状態になったら、犬の頭を抱きかかえるように犬の顎に腕を回します。
この時も首輪を掴んでおくと良いので首輪があるとやりやすくなります。もう一方の腕は、犬の腰部に回します。
保定者の腕に犬の体を引き寄せ、立位保定と同様、犬と保定者の間に隙間ができないようにしましょう。ポイントは、顎の下に回した肘をあげると頭部が固定できます。犬が前足を動かしてしまう場合は、前足も保定しましょう。
抱っこ
小型犬や子犬など、抱きかかえる事が可能な犬に適しています。これは、飼い主に抱かれると安心してリラックスするというメリットもあります。
ですが、抱っこに慣れている犬や抱っこが好きな犬でないと保定に失敗する可能性もあるので気をつけてください。
ポイントは、犬の頭が動かないようにどちらかの手で頭を軽く押さえることです。
両後ろ足の間に人差し指を入れて、親指と残りの指で左右の足を挟むようにしっかりと持つことで、安定性が増します。
まとめ
動物病院での診療やお手入れの際の保定は愛犬と飼い主・獣医師の安全のために重要です。
犬のしつけとしては見逃されがちですが、子犬の時からスキンシップを上手に取りながら安心して保定ができるようにしましょう。
成犬からでも保定の練習はできますので、心配な方は獣医師や動物看護師などの専門家に聞いてみましょう。
また、犬の性格や大きさで保定方法も様々なので愛犬にぴったりの保定方法が見つかると良いですね。
ユーザーのコメント
女性 シュナ
女性 Mineko
30代 女性 すず
犬が暴れたときなどに、力任せに犬を押さえつけてしまうと、もしかしたら怪我をさせてしまうかもしれませんし。動物病院で検温や注射の際には、看護師さんや獣医さんが犬をきっちりおさえてくれて関心していたのです。保定、きちんと私もできるようになりたいです。
20代 女性 シーナ