今はお散歩中もドッグランでも、おやつを持ってトレーニング(というよりただコマンドをかけてるだけかな?)している飼い主さんをよく見かけますね。少し声を荒らげてパチンと犬を叩いたのなら、みんなから白い目で見られたり…「体罰」を見るとやはり気持ちの良いものではありません。少しトレーニング方法について考えてみませんか?
はじめに
現代は人間社会でも体罰と言う言葉は良く耳にします。でも、私が子どもの頃は先生に叩かれたりしたよなぁ…それを見た親も訴えたりなんてしてないよなぁ…なんて考えたり。今はそんなことがあると「体罰だ!」なんて騒がれてしまいますよね。
犬のトレーニング方法も同じような所があります。時代の流れと共に、少しずつ変わってきます。私がトレーナーを辞めて2年。その間、また考えが変わっているかもしれません。
今回、この記事は「体罰」ではなく「叱る」と言う表現にしてあります。決して叱ることが悪いことだとは思っていません。時として必要だと考えています。しかし、トレーナーによって考え方は違います。1つの意見・考え方として読んでみて下さい。
今の主流のトレーニング方法
一昔前はチョークチェーンなどを使って厳しいトレーニングが主流でした。良く言われていたことは「主従関係」や「上下関係」と言う言葉。とにかく犬の上に立たなければ犬に舐められて、言うこと聞かなくなってしまうと良く言われていたと思います。
トレーニングにも流行りがあります。今は犬の保育園や幼稚園もたくさんあり、褒めて伸ばすトレーニングが主軸にあります。リーダー論も解釈が変わり、上下関係よりも「信頼関係」と言う考え方の方が近いかも知れません。
ガミガミ頭ごなしに叱る上司の元で働くより、出した結果をキチンと評価してくれる上司の方が信頼して働けませんか?叱って圧力を掛けられなくても、働きたい!と思えませんか?こんなイメージだと思います。
私は専門学校に通い、トレーナーとして働いていました。その間、自分でたくさんの犬をトレーニングするだけでなくセミナーで勉強したり、様々なトレーナーさんのトレーニング方法を見てきました。
トレーニング方法は各トレーナーによって本当に様々です。実際に愛犬のトレーニングをする飼い主さんがきちんと選んであげなくてはいけません。
トレーニング方法の種類
少し理論的な話です。トレーニングの仕方はいくつかあります。
褒めるトレーニング
犬にとって良いこと(おやつやおもちゃ、撫でられる)を与えて、その行動が強化するトレーニング方法。
お座りをした時におやつを与えると、お座りをたくさんするようになることです。この「犬にとって良いこと」はその犬にとって違います。
叱るトレーニング
表現が難しいのですが、これだとイメージがつきやすいと思うので、あえてこのように書かせて頂きます。
犬にとって嫌なこと(叩いたり、チョークチェーンを使ったり)を与えて、その行動を減らすトレーニング方法。
よくあるのが、手に甘噛みをしてきたらその手を犬の口に突っ込んで甘噛みを無くすようなことです。これも見方によれば体罰になってしまうのです。
メリット・デメリット
それぞれにメリット・デメリットがあります。比較してみましょう。
叱るしつけ
メリット
- 結果が出るのが早い
- 犬のやる気に関係なく効果が得られる
犬も嫌なことをされたくありません。やる気が出ないからと言ってやらない訳にはいきません。なので、早く効果が得られるのです。
デメリット
- 犬がおどおどし、自信を無くす
- 人を怖がる
- 確実に叱れる人の言うことしか聞かない
- 加減が難しい
- やり方によっては悪化させることもある
叱るしつけはいけないことをした時に罰を与えるので、正解を教えていません。なので、犬が何をしたらいいのか分からずに自信を無くしたりします。
褒めるしつけ
メリット
- 犬も人も楽しい
- 誰でも出来る
- 犬が自分で考える
褒められると犬だって嬉しいです。そんな姿を見ると飼い主も嬉しくなります。そして、どうしたらご褒美をもらえるか、犬自身が考えるようになります。
デメリット
- 効果が出るまで時間が掛かる
- やる気がないとトレーニングが難しい
- 要求をするようになる
フードがご褒美なら、お腹がいっぱいの時はやりたくない。おもちゃがご褒美なら疲れているときはやらない。とやる気がないとトレーニングすることが難しくなります。
こんな風に考えてみて
上記のメリット・デメリットを見た時に、私は一般家庭の犬ならば、やる気がなければやらなくてもいいから、楽しくトレーニングしたいと思い、褒めるトレーニング方法のトレーナーの道へ進みました。
しかし、警察犬や救助犬など、命に関わる仕事をしている犬たちは、確実な結果を出さなくてはならないし、ましてややる気が出ないからやらないなんてことは出来ません。なので、トレーニング中は厳しくしなければならないのです。トレーニングをしているのはプロですから、信頼関係を損なわず、キチンと結果を出せるのです。
一般家庭で命に関わる任務を持っている子はそうそういないと思います。ですから、リスクは少ない方が良いのです。
こんな風にトレーニングしてみて
しかし、家庭でもどうしてもやってはいけないことなどありますよね。さらに、甘噛みなど褒めるトレーニングでは教えることが難しいものもあります。
我が家でも唯一厳しくしていることがあります。それは「拾い食い・盗み食い」です。これは、時として愛犬の命に関わることに成りかねるので、厳しくしつけをしています。それまで褒めて褒めて褒めてトレーニングをして築き上げた信頼関係は、一度叱った位では壊れません。愛犬は私のことが大好きです!(親バカですね)
もし、家庭で「これだけは!」ということがあるならば、まずはたくさんたくさん褒める方法で信頼関係を作って、犬に自信をつけてあげましょう。
もし叱ってしまっても、その後必ず出来る簡単な指示などを出し、また褒めてフォローしてあげましょうね。
さいごに
たくさんあるトレーニング方法から選ぶのは、とても大変なことです。しかし、愛犬のことを考えて選んであげられるのは飼い主さんだけです。色んな人の考え方を聞いて、愛犬にあったものを探して見てください。
ユーザーのコメント
女性 匿名
素人飼い主にはほぼ不可能
両方の良いところを学ぶのが一番良いと思う
女性 匿名
時には厳しく躾ける必要もあるかと思います。
すごく愛して、うまくメリハリをつけてトレーニングをするのが一番良いと思います。
初心者にはこのメリハリが難しいのかも。
褒めるだけの甘々飼い主さんの元で噛みつき犬になってしまったり、ボンヤリさんになってる犬を知っています。
40代 女性 匿名
ダックスは吠える声は大型犬並みと言われているほど声が大きいため、近所迷惑にならないよう、パピーの頃からしつけは厳しく、時には体罰と言われても仕方がないことをしたこともあります。
記事にもあるように、叱る躾の方が効果が早く現れるため、トレーナーも飼い主さんに満足してもらえるよう、この方法をとっている方が多いようです。
犬と暮らして9年が経ちます。愛犬や犬を通した知り合った方の話を聞いても、上下関係、主従関係、犬が上に立ち飼い主が舐められるといった昔からよく聞くこの考え方は、本当なのかな・・と思うようになりました。
犬は上に立つとか、人間を見下すなどという感情は持っていないのではないか・・・人が好きで自分も一緒に行動したい、仲間になりたいだけなのではないかなと思います。そもそも人間がそう言っているだけで、犬から聞いた人はいないはずです。
この要求を我儘と捉える方もいるかもしれませんが、一緒に暮らし、家族になるのであれば、間違った要求ではないのではないかと思います。
飼い主の思い通りに動かしたい、犬に合わせる生活は考えられないといった方は厳しいしつけが必要となるでしょう。
犬にも感情があり、ぬいぐるみではありません。理解出来ない体罰やトレーニングを嫌がることもあるでしょう。
その際、厳しく接すれば言うことは聞くようになりますが、感情は磨り減っていってしまうかもしれません。飼い主への信頼感よりも諦めに近い感情が生まれるのも無理もないのではと思ってしまいます。
現在、我が家では躾というものはしていません。止めてほしいことは止めてくれない?こっちにしてくれない?とお願いしています。交渉という言葉が近いかもしれません。
基本的に犬は愛情深く気のいい動物です。
普段、出来る範囲で言うことを聞き、愛情をかけていれば、こちらがお願いしたときは言うことを聞いてくれるものです。
普段言わないのに言ってくるということは、ダメなのね・・・と思ってくれているのかもしません。
厳しくしつけていた時期と比べ、特に我儘になった、偉そうになったと感じたことは一度もありません。
強いて言うのであれば・・・感情表現が豊かになったかなとは思います。
楽しい時は笑顔、構って欲しいときは上目使いで・・とても可愛いです。
自分のお願いが通らなかったからといって、吠えたり唸って威嚇してくることも一度もありません。
これを犬に舐められていると言われるのであれば、それでも構わないかもとさえ思います。
せっかく巡り会えたのですから、人間が楽になるためのものではなくて、お互いが楽しく幸せに過ごせるルール、躾というのは本来そういうものではないのかなと思います。
女性 aiko
40代 女性 こたママ
20代 女性 まるみ
叱る方法のトレーナーさんが今も多くいるのではないかなと思います。
メリットデメリットを考え、どちらが自分の犬にとっていいのか選びます。ありがとうございました!
20代 男性 ハンドラー uno
20代 男性 匿名