飼い主死亡で保護されるも里親宅から脱走、行方不明になった犬が救った命

飼い主死亡で保護されるも里親宅から脱走、行方不明になった犬が救った命

飼い主死亡で空き家となった敷地内に2年も取り残されていた犬が保護され、里親が決まるも脱走してしまい行方不明に。必死の捜索活動が行われる。そして、その事がきっかけで、ほぼ同じ境遇に置かれていた1匹の命に辿り着く事に…

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飼い主死亡で取り残された犬達

これは、以前わんちゃんホンポで記事にした『飼い主が入院、帰らぬ人に。取り残されてしまった3匹の犬たちは…』の続編です。実はその後、思わぬ展開があったのです。

記事のあらまし:「佐賀県唐津市の誰も住んでいない家の敷地内に2年もの間、3匹の犬が取り残されたままでいる」との通報が同県伊万里市で動物保護活動をしているNPO法人アニマルライブに遥か遠くの大阪府在住の人から入った事で、同団体が3匹のお世話を始め、里親探しを行った結果、最初に、廃材下にいたソックスという名の犬に里親が見つかりました。

ソックス

ソックスが行方不明に

この唐津の3匹については、SNSでも拡散して配信されていた事と、わんちゃんホンポで記事になった事もあり、とてもたくさんの人達が見守っていました。

だから、ソックスに里親さんが決まった時にはみんなとても喜び、そしてホッとしたのですが…その後、事件はすぐに起きてしまいました。

普段は室内飼いをされていたソックスを、ある日、自宅ガレージにつないだ状態で外出されたところ、何かのはずみにリードごと外れ、里親さんが帰宅した時にはソックスがいなくなっていたのです。

すぐにその事がアニマルライブさんに報告され、同団体スタッフ達と捜索の協力を申し出てくれたボランティアさん達、そして里親さん等の大捜索が開始されました。

ソックスの情報が載ったチラシも大量に作られました。

チラシ

このチラシはお店などに貼られたり、人々に直接配られたりしました。

それによって、ソックス目撃情報もいくつか入ってきました。

結果、ソックスは行方不明となった18日後に里親さん宅に近い茶店の敷地内でうずくまっていたところを無事発見され、二度とこんな事が起きないように完全室内飼いを約束された里親さんの元へ返されたのですが…

無事発見されたソックスとアニマルライブのヒロさん

↑無事発見されたソックスとアニマルライブのヒロさん

実はこの”ソックス行方不明事件”は、その後思わぬ方向へと発展していったのです。

ソックスではないかと保護された犬

既にソックスは無事発見されていたのですが、配布されていたチラシを見てその事をまだ知らなかった人から「ソックスだと思われる犬を保護しました。」という連絡がアニマルライブさんに入ったのです。

ソックスだと勘違いされて保護された犬

↑ソックスだと勘違いされて保護された犬

それは本当にソックスによく似た風貌の犬でした。

アニマルライブさんは、18日間も猛暑の中でソックスを探し周り、疲れ果てていました。でも、保護された迷い犬をそのまま放置するわけにはいかず、今度はその犬の飼い主探しをすぐに始めなければなりませんでした。

それでまず、警察や保健所に飼い主から迷子犬として届け出が提出されていないか確かめたところ、幸いにも飼い主の知人という男性から連絡が入っていたそうです。

そこでその男性に、犬が保護されたのでと警察から連絡してもらい、迎えに来てもらいました。

こうして、すぐに迷い犬は飼い主の知人の男性が引き取って行ったのですが…

でも、何故、飼い主ではなく、その知人の男性が迷い犬の届を警察に出し、そして引き取りに来たのもその男性なのでしょうか?という疑問が、この話を訊いた多くの人の間に生じました。

保護された犬

再び迷い犬

それでも、飼い主宅に犬がすぐに戻れたことでアニマルライブさんも、「良かった!良かった!」とホッと胸をなでおろしていたのですが…

すぐにまた別の人から「ソックスではないかと思われる犬を保護しました。」という前回と同じような連絡が入ったのです。

そして、その保護された犬というのが…

迷い犬として保護された犬

↑迷い犬として保護された犬

なんとその犬は2日前にソックスではないかと勘違いした人に迷い犬として保護されて、飼い主の知人の男性が引き取った犬だったのです。

再び、ソックスではないかと勘違いした別の人に、道を彷徨っていた犬が保護されたのです。

連絡を受け、同じ犬だと確認したアニマルライブのヒロさんはブログで「あり得ない!どうなっているの?」と綴っています。

再び迷い犬として保護された犬の顔

真相

その真相は、警察から連絡を受け再び迎えに来た飼い主の知人の男性によってすべて明らかになりました。

飼い主の知人の男性

この男性は、この子の飼い主のお友達です。
飼い主は、残念ながら癌で亡くなったそうです。
その飼い主には、奥さんや子供達がいます。
しかし、飼い主が亡くなった後、犬に無関心な家族は、お世話を全くされていなかったようです。

水さえもない状態で、しかも雑草で生い茂った中、この子は悲惨な生活していたそうです。

それを見兼ねた知人が、この子の為に雑草をはらい、犬小屋を作ってあげ、毎日、15分かけてお世話に通われていました。

この子の名前は分かりません。家族も名前さえ知らない無関心さです。
おそらく、飼い主が亡くなった後は、一度も呼ばれたことがないと思います。

この子は、この環境が耐えられなくなり、逃げ出したんでしょう。

一度は、近所の方に保護されました。
その保護主さんに聞いたのですが、全くそこで飼われていたことに気づかれていなかったようです。信じられないことですが、5〜6件先の家です。

ということは、それだけ存在を消されていたということでしょう。

ソックス達と同じです。

出典:https://ameblo.jp/hirorights/archive1-201708.html

犬が置かれていた環境

↑犬が置かれていた環境

命を厄介物として考え、放置しても何とも思わない人達もいる

2度も脱走して、2度ともソックスと間違えられて保護された犬は、まさに”唐津の飼い主死亡で取り残されていた3匹の犬達”と同じ境遇にいたのです。

つまりソックスと全く同じ境遇で、飼い主死亡後、ずっと取り残された状態で、不安の中で苦しんでいた犬だったというわけです。

亡くなられた両親が可愛がっていた愛犬達に対して「このまま放置すれば衰弱死してくれるかも」とまで願われていたソックス含む3匹の犬たち。

ソックス達の場合は飼い主の家族たちが別の場所に住んでいたのですが、今回の犬に関しては、その犬がいた場所に飼い主の家族(妻と子供達)も住んでいたのです。それでも、家族からはこの犬は一切無視されていました。犬は生きているのに、全く存在を消されていたのです。

『命』に対して、そういう事が平気でできる人たちが、この世にはこんなに存在しているんだということに筆者も含めてアニマルライブのスタッフたちも、ショックを隠せませんでした。

飼い主が亡くなり、その後は当然、家族がお世話するのが常識だと思っている私達にはあり得ないことですが、彼らはただの面倒臭い存在なのです。

亡くなった親が大事にしていたから、その後も大事にしてあげるというのはありません。
中には、保健所へ連れて行く家族もいます。
残念ながら、親が動物好きだから子も好きというのは、決まっていないのです。

そして、二回目も警察署から戻されてすぐに脱走です。
よっぽど嫌なんでしょうね。

これは、たまたま通りかかった人に保護されました。
この方も、ソックス捜索の時にポスターを見ていて、連絡をくれました。

彼女は、ソックスのおかげで助かったんです。

今、ボラさんのもとにいます。
もうそこには置けません。

これから、飼い主の飼養放棄の手続きをしてもらいます。
おそらく、いなくなっていることも気づいていないと思いますが・・

出典:https://ameblo.jp/hirorights/entry-12305698267.html

存在を消されていた犬

命を物として考える人たち

今回の件で同じ唐津市の中で、飼い主死亡で取り残されていたという境遇に置かれていた犬は、ソックス達だけではなかった事が判りました。

今回の飼い主たちは、どちらも孤独死をしたわけではありません。

飼い主たちにはどちらも家族達が存在していました。でも、その家族達は、犬がどうなろうと全く関心がない人たちでした。

恐らく、全国には同じような境遇の犬や猫たちがまだまだ沢山いるのではないでしょうか?

これはとても哀しい事ですね。また信じられない事です。そして恐ろしい事でもあります。

でも、犬や猫、そして他のペットとして飼われている生きものたちは、不要となれば捨てられるか放置される、あるいは保健所に連れて行かれるという事が昔から繰り返されています。

これはペットとしての命が単なる物として扱われている証拠ではないでしょうか?

実際、日本では迷い犬や猫、その他の動物たちは”拾得物”として扱われ処理されています。それが根本的な日本の考え方なのです。

アニマルライブで正式に保護することに

今回ソックスと間違われて保護された犬は、ずっとお世話していた男性には既に先住犬(保護犬)がいて、2匹目として自宅で引き取ることはできなかったため、アニマルライブさんが引き取って里親探しを行うことにしました。

この男性がこれまで犬の面倒をずっと看て下さったことで、この犬が今日まで無事生きて来られたわけです。そうでなければ、この犬はとっくに衰弱死していました。

飼い主の家族は飼育放棄の手続きにもちろんすぐに同意してくれたそうです。彼らにとっては厄介ものが敷地内からいなくなるのですから、願ったり叶ったりという事だったでしょう。

アニマルライブで保護した犬

里親探し

この犬には仮の名として、”りっちゃん”とつけられました。

りっちゃんは、とってもお利口さんで無駄吠えが一切ありません。
ただ、若いのでエネルギーが有り余ってます。
さすが、猟犬です。
足腰が強くアスレチックなものが大好きで、お世話をされていた方からいただいた鈴を鳴らすだけで、興奮してはしゃいでまわります。
それを付けて山へ行っていたようです。
でも、猟犬としての譲渡はしません。
殺生の為の犬生はさせたくないからです。
番犬目的もNGです。
家族として、完全室内飼いで可愛がってくださる方に
譲渡したいと思います。
ビーグルミックスのとても愛らしい2歳の女の子です。
フィラリアは陰性で血液検査の結果、なんの問題もありませんでした。
明日、混合ワクチンを済ませます。
その後、避妊の予定です。
この子を是非、我が子にしたいと思われる里親様は
アニマルライブまで連絡をお願い致します。

出典:https://ameblo.jp/hirorights/entry-12306908841.html

アスレチックが好きなりっちゃん

不思議な縁で繋がった命

今回の犬は、ソックスがこのタイミングで里親宅から脱走して行方不明になっていなければ、ソックスと間違えられて保護されることはありませんでしたし、アニマルライブさんもこの犬の存在に気がつくこともありませんでした。

筆者は無宗教なのですが、今回のこの一連の犬たちの話をずっと追ってきてこう感じました。

もしかしたらソックスとりっちゃんの飼い主さんが天国で知り合って、自分たちが死亡後に互いの愛犬たちの置かれた不幸な境遇を見かねて、同県で犬猫の保護活動をしているアニマルライブさんに助けてもらうよう話し合われて起こした”奇跡”なのではないかと…。

さて、みなさんはどう思われましたか?

【追記】アニマルライブのヒロさんより

朗報です。りっちゃんですが、結局、預かりボランティアさん家族にすっかり惚れられて そのまま家族として迎い入れられることになりました。

出典:https://ameblo.jp/hirorights/entry-12309464159.html

物凄い偶然でかなり鳥肌ものなのですが、りっちゃんを預かられることになったボランティアさんは、ソックスの捜索にも加わっていた方で、りっちゃんの元飼い主のお葬式にも参列されていた方でした。どちらにも関係していた方が最終的にりっちゃんの里親になられたというのも、これも何かのお引き合わせだったのかもしれませんね。

※この記事、および写真の掲載は、アニマルライブのヒロさんの承諾を得て行っております。
※尚、NPO法人アニマルライブさんでは、常に寄付やボランティアが求められています。詳細はこちらをご覧ください。

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