犬の入院費の相場一覧|一日平均の金額、費用が高い理由などを解説

犬の入院費の相場一覧|一日平均の金額、費用が高い理由などを解説

もし、自分が飼っている犬が入院しなければならなくなった時、犬の入院費としてどれくらい必要なのかご存知でしょうか。犬の入院費が高いというのは何となく聞いてはいたけれど、こんなに高いなんて知らなかった!と慌てないためにも、相場がどれくらいなのか知っておいて損はないでしょう。ここでは犬の入院費の相場や入院費が高い理由などについてお伝えします。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬の入院費の相場

横たわるラブ

ご家庭で犬を飼っている方は多いと思いますが、家族の一員として大切に飼っている犬が突然入院しなければならなくなったとしたら、あなたはどうしますか?生まれつきの病気を持っていて、獣医師からはいつどうなるか分からないと言われているような場合でなければ、犬が入院するなんて考えたこともないという人がほとんどではないでしょうか。あまり考えたくはないことですが、もし犬が入院しなければならなくなった時に備えて、犬の入院費について一度考えてみましょう。

犬の入院費といっても、入院中にどのような治療を行うかによって費用は変わってきます。そこで、かかりやすい病気ごとに入院費の内訳とその相場について調べてみました。

犬のがん

がんの中でも犬が一番かかりやすいといわれる皮膚がんで入院した場合の入院費の内訳は以下のとおりです。

  • 入院料4,000円~7,000円
  • 点滴注射代4,000円~5,000円
  • 血液検査3,000円~10,000円
  • エックス線検査3,000円~7,000円
  • 腫瘤摘出手術10,000円~50,000円
  • 全身麻酔5,000円~15,000円

1週間入院をした場合は、犬の大きさや体重にもよりますが50,000円~170,000円程度かかると考えられます。ただし、手術の術式や範囲、進行の度合いによってもかなり変わってくることが予想されます。

犬の心臓病

犬がかかりやすい病気の中で、がんの次に多いのが心臓病と言われています。心臓病で入院が必要になるケースは安静が必要な場合、もしくは外科的手術が必要な場合になりますが、外科的手術は先進医療のため100万円を超えることも普通で、さらに手術を行なっている病院は少ないようです。

  • 入院料4,000円~7,000円
  • 血液検査3,000円~10,000円
  • エックス線検査3,000円~7,000円
  • 心電図検査2,000円~5,000円
  • 心エコー検査2,000円~5,000円

この他に投薬料や食事療法を行う場合の餌代などが別にかかる場合もあります。1週間の安静が必要になり入院した場合を想定すると、25,000円~120,000円程度必要だと考えられます。

犬の腎臓病

犬がかかりやすい病気第3位にあげられるのが腎臓病です。慢性腎臓病ならば通院で済むのですが、急性腎臓病になると入院が必要になります。

  • 入院料4,000円~7,000円
  • 点滴注射代2,000円~5,000円
  • 尿検査1,000円~3,000円
  • 血液検査3,000円~10,000円

この他に投薬料や食事療法の餌代が必要になる場合や、透析を行う場合も考えられます。急性腎臓病の入院治療には1週間程度かかると言われており、これらを含めると50,000円~200,000円くらいかかる場合も考えられます。

犬の椎間板ヘルニア

小型犬に多くみられる病気ですが、椎間板ヘルニアの場合は進行の度合いによっても金額が大きく変わるようです。

  • 入院料4,000円~7,000円
  • 血液検査3,000円~10,000円
  • MRI検査50,000円以上
  • 椎間板ヘルニア手術100,000円~200,000円
  • 全身麻酔5,000円~15,000円

椎間板ヘルニアでの入院の場合、手術の部位を確認するためのMRI検査などが高額になる場合が多く、さらに手術も術式によって料金に幅があるため高額になることが予想されます。通常は3日から10日程度の入院が必要と言われており、仮に1週間入院したとして計算すると、150,000円~350,000円はかかると思った方が良いでしょう。

この他にもいろいろな病気で入院するケースが考えられますが、一言で犬の入院費と言っても注射代や検査料、手術料、麻酔代、入院料等の合計で成り立っているということがお分かりいただけるかと思います。

犬の入院費が高い理由

フレブルと貯金箱

「あそこの動物病院は高い」とか「○○町の動物病院は××円かかった」などと公園で情報交換をしている飼い主さんを見かけますが、なぜ動物病院ごとに犬の診療費や入院費が違うのか不思議に思ったことはありませんか?

実は、人が病院を受診した時は法律で定められた金額を請求しなければならないことになっているのですが、犬が病院を受診した場合には法律で定められた金額はありません。逆に独占禁止法という法律により、獣医師の団体などで料金を設定したり獣医師どうしで料金を決めたりすることは禁止されているのです。そのため、動物病院ごとに自由に診療費を設定することになり、当然犬の入院費もそれぞれの病院で違う金額に設定されるということになってくるのです。

また、人には医療保険があるため病院受診の際は2~3割程度の負担ですみますが、犬の場合、任意でペット保険をかけている場合を除いては保険がありません。そのために、犬の入院費も高くなってしまうのです。

犬の入院費を事前に知る方法

犬とPC

病気ごとの犬の入院費の相場についてお伝えしてきましたが、実際に入院するとなると病状や入院期間によっても入院費は大きく変わってきます。犬が急に入院しなければならなくなった場合、退院までの間に入院費を準備しなければなりませんが、その場合どれくらい準備すればいいのでしょうか。

犬の入院費を知るには、動物病院で確認するのが一番確実な方法です。入院中に急に犬の病状が変わり、手術や検査の内容が変更になる場合も考えられるため、確定した金額を知ることは不可能ですが、入院時点で考えられるおおよその入院費を教えてもらうことは可能です。

入院時に確認しなかったために後でトラブルが発生するケースもありますので、入院時には今後の方針も含めて犬の入院費を確認しておきましょう。

犬の入院費の支払い方法

家族と犬

犬の入院費は高額になることがお分かりいただけたと思いますが、犬が入院しなければならなくなった時に、どのようにして入院費を支払っているのでしょうか。

ペット保険に加入しておく

最近はペット保険会社も増えており、保険料や補償内容などさまざまな面から保険会社を選ぶことができるようになってきました。万が一のことを考えるとペット保険に加入しておくのもひとつの方法といえるでしょう。毎月決まった保険料をかけることで、入院や手術、通院時の費用を補ってくれます。

あらかじめ貯金をしておく

病気になるかどうかも分からないのに、ペット保険に加入するのはもったいない!と考える方も多いでしょう。その場合は、ペット保険に入ったつもりで貯金をしておくというのもひとつの手です。ペット保険は掛け捨てですが、自分で貯金した場合は必要なければ自分の手元に残ります。ただし、犬の入院費が大きくなった場合を予想してある程度の金額をためておく必要があるでしょう。

分割で支払う

動物病院によって分割の支払いが可能かどうかはさまざまですので、入院時に分割払いが可能かどうか確認する必要があります。

犬の入院費に関するまとめ

59162583 犬と女性

昨今の医療技術の進歩により、愛犬が病気になっても入院治療を行うことで元気になる確率は高くなっています。急な入院時に冷静に今後の治療方針を相談するためにも、犬の入院費に関しての知識を蓄えておいて損はありません。退院時に請求書を見て慌てることのないよう、入院時に入院費を確認したり、万が一のための対策を講じたりしておくことが、愛犬と不安のない生活を送るためにも大切になってくることでしょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    多少高くても飼い主が信頼できる動物病院が1番ですが入院や手術をする際には目安となる金額を聞くと心構えもできます。
    まっ、聞いた金額より安くなることはないでしょうが_。(笑)
  • 投稿者

    20代 女性 てとめる

    わたしは愛犬を迎えいれた時にまだペット保険があまり浸透しておらず、存在すら知らないままでした。昨年、我が家の愛犬が心臓病になってしまった時に初めてきちんとペット保険が身近な存在だったんだと知ったくらいです。心臓病でまだ入院はしていませんが、悪化した場合、手術や入院となるととても大きなお金になると話されました。やはり病気であることを知ってしまった以上、出来るだけ助けてあげたいと思ってしまうので現在はもしもに備えて少しづつ貯金をしています。しかし薬代も月に14000円程なので中々、たくさん貯金が出来ません。どうしてもシニアになるにつれ病気が出てきてしまうので、ペット保険に入っておくのもひとつの方法だと思います。
  • 投稿者

    40代 女性 ルー

     愛犬が5年ほど前、頚椎ヘルニアを発症し、手術を受けました。MRIなどの設備が整っていて、ヘルニアの手術経験が豊富な獣医さんが近くで見つからず、隣県の動物病院にお世話になることにしました。手術の費用のことは気になりましたが(残念ながら、ペット保険に加入していなかったので)、とにかく一刻も早く愛犬の痛みを取り除いてあげたくて、そのときは費用は二の次、という気持ちでした。
     ヘルニアの箇所が難しい位置だったそうで、時間はかかりましたが、手術は問題なく終わり、入院も数日で済みました。手術や入院費用の総額は、25万円程度だったと記憶しています。内訳で高額だったのが、CTやMRIなどの検査の費用でした。もろもろの検査費で、総額の半分近くかかっていたと思います。プラス、多少の移動費(といっても、高速道路の費用くらいですが)がかかりました。

     友人の愛犬も、心臓疾患で一度手術を受けています。入院が長くなったこともあり、20万円ほどかかったそうです。急な手術だったため、費用の工面に苦労したと聞きました。記事にもありましたが、医療技術の発達で、高度な治療を受けられるようになりましたが、費用もそのぶん高額になります。いざ愛犬が病気や怪我をしないと実感できないことではありますが、犬を飼うには、フードやグッズといった日々の飼育費用だけでなく、医療費も計算に入れて、もしもに備えておく必要がありますね。
  • 投稿者

    女性 ろここ

    以前飼っていたワンコが重い病気にかかったとき、当時はワンコの保険などありませんでした。
    ほぼ、毎日病院に連れて行き点滴を受けて一回に4千円ぐらい。それが2,3ヶ月続きました。検査するたびに1万前後、その間に入院は2回しましたが、一泊が1万とかでしたから考えたら高いですよね。。。
    その後、ワンコは無事に完治し、14年生きてくれました。

    今のワンコを飼うときにもし病気になったときお金がかかることを知っていたので保険に入っておこうと思い、ア○ニ○さんに入っていましたが、保険料の負担が大きく、結局3歳で辞めました。
    ただ、時代が変わっても動物病院での治療代は昔と変わりませんし、検査でレントゲンとったり、エコーとったりすると入院しなくても「そこそこ」取られます。ましてや処置や手術などするとなるとまた数万円から数十万します。
    それを払えるかといわれると厳しいし、わが子(6歳)ももうすぐ老犬の域に入るので今のうちに改めて保険に入ろうと考えています。
    ただ、今はペット保険が多すぎてかなり悩んでいます。
    万が一・・・のときに備えて、ペット保険も今や当たり前の時代かもしれませんね。
    出来れば病気や怪我などで入院せずに長生きして欲しいと心から祈ってます。
  • 投稿者

    女性 もふころ

    急性膵炎の時は通院で半日点滴代が8000円程かかりました。
    先代の愛犬の時に入院通院費がとても高額になり苦労したので、今の愛犬は早い時期に保険に入りました。メスの場合は保険加入をお勧めします。

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