犬に全身麻酔をするときはどんな時?
犬の為に使用する全身麻酔ですが、術中や術後に強い副作用が見受けられるケースも多いです。よって、全身麻酔は犬の病気や怪我を治すためとはいえ愛犬の身体に大きな負担を強いる事になります。
全身麻酔が用いられるケースとは
部分的に麻酔を施す局部麻酔は身体の一部分に注射を行う為、犬の身体の負担は殆どかかりません。術中には意識がありますが、薬が効いているので多くの犬は大人しく治療を受けます。
しかしながら、手術を嫌がり興奮してしまう犬もいます。すると手術に差し支えが出てしまうため、医療従事者はやむなく犬へ全身麻酔を施し、医療行為を安全かつ確実に行えるようにします。さらに局所麻酔でできる手術には限りがあります。
犬の全身麻酔の副作用・気をつけたい犬の特徴
よくある全身麻酔の副作用
- 内臓機能の低下
- 肝機能の低下
- 血圧の低下
- 心不全
- 呼吸困難
様々な副作用が存在する全身麻酔ですが、犬種によって使う事が出来る薬剤は決まっています。使用する量や薬剤を誤ってしまうと、強い副作用の症状が犬に表れてしまいます。
更に最悪の場合、全身麻酔によって愛犬が死亡するケースもあります。
特に気をつけたい犬の特徴
- 短頭種
- 小型犬や10歳以上のシニア犬
- 呼吸器系や心臓の持病がある犬
犬の全身麻酔の副作用のひとつとして「呼吸困難」の症状が見られる場合があります。
短頭種
特にブルドッグやシーズーのような短頭種に分類される犬は鼻の孔が小さい為、全身麻酔をかけた際に犬が自ら息をする事が難しくなり、呼吸困難に陥りやすいです。
小型犬や10歳以上のシニア犬
また、小型犬や10歳以上のシニア犬への全身麻酔の使用も注意が必要となります。小型犬は元々呼吸器官が未熟な犬種も多いので、注入する麻酔の量や使用する薬剤が限定されていきます。
シニア犬の場合は、体力の低下、心臓そして呼吸器官の働きが衰えていきます。 したがって、若年齢の犬よりも高齢であればあるほど全身麻酔による副作用が強く出てしまいます。
呼吸器系や心臓に持病を抱えている犬
加えて犬に全身麻酔をする際、呼吸器系や心臓に関する持病を抱えている犬も、ハイリスクに分類されます。よって、使用出来る麻酔の量や種類が限られています。
事前に獣医と相談
獣医から手術の説明を受ける際に、全身麻酔で起こり得る副作用や愛犬の抱える持病について事前に相談する事によって、最悪の事態を回避出来ます。
そして、愛犬に持病があると事前に分かっている場合には、必ず執刀医に病気の事を伝えておく必要があります。
犬に全身麻酔をする前にやるべき事
信頼出来るかかりつけ医を探しておく
- 信頼出来る動物病院を探す
- 犬の全身麻酔の手術にかかる費用について相談する
愛犬が急遽、全身麻酔で手術が必要になってしまった場合には信頼出来る動物病院を見つけておく事が大切です。
予防接種等で長く愛犬を診てもらっている獣医さんに全身麻酔での手術を一任すると、飼い主の心理的負担を減らす事が出来ます。
また、犬などペットの医療行為は自由診療のため、病院によって治療費が異なります。
よって、かかりつけ医を見つけ、信頼関係を築く事によって、犬の全身麻酔の手術にかかる費用について相談しやすくなります。
その結果、全身麻酔による手術など金銭的負担を軽減させる事が可能です。
犬の全身麻酔についてのまとめ
犬の全身麻酔はデメリットも多く存在しますが、薬剤の知識や医療行為の豊富な獣医に一任すれば副作用も少なく手術を終える事が出来ます。
しかし、獣医だけに任せるのではなく、飼い主も全身麻酔のデメリットや薬剤の効果について理解を深めることが肝要です。
そして、愛犬の抱えている持病を事前に医療従事者に伝える事によって、獣医も的確な治療を行う事が出来ます。その結果、全身麻酔による、愛犬の身体の負担をより軽減させる事が可能です。
獣医と飼い主が連携する事によって、愛犬の怪我や病気を真の意味で完治させる事が出来るようになります。
ユーザーのコメント
女性 Kaeko
30代 女性 ひまわり
うちの子の場合は何事もなく無事に手術が終わりましたが、疾患を持ったわんちゃんや犬種(短頭種が危険なようです)によってリスクがかわっくるそうなので、手術をお願する前に1度考えてから麻酔の判断をする事をおすすめします。
女性 すき焼き
女性 Yaiko
女性 きょん
30代 女性 匿名
先日腫瘍の手術を受けました。手術自体は成功し、みんなで喜んでいたら2日後に急変し、麻酔の副作用で心不全と肺塞栓になり強心剤やヘパリンなど使い挿管までしました。心肺も何回も止まって頑張ってくれたんですが、亡くなってしまいました。
まさか亡くなるとは誰も思ってなく、元気になって帰ってくるものと思ってました、、、とても残念でたまりませんでした。でも一生懸命治療してくださった先生には感謝してます。
40代 女性 匿名
老犬になればなるほど、手術を行うことは多くなるから、何歳以上は手術できない、なんて言っていたらみんな手術できない、と高度2次医療の先生が言っていました。
麻酔のリスクと、手術をしないリスク、どちらが大きいか考えることが一番重要だそうです。