犬の全身麻酔が必要な時は?副作用やリスク・気をつけたい犬の特徴など

犬の全身麻酔が必要な時は?副作用やリスク・気をつけたい犬の特徴など

犬が病気や怪我などで手術が必要な場合、全身麻酔をかけなければならない場面があります。しかしながら、麻酔といえば犬の身体に負担のかからない部分麻酔や局部麻酔が一般的です。今回は全身麻酔が愛犬の身体にどのような影響をもたらすのか、犬の全身麻酔の副作用などについて述べていきます。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬に全身麻酔をするときはどんな時?

獣医に抱かれているマルチーズ

犬の為に使用する全身麻酔ですが、術中や術後に強い副作用が見受けられるケースも多いです。よって、全身麻酔は犬の病気や怪我を治すためとはいえ愛犬の身体に大きな負担を強いる事になります。

全身麻酔が用いられるケースとは

部分的に麻酔を施す局部麻酔は身体の一部分に注射を行う為、犬の身体の負担は殆どかかりません。術中には意識がありますが、薬が効いているので多くの犬は大人しく治療を受けます。

しかしながら、手術を嫌がり興奮してしまう犬もいます。すると手術に差し支えが出てしまうため、医療従事者はやむなく犬へ全身麻酔を施し、医療行為を安全かつ確実に行えるようにします。さらに局所麻酔でできる手術には限りがあります。

犬の全身麻酔の副作用・気をつけたい犬の特徴

氷嚢を頭にのせて伏せている犬

よくある全身麻酔の副作用

  • 内臓機能の低下
  • 肝機能の低下
  • 血圧の低下
  • 心不全
  • 呼吸困難

様々な副作用が存在する全身麻酔ですが、犬種によって使う事が出来る薬剤は決まっています。使用する量や薬剤を誤ってしまうと、強い副作用の症状が犬に表れてしまいます。

更に最悪の場合、全身麻酔によって愛犬が死亡するケースもあります。

特に気をつけたい犬の特徴

  • 短頭種
  • 小型犬や10歳以上のシニア犬
  • 呼吸器系や心臓の持病がある犬

犬の全身麻酔の副作用のひとつとして「呼吸困難」の症状が見られる場合があります。

短頭種

特にブルドッグやシーズーのような短頭種に分類される犬は鼻の孔が小さい為、全身麻酔をかけた際に犬が自ら息をする事が難しくなり、呼吸困難に陥りやすいです。

小型犬や10歳以上のシニア犬

また、小型犬や10歳以上のシニア犬への全身麻酔の使用も注意が必要となります。小型犬は元々呼吸器官が未熟な犬種も多いので、注入する麻酔の量や使用する薬剤が限定されていきます。

シニア犬の場合は、体力の低下、心臓そして呼吸器官の働きが衰えていきます。 したがって、若年齢の犬よりも高齢であればあるほど全身麻酔による副作用が強く出てしまいます。

呼吸器系や心臓に持病を抱えている犬

加えて犬に全身麻酔をする際、呼吸器系や心臓に関する持病を抱えている犬も、ハイリスクに分類されます。よって、使用出来る麻酔の量や種類が限られています。

事前に獣医と相談

獣医から手術の説明を受ける際に、全身麻酔で起こり得る副作用や愛犬の抱える持病について事前に相談する事によって、最悪の事態を回避出来ます。

そして、愛犬に持病があると事前に分かっている場合には、必ず執刀医に病気の事を伝えておく必要があります。

犬に全身麻酔をする前にやるべき事

手術中の獣医

信頼出来るかかりつけ医を探しておく

  • 信頼出来る動物病院を探す
  • 犬の全身麻酔の手術にかかる費用について相談する

愛犬が急遽、全身麻酔で手術が必要になってしまった場合には信頼出来る動物病院を見つけておく事が大切です。

予防接種等で長く愛犬を診てもらっている獣医さんに全身麻酔での手術を一任すると、飼い主の心理的負担を減らす事が出来ます。

また、犬などペットの医療行為は自由診療のため、病院によって治療費が異なります。

よって、かかりつけ医を見つけ、信頼関係を築く事によって、犬の全身麻酔の手術にかかる費用について相談しやすくなります。

その結果、全身麻酔による手術など金銭的負担を軽減させる事が可能です。

犬の全身麻酔についてのまとめ

女医とラブラドール

犬の全身麻酔はデメリットも多く存在しますが、薬剤の知識や医療行為の豊富な獣医に一任すれば副作用も少なく手術を終える事が出来ます。

しかし、獣医だけに任せるのではなく、飼い主も全身麻酔のデメリットや薬剤の効果について理解を深めることが肝要です。

そして、愛犬の抱えている持病を事前に医療従事者に伝える事によって、獣医も的確な治療を行う事が出来ます。その結果、全身麻酔による、愛犬の身体の負担をより軽減させる事が可能です。

獣医と飼い主が連携する事によって、愛犬の怪我や病気を真の意味で完治させる事が出来るようになります。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 Kaeko

    実は以前飼っていた愛犬も老犬になった時に病気が発覚し、全身麻酔で手術を受けることになったのですが、先生から「耐えられるように祈っていてください」と言われて手術が終わるまで不安でした。全身麻酔から目覚める前はビクともしないので、もう死んだのでは?!と思うくらいでした。全身麻酔は意外と体力を使うので、老犬の場合などは特に注意が必要だそうです。全身麻酔後はよく注意してあげてください。
  • 投稿者

    30代 女性 ひまわり

    犬の全身麻酔はリスクを考えないといけません。愛犬も去勢手術の時に全身麻酔をお願いしましたが、目が覚めた時に呼吸困難になったり、麻酔が抜けたあとの後遺症について説明されました。特に体の小さいチワワだったのでとても心配でした。
    うちの子の場合は何事もなく無事に手術が終わりましたが、疾患を持ったわんちゃんや犬種(短頭種が危険なようです)によってリスクがかわっくるそうなので、手術をお願する前に1度考えてから麻酔の判断をする事をおすすめします。
  • 投稿者

    女性 すき焼き

    小型犬を飼っています。体重5kgと小型犬としてはそう小さいわけではありませんが、全身麻酔をするとなると悩んでしまいます。去勢手術をするときは心配で心配で、目が覚めたらすぐに電話をくださいと動物病院でお願いをしてしまいました。たまに全身麻酔で起きなかった、という最悪のケースの話を耳にするので怖くてたまりません。
  • 投稿者

    女性 Yaiko

    私の実家の犬が最近、腫瘍の手術を受けました。幸い、悪いものではなかったのですが、全身麻酔を行いました。実家の犬はもうそんなには若くはないので、母親は「体にかなり負担がかかるのではないか」「目が覚めなかったらどうしよう!」などと言って、すごく心配そうにしていました。私は副作用が起きたりしたらどうしようと心配でしたが、愛犬は手術後はしばらくダルそうにしていたものの、記事にあるような強い副作用は無かったので、家族全員ホッとしていました。しかし、獣医さんにお話しを聞いた所、全身麻酔がそんなに強くないものでも副作用が起きてしまう犬もいるとのことでした。更に最悪の場合、愛犬が死亡する場合もあるようですが、これは本当に切ないですね。やはり事前にきちんと獣医さんとお話をして、疑問があれば必ず聞くことが大切だと思います。
  • 投稿者

    女性 きょん

    知り合いの犬が抜歯をする処置のため全身麻酔で施術をしたら、そのまま目を覚ましませんでした。その話を聞いた時は驚愕しましたが、小型犬にとって全身麻酔はそのようなリスクをたぶんに孕んでいるということを心に留めておかないといけませんね。私はそれ以来、愛犬の健康には充分に気を遣って出来るだけ手術などの全身麻酔の処置が起こらないようにしたいと思っています。
  • 投稿者

    30代 女性 匿名

    14歳老犬です。
    先日腫瘍の手術を受けました。手術自体は成功し、みんなで喜んでいたら2日後に急変し、麻酔の副作用で心不全と肺塞栓になり強心剤やヘパリンなど使い挿管までしました。心肺も何回も止まって頑張ってくれたんですが、亡くなってしまいました。
    まさか亡くなるとは誰も思ってなく、元気になって帰ってくるものと思ってました、、、とても残念でたまりませんでした。でも一生懸命治療してくださった先生には感謝してます。
  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    15歳の愛犬は不整脈ですが、2ヶ月おきに手術を3回行いました。老犬だから麻酔は危険、というわけではありません。そのワンコの状態が悪ければ、若くてもリスクはあります。

    老犬になればなるほど、手術を行うことは多くなるから、何歳以上は手術できない、なんて言っていたらみんな手術できない、と高度2次医療の先生が言っていました。

    麻酔のリスクと、手術をしないリスク、どちらが大きいか考えることが一番重要だそうです。
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