犬の尿石症について 症状や原因、治療、予防法まで

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犬の尿石症について 症状や原因、治療、予防法まで

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犬にとって尿石症は、実は身近で痛~い病気なのです。尿石症といえば、人間が体験できる、3大激痛の1つにも挙げられるほど痛い病気です。今回は犬の尿石症の原因・具体的な症状や治療法と、予防法を紹介します。

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の尿石症の症状

尿石症で元気のない犬

犬猫・人間・動物問わず、痛い痛い尿石症ですが、実は珍しい病気ではありません。何を隠そう、我が家の犬も尿石症の経験者です。

犬の尿石症の症状はこちら!

尿石症の症状は、犬のおしっこの際に異変が現れることで気づくパターンがほとんどではないでしょうか。典型的な尿石症の症状をまとめると以下のとおりです。

  • 犬が頻尿になる
  • 犬が血尿になる、またはおしっこが濁っている
  • 犬がおしっこの際に痛がる
  • 犬がおしっこの際に背中を曲げた姿勢をとる
  • 犬の食欲がなくなる

我が家の犬が尿石症を発症したのは、フィラリア症の検査と抱き合わせで血液検査を受けた直後でしたが、血液検査の結果に異常は全く現れていませんでした。普段の犬の行動から、飼い主さんが小さな異変を見逃さずに気付くことが大切です。

犬の尿石症の種類

尿石

そもそも尿石症とは尿路、すなわち腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかに結石ができる病気です。犬の尿石症には、主に2つの種類があり、その原因と発症傾向、治療法は全く対照的です。

ストラバイト(Struvite)結石

犬の尿石症の6~7割がこのストラバイト結石といわれ、我が家の愛犬にできた結石もこのタイプでした。若い年齢の犬で尿石症を発症しやすく、尿がアルカリ性になっている環境で形成されやすくなります。

シュウ酸カルシウム結石

高齢の犬で尿石症を発症しやすく、尿が酸性に傾いたときに形成されやすくなります。シュウ酸カルシウム結石は、ストラバイト結石の食事療法を長期間行うことによって、発症してしまうことがあります。

ストラバイト結石はアルカリ尿で出現し、尿を酸性に傾けると結石は溶けていきます。しかし途中の検査をしないで、長期間、ストラバイト結石の食事療法を続けると、酸性に傾きすぎてシュウ酸カルシウム結石ができることもあります。また、シュウ酸カルシウム結石は再発率が高いことも特徴です。

犬の尿石症の原因や発生傾向

ご飯を食べる犬

犬のバランスの悪い食事

その犬にとってミネラルバランスの悪い食事をしていることが尿石症の大きな原因の1つです。結石は、食事中から摂取したマグネシウム等のミネラルが結晶化することで形成されます。また、犬の飲水量が少ないと結晶の濃度が高まり、結石を形成しやすくなります。

犬の感染症

犬の尿石症の多くは膀胱炎などの感染症を併発したことで発症します。膀胱内に感染した細菌や膀胱壁の細胞が剥がれ落ちたものなどが結石の核となり、そこにその犬にとってミネラル過剰のドッグフードを食べている場合、余剰なミネラルが蓄積して結晶化するのです。

雄犬、夏場、冬場

犬の尿石症は人間の場合と同じく尿道の長い雄犬で発症率が高くなっています。

また我が家の愛犬が発症したのは春でしたが、一般的には冬に犬が尿石症を発症することが多いようです。これは冬場、犬の飲水量が減ることに由来します。夏場は暑さから犬の水分が蒸散し、体内の水分不足が起こり、結石ができるケースもあります。

犬の尿石症の治療法

犬の尿石症を防ぐ食事イメージ

食事療法

犬の尿石症の治療法は、基本的に食事療法が中心となります。ミネラルバランスを改善し、石ができにくい体内環境を作ることが目的です。

ストラバイト結石治療の場合は、尿を酸性にする食事を犬に与えることになります。具体的にタンパク質、リン、マグネシウムを制限したフードになります。

また、犬の飲水量もとても重要になります。ただ人間と違って、犬は意識的に飲水量を増やすことはできないですよね。そこで、こうした療法食は塩分が少し多めに含まれており、犬の飲水量が増えるように工夫されています。

感染治療

犬が膀胱炎等の感染症を併発している場合には、感染症の治療が必要です。これは抗生物質の投薬で治療を行います。我が家の犬の場合は飲み薬でした。犬の結石がなくなった後も、数週間は継続して投薬を行います。

犬の尿石症の手術

ストラバイト結石治療と違い、シュウ酸カルシウム結石治療の場合は、犬のマグネシウムの過剰制限などが原因ですが、食事療法ではシュウ酸カルシウム結石を融かすことはできません。なのでシュウ酸カルシウム結石を手術で摘出するしかありません。

ストラバイト結石の場合は、犬の結石が小さいのであれば、食事療法と感染治療でほとんど融けてなくなってしまいます。ですが結石の種類にかかわらず人間と同じで大きな結石になってしまうと、手術で取り除かなければなりません。

犬の尿石症の予防法

お水を飲む犬

犬の尿石症予防は毎日の食事から!

犬の尿石症の治療に食事療法が大切なことと同様に、予防もやはり食事が最も大切です。ミネラルバランスのとれた食事が一番ですが、そうはいってもどう調整すればよいか難しいですよね。

実は犬の尿石症の治療で使う療法食は、犬の食事の予防にも効果的です。療法食とは治療に用いる食べ物で、基本は獣医師の処方のもとになっています。必ず獣医師に確認して、適切な療法食とその期間、犬に使用するようにしてください。

シュウ酸カルシウム結石の場合に、食事療法では石を融かす事ません。この場合は飲水量を増やすように工夫し、定期的に尿検査をしていく必要があります。また、シュウ酸カルシウム用の療法食がありますので利用したほうが良いでしょう。また、犬が毎日どのくらい水を飲んでいるか、量もしっかり見て気をつけてあげてください。

お留守番中に犬の水の食器が空っぽに、なんてなっていませんか?大きな食器でいつでも水を飲める環境にしておくことが重要です。十分な水を用意していても、犬の飲んでいる水の量が少ないようであれば、ドライフードではなくウェットフードを与えるなどの工夫をしてみましょう。

症状や病名で犬の病気を知る

犬の尿石症の他に、気になる犬の病気や普段見ない行動をとっていて心配なとき、病気を調べることができる辞典があります!ぜひ活用してみてくださいね。↓

犬の尿石症:体験談

今回、我が家の犬の体験をもとに、尿石症を発見した症状などのお話ししたいと思います。

おしっこのときの様子がおかしい

我が家の犬に異変が現れたのは2歳の春でした。近場の山に、休日、軽いハイキングに行った際、何だかやたらとソワソワして、何度もおしっこのポーズをとるのです。

マーキングをする子ではないのに、どうしたんだろう?それも、ポーズはとっているのにおしっこが出ている様子はない…。そのうえ、一番気になったのは、おしっこのポーズをとった後、ピーピーと悲しげに鳴いてその場にへたり込んでしまったのです。

帰宅後に考えてみると、やはり犬のおしっこのタイミングというのが気になります。そこで、かかりつけの動物病院に電話で相談したところ尿検査をすることになりました。

お散歩中に、おしっこを採ることになりましたが、ここでもまた異変が。いつも決まった植込みや草むらでしかおしっこをしない犬が、突然コンクリートの歩道でおしっこをしてしまったのです。そして、また切ない声でピーピー鳴いてしまいました。

診断結果は尿石症

それでも何とか犬のおしっこを採り、検査をしてもらったところ尿石症と診断されました。
何度もおしっこポーズをしたのは、尿石症特有の残尿感から、そして犬が、コンクリートの上でおしっこをしてしまったのは尿意をコントロールできなかったからでした。

そしてピーピーと鳴いていたのは、排尿痛が原因だったのです。一般的に痛みには強いといわれる犬が、ピーピー鳴いてしまう程とは、どんなに痛かったのだろうと本当に可哀想になってしまいました。

尿石症の治療

我が家の犬はストラバイト結石でしたので、尿を酸性にする療法食を処方され、14日間は他のフードやおやつは一切食べさせないようにと指示されました。

犬の結石療法食は各メーカーから出ているので、最初は試供品を数種類いただいて、食いつく物にしましょう、ということになりました。とはいえ我が家の犬はグルメとはほど遠く、何でも食いついたので、c/dの療法食を使用しました。

おやつをガマンさせるのは、どちらかといえば私たちの方が辛かったです(笑)。しかし、しっかり食事療法を守ったおかげで犬の尿石症はすっかり良くなりました。

まとめ

走る犬

いかがでしょうか?おかげさまで我が家の犬はその後、尿石症を再発することもなく元気に過ごしています。尿石症自体は、犬の命に危険が及ぶような疾患ではありませんが、悪化すると腎不全や尿毒症で死に至る場合もありますし、何より犬が痛がる姿は誰でも見たくないですよね。

私たちも、あの切ないピーピーという鳴き声はもう二度と聞きたくない!と思っています。もし発症してしまった場合は、獣医師の指導のもと適切な治療を行ってあげてくださいね。

ユーザーのコメント

  • 女性 雀3号

    尿結石は遺伝の他に、食事と水分量が原因のひとつになっていると聞きました。愛犬はシー・ズーなので、犬種的にも結石ができやすい子でした。
    水分もほとんど取らなかったので、トイレの回数が少なくても気にすることがありませんでした。気が付くのが遅れた原因でもあります。

    尿に薄ら血が混じるようになると、そこから見てわかるほど血尿になるまでそんなに時間はかかりません。尿を短く途切れ途切れで出すようになっていたらすぐに獣医さんの診察が必要になります。

    食事でも特に偏ったものは食べさせていないし、結石ができるような野菜なども与えていなかったのに結石ができてしまったのは、犬種によるものと極端な水分摂取の少なさからというのもあります。療法食はロイヤルカナンのphコントロールで調整しました。食いつきはイマイチでした。
    夏の暑い日の水分は特に重要ですので、なるべく多く取らせることで予防になります。水だけで飲まない場合は少しのオリゴ糖を入れたり、犬用ポカリにしたり、味を付けるだけでも飲んでくれるようになります。

    できてしまった結石は大きくなると手術で取るしか方法がありません。投薬治療で結石を溶かすことができるうちに対処し、その後の予防を徹底することで結石をできにくくしてあげることが大事です。
  • 20代 女性 チョコチップクッキー

    元動物看護師です。
    犬の尿結石はどの犬種でもなる可能性がありますが、中でも特に気を付けてほしい犬種は「シーズー」と「ミニチュアシュナウザー」です。

    通常尿結石の割合はストルバイト結石がなる子が多いですがシーズーとミニチュアシュナウザーは療法食で溶かすことの出来ない「シュウ酸カルシウム結石」が出来ているケースがよくみられました。これは犬種による体質かと思います。

    シーズーとミニチュアシュナウザーは、尿検査で結晶がみられなくても、レントゲン撮影をしてみると膀胱内に結石がゴロゴロと出来ていることもよくあります。
    尿に異常がみられた場合は、尿検査と合わせてレントゲン撮影をしてもらいましょう。

    また尿閉塞が起き尿が完全に出ない時間がまる一日以上続くと尿毒症により亡くなってしまいますので緊急を要します。
    愛犬の排尿の仕方、色やニオイを日頃からチェックし早期発見に努めましょう。
  • 20代 女性 匿名

    うちの犬も五月の暑い中、結晶尿をしました。痛みはなさそうですが、うちもお留守番が長いので反省です。療法食と飲水の量を増やすことで再発防止に努めようと思います。この機会に色々尿結石のページを見ましたが1番分かりやすかったです。
  • 女性 コロ

    愛犬が尿結石で血尿になってしまったことがあります。
    お散歩中に、殆ど赤い血の状態が流れていた時は私がパニックになりました。これは大変な重い病気かもしれない!焦って獣医さんに診せたら「ただの結石です」
    療法食を勧められたのですが、やはり食べてくれなかったので水分多めの手作り食で調整しました。
    どういうわけか去勢手術後は結石の症状もなくなりました。
  • 30代 女性 N

    愛犬のシーズーは生後6ヶ月くらいの時、ストロバイト石がでて、獣医師に勧められたロイヤルカナンPHコントロールを食べさせてましたが、8歳の時に血尿がでて、シュウ酸カルシウム石になりました。何を食べさせれば、尿石症にならないのか分からないので、とりあえず水分補給と排泄を多くして気をつけています。
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