犬の水虫とは?
人間に発症する水虫はたむしや白癬など様々な名称で呼ばれます。この水虫は人間の皮膚病という印象が強い人も多いと思いますが、実は犬も発症し得ます。犬の白癬は皮膚病の一種とされており、皮膚にカビが発症してしまうことで起こる病気です。
このカビが発生してしまう原因となる菌は皮膚糸状菌と呼ばれる細菌で、これは人が水虫を発症する際にも原因となる菌です。
犬が感染する皮膚糸状菌には3つの種類があり、イヌ小胞子菌、石膏状小胞子菌、毛瘡白癬菌が該当します。特にイヌ小胞子菌は非常に割合が高く、基本的に白癬に感染している他の犬などに接触することで、犬同士で感染してしまうことが多いです。
また一般的には、犬の中でもまだ幼い子犬や免疫力の弱っている老犬、さらに病気などの様々な理由で免疫力が低下してしまっている状態の犬が感染しやすいです。
そして同じ水虫の仲間ですがマラセチア性皮膚炎という病気があります。これは皮膚糸状菌によって起こる水虫とは異なる病気で、症状も少し異なります。
犬の水虫は人にうつる可能性がある
先ほど犬の水虫の感染原因となる菌は皮膚糸状菌であるという話が出ました。また、これは人間の水虫の原因にもなり得ます。そのため、白癬にかかった犬から飼い主である人間にうつる可能性があります。
感染した犬と接触することで、接触したその人の部位にうつってしまいます。そのため、愛犬がたむし(白癬)に感染してしまった場合、お世話があるので接触しないということは無理ですので、手袋をはめるなど工夫が必要です。
また白癬に感染してしまった人間から犬へうつってしまうこともありますので、飼い主が感染してしまった場合も気を付ける必要があります。家族が一緒に住んでいる場合は、症状が治るまでお世話をお願いしましょう。
犬の水虫の原因
では、犬が水虫に感染してしまう原因はどこにあるのでしょうか。犬が水虫になってしまう原因となる菌は、先ほどご紹介したように皮膚糸状菌や白癬菌です。
では、この皮膚糸状菌や白癬菌はどのようにして他の犬、あるいは人からうつってしまうのでしょうか。水虫は空気感染する病気ではありません。そのため、基本的には感染している人との接触や感染してしまった犬とのふれあいによって感染します。全ての皮膚糸状菌や白癬菌が感染するわけではないのですが、注意するに越したことはありません。
接触の仕方としては、やはり犬の場合、感染している対象者、あるいは犬を舐めることによって、潜伏している菌をもらってしまうというのが最も多い原因です。
また土の中には石膏小胞子菌が多くいます。したがって、散歩中に土の上を歩き、その土に接触した肉球を毛繕いの際などに舐めてしまうことでも水虫に関してしまうことがあります。散歩の後は足の裏など忘れやすい箇所もしっかり拭き、汚れや細菌を落としてあげましょう。
犬の水虫の症状
犬が水虫に感染してしまうと、爪や鼻、耳、目の周りなどに症状が現れやすいです。では、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。家族で水虫に感染している人がいる場合や、そのような犬と接触した後に下記の症状が見られたら要注意です。
毛が抜けてしまう
まずは毛が抜けるという症状が見られることが多いです。最も多いパターンとして、円形脱毛のように一部だけ毛が抜けてしまう犬が多いです。円形に脱毛するパターンの場合、円形脱毛の範囲が徐々に広がっていきます。他にも目の周りや耳、鼻の周りなど、体の部位の周辺が抜けてしまうパターンの犬もいます。
患部の腫れやただれ
脱毛の症状は水虫に感染してしまった犬に多く見られる症状ですが、症状が悪化してしまうと白癬の症状が現れている患部が腫れてしまったり、ただれてしまうことがあります。放っておくとその部分が化膿してしまったり、出血してしまう恐れがありますので、早めに病院へ連れて行きましょう。
痒みが生じることも
犬の水虫の症状に痒みが生じるケースは比較的少ないですが、中には痒みが生じ、普段よりも頻繁に皮膚を引っ掻いてしまう犬もいます。爪が皮膚に接触することにより、皮膚を傷つけてしまったり、水虫の症状を悪化させてしまう恐れがあるため、獣医さんに相談したり、掻きそうになったら止めるなど対応しましょう。
犬の水虫の治療法
では、犬が水虫に感染してしまった場合、どのような治療法があるのでしょうか。基本的に水虫の治し方は病院へ連れて行き、水虫の薬を獣医さんに処方してもらう方法が一般的です。
薬を使用する場合、水虫の薬を内服する方法と外用薬を使用する方法の2種類があります。外用薬を使用する場合、病院にもよりますが、薬を使用する際に被毛が邪魔になってしまうという理由から毛を刈らなければいけないことがあります。
さらに自宅でできる治療法としては、白癬の症状に効く薬が入ったシャンプーを使用することで症状を抑えることができます。しかし、自己判断で入手するのではなく、愛犬の皮膚の状態やアレルギーなどを確認した上で使用することをおすすめします。獣医さんに相談するとおすすめのシャンプーを紹介してもらえることも多いですよ!
水虫を治療する場合にかかる治療費は、基本的に数千円~2万円の間と症状や病院によっても異なります。また初診は再診よりも費用がかかりますので、病院へ行く際は多めにお金を用意していきましょう。
また、水虫と似たような症状にマラセチア性皮膚炎がありますが、そちらの症状の場合はマラセチアに効果のある薬を含むシャンプーや外用薬、内服薬を使用されることが多いです。
犬の水虫の予防法
飼い主としては、愛犬に水虫ができてしまう前に予防してあげたいというのが本音ですよね。では、犬が白癬に感染してしまわないようにするには、どのような予防法が効果的なのでしょうか。
まず水虫の原因となる白癬菌や皮膚糸状菌は高温多湿の場所を好みます。そのため、湿度のこもりやすい場所や物はしっかり乾燥させるなどし、家の中で菌が繁殖しないように対策することが重要です。特に水回り場所やタオルなどは要注意です。こまめに洗い、しっかり乾かすようにしましょう。
また、先ほどご紹介したとおり、犬から人へ、人から犬へも菌は感染する場合があります。万が一自分が水虫になってしまった場合、なるべく愛犬と接触せず、家族にお世話してもらい、しっかり完治させることを優先させてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。水虫は人間だけの病気ではありません。犬も感染することが珍しくない病気です。また、水虫の原因となる白癬菌や皮膚糸状菌の種類によっては、犬から人へ、そして人から犬へも感染します。そのため、愛犬と飼い主が共に水虫に感染しないよう、注意が必要です。
水虫に感染した場合、脱毛や炎症といった症状が現れます。もしも愛犬が水虫に感染してしまった場合は、先にも記載したとおり、なるべく早く病院へ連れて行き、内服薬や外用薬で治療してもらいましょう。
また、飼い主が水虫に感染してしまった場合には、愛犬にもうつしてしまわぬよう、水虫が完治するまでは家族の方に協力してもらうなどし、なるべく接触しないよう心がけましょう。
ユーザーのコメント
10代 女性 のりこ
30代 女性 ちびまま
40代 女性 MAKI
20代 女性 さえさえ
これからの季節は湿度が高くなって水虫が発生しやすい時期になってくるので、部屋を除湿したり部屋をこまめに掃除して水虫を寄せ付けないようにしたいです。
20代 女性 maimai
困ったことに、夫は水虫持ちです。薬を塗るのが面倒なのか、なかなか本気で治してくれなかったのですが、愛犬にもうつる可能性があると知ったらショックを受け、今度こそ完治するまで薬を塗ってくれるはずです。
大変参考になる記事内容でした。
20代 女性 てぃらみす
わんちゃんは床を素足で歩いたり寝転んだりと床に近い生活をしてますから、水虫になっている方が裸足のまま床を歩いたりすると菌がばらまかれますし不衛生ですし・・わんちゃんだけでなく他の家族にも移ってしまうかもしれないですよね。
家族に水虫の方がいるなら、靴下やスリッパを利用してもらいバスマットなども使いわけたほうが良いと思います。以前手のひらが水虫にかかってしまったという人がいたのですが、足だけでなく手なども水虫になるので使用後のマットを触った後は手を洗浄しましょう。
テレビで見たのですが、水虫菌は24時間以内に洗い流せばほぼ感染しないそうです。
わんちゃんの皮膚に炎症が起きてもアレルギーかな?皮膚の病気かな?と思い水虫とはなかなか疑わないですが、わんちゃんも水虫になる事や人から移ってしまう事を知り勉強になりました。
わんちゃんの使うマットなどはもちろんですが、部屋を清潔に保つのは大事だなぁと思いました♩