事件の流れと、バーニーズという犬種について
北九州市で起きたバーニーズの事件
2014年5月、北九州市小倉南区の住宅街で、逃げ出した大型犬(バーニーズマウンテンドッグ)に噛みつかれ重傷を負ったとして、60代の女性が飼い主らに対し損害賠償を求めるという事件が起きました。
その訴訟の判決として12日、60代女性の請求通り飼い主に2150万円の支払いを命じる判決が出ました。(福岡地裁小倉支部、野々垣隆樹裁判官)
判決によると、2014年5月28日、バーニーズマウンテンドッグは当時室内で飼われており、飼い主の留守中に逃走。
被害者女性が自宅敷地内にて車から荷物を降ろしていた際、女性に飛びかかって手や腕、腹などに噛みつきました。
それにより、被害者女性は指を骨折するなどを重傷を負ったとしています。
女性は指が動かせないなどの後遺症が残り、治療費や慰謝料などを求めて、昨年10月に飼い主らを提訴。飼い主らは口頭弁論には出ず、反論の書面も提出しませんでした。
その後飼い主男性は過失傷害容疑で書類送検、不起訴処分(嫌疑不十分)となりましたが、昨年10月に福岡地検小倉支部が不起訴不当を議決。
同支部が引き続き捜査をしていましたが、捜査関係者によると「犬は家の錠を外して逃走した可能性がある」とのことです。
バーニーズは本来ならとても温和な犬
バーニーズマウンテンドッグ(以下、バーニーズ)は身体のたくましさと機敏さをバランスよく持ちあわせています。
性格も非常に温厚で優しく、従順な性格なので、荷物などを引く牽引作業や家畜の群れを移動させる作業など、労働力が多く手間のかかる人間の仕事にも力を貸してくれる、頼もしい犬種として知られています。
また、本来はのんびりと落ち着いた性格なので、家庭向きの犬種ともいえます。
犬を飼っている方でしたらみなさんよくご存知かとは思いますが、大きな犬ほどたくさんの運動量を必要とします。
もちろん、バーニーズも例外ではありません。
運動量が少なければ、身体面でも精神面でも犬への負担は大きくなり、それがストレスとなってしまいます。
じゃあ自由に動き回れる外での飼育に向いているのか?といえば、バーニーズの場合はそうではありません。
バーニーズは「人間と一緒に」「家族と一緒に」いることで喜びを見出す犬です。
大型種でそれなりの運動量は必要ですが、家族と一緒に過ごせない外での飼育には向いていない犬種なのです。
よって家族と一緒に過ごせる室内飼育向いており、また、室内で飼育する時はストレスが溜まらないように飼育には充分なスペースが必要となってきます。
何かと手狭な住まいの多い日本国内の住宅街で、バーニーズのような大型の犬を飼う場合、こういった問題をクリアできるのかどうか、いかにストレスなく過ごせる環境を作ることができるのか、バーニーズも人間も、同じ屋根の下で一緒に楽しく暮らすためには、そこが一番のポイントになってくるのかもしれません。
食事や躾などももちろん大切ですが、それ以外にもこういった課題が重要になってくるのではないでしょうか。
まとめ
本来あってはいけないことですが、飼い犬が人間を襲う事件は後を絶ちません。
最悪の場合、犬が処分をされてしまうケースも度々目にします。
そんな事件を見る度に、筆者も切なさとやるせなさで胸がいっぱいになってしまいます。。。
ですが一旦立ち止まって、よく考えてみてください。
その犬は、最初から人間を襲うつもりだったのでしょうか?
果たしてどんな環境で、どんな飼い主さんの元で暮らしていたのでしょうか?
そして仮に処分となった場合、それで問題は解決するのでしょうか?
そして、その犬がもし「あなた」だったら。どう思いますか?
人間同様、犬にも様々な本来持つ性格がありますが、飼い犬の多くはその飼い主の「飼い方」「接し方」によって性格や行動が構成されます。
飼い主さんの性格、生活環境、食事など...そのうちどれかが欠けたり、不充分だったりした場合、人間でしたらストレスを感じますよね。
それは犬も同じこと。。。
飼い犬たちが起こす悲しい事件の原因はその犬自身ではなく、我々人間にあるのではないでしょうか。
だとしたら、悲しい事件を未然に防ぐことができるのも人間です。
私たちの大切な家族であるワンちゃんと長く楽しく一緒に暮らすためにも、ここであらためて飼っているワンちゃんの立場と目線になって、もう一度飼い方や環境など見直してみても良いのかもしれませんね。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 秋田犬
山麓の田舎でも昭和中期まで秋田犬の自由な放し飼いもあったそうですが、事故が多発したため今日は河川敷でのドッグランも出来ません。
去勢されていない大型犬は逃げる相手を食用として追いかける本能があるため、愛情いっぱいに育てても事故は防げず、エサで主導権を握った人間が、動物の本能も知らずに友達と思い込んでいるだけです。
完璧に訓練された利口な警察犬でも頑強なリードを付けて捜査しているので、本来なら大型犬を飼育するには自動車免許以上に難しい資格が必要というレベルでしょう。