犬の誤飲事故は年間で約20万件にのぼる
犬は興味を惹くモノを見つけると、それが一体何なのかを調べるために、口に入れてみたり、臭いを嗅いだりすることで、情報収集します。そのため、口に入れた際に誤って飲み込んでしまう事故が毎年多発しています。
犬の誤飲事故は、年間で表すと約20万件にも上ると言われているので、どのような犬にも起こりうる事故であることがわかります。中には、誤飲してしまったモノが原因で、そのまま命を落としてしまう事故も報告されているので、未然に防がなければいけません。
犬が飲み込んだら死んでしまうモノ7選
では、もし犬が誤飲してしまうと、死んでしまう恐れがあるモノには、どのようなモノが当てはまるのでしょうか。家の中はもちろん、散歩中にも危険が潜んでいるので、愛犬が危険なモノを飲み込まないよう、細心の注意を払いましょう。
1.ひも
どの家にも『ひも』はありますよね。スニーカーの紐や裁縫に使う紐、洋服に使われている糸なども含まれます。
ひもは飲み込んでしまうと、腸に絡まってしまうリスクが非常に高く、腸閉塞を引き起こす恐れがあります。腸閉塞は速やかに対処しなければ死に至る可能性が高くなってしまう恐ろしい病気なので、ひもは放置せず、捨てたり片付けたりしましょう。
2.布
タオルやハンカチ、衣服などの布も実は危険なモノに当てはまります。一見、「大きさがあるし、飲み込むことができないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、犬は夢中になって遊んでいる最中に、噛み千切ってしまう恐れがあることを忘れないでください。タオルやハンカチなどを噛み千切ってしまい、小さくなった布の破片を飲み込んでしまう恐れがあるのです。
小さくなった布の破片が喉に詰まり、窒息を引き起こしたり、消化管に詰まってしまい激しい嘔吐が繰り返される場合もあります。いずれのケースも治療が遅れると命にかかわります。タオルなどで遊ばせる際は、必ず飼い主が注意深く見ていましょう。
3.竹串
危険な上、非常に恐ろしいモノが竹串です。「竹串なんて飲み込まないのでは?」と思うかもしれませんが、実は誤飲事故数TOP3に入るほど、多発しています。
竹串は先が尖っているので、飲み込んでしまうと食道を傷つけてしまうなど、体内で大きな悪影響を及ぼします。その結果、死に至る危険性が非常に高いです。竹串には、通常焼き鳥などの匂いや旨味が付着していることが多いので、それを目当てに犬は舐めたりかじったりしてしまいます。焼き鳥などを食べた後は、竹串を放置せず、すぐに犬の手が届かない場所へ移動させましょう。
4.自動車から漏れた不凍液
自動車エンジンの冷却水として、冬場でも凍結しないように不凍液が用いられます。この不凍液を犬が間違って口にしてしまうことで、中毒症状が起こることがあります。不凍液は、甘い匂いがすると言われているので、犬はその甘い匂いに釣られて舐めてしまうのです。
進行が早い場合、ふらつき症状が現れたときには既に手遅れであることもあるので、少しでも舐めてしまった場合は、症状が現れる前に受診しましょう。
5.植物
散歩中、通年を通して気を付けなければいけないモノが、植物です。花壇に植えられている花などには、犬にとって有害な物質を含む植物が意外と多く植えられています。ユリやアサガオなどは、代表的です。
口に入れ誤飲してしまうと、重篤な症状が現れるのが早く、短時間で死に至る傾向が強いです。そのため、誤飲してしまったとわかったら、すぐに病院へ連れて行きましょう。また、危険とされていない植物であっても、除草剤が撒かれている可能性もあります。除草剤も体内に取り込んでしまうと大変危険なので、植物は誤飲しないよう注意しましょう。
6.薬
家の中で見かける誤飲事故で多いモノが薬です。小さいので簡単に飲み込んでしまう可能性がありますし、遊んでいる最中に誤って飲み込んでしまったというケースも非常に多いです。
薬は人間でも組合せを間違えると危険なモノですし、人にとって問題がない薬の中には犬が飲んではいけないものもあります。犬が飲み込んでしまうと、重篤な症状が現れたり、薬によっては死んでしまったりする恐れもあります。薬は絶対に放置しないようにしましょう。
7.殺虫剤
家の中で害虫が現れた際に使う殺虫剤は、多くのご家庭でストックされていると思います。しかし、殺虫剤は重篤な症状を引き起こす危険性があるため、使った際は、その場所に愛犬を近付けさせないことが大切です。使っていないときも、愛犬の手が届かない場所にしまっておきましょう。
誤飲しないよう環境を整えて事故を未然に防ごう!
このように、私たちの身近にあるモノを誤飲してしまうことで、愛犬が死んでしまう恐れがあります。悲劇を起こさないためにも、普段から生活環境を整えておくことが大切です。
今回ご紹介したモノはもちろん、その他にも愛犬が誤飲しそうな小さなモノや危険なモノは、あらかじめ手の届かない場所にしまっておき、事故を未然に防ぎましょう。
散歩中は危険がたくさん潜んでいるため、歩きながらしっかり愛犬とアイコンタクトをとり、愛犬が道端に落ちているモノや植物を誤飲しそうになっていたら、「ダメ」と合図を送ってください。日頃から、「ダメ」や「待て」をしっかり学習しておくことも重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このように「こんなモノ、誤飲しないでしょう」と思っているモノであっても、犬は興味を示して誤飲してしまうことがあります。危ないモノは事前に隠し、愛犬が興味を持たないようにすることが最も重要です。